県政報告
(主な質疑)
- 午前十時十分開議
◯議長(石井芳樹君) ただいまから会議を開きます。
直ちに議事日程に従い会議を進めます。
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日程第一 諸般の報告
- 2: ◯議長(石井芳樹君) この際、諸般の報告をいたします。
六月三十日、知事から追加提出されました議案は、各位のお手元に送付をいたしました。
以上、御報告いたします。
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日程第二 第八十一号議案令和五年度愛知県一般会計補
正予算から第百二号議案令和五年度愛知県流
域下水道事業会計補正予算まで
- 3: ◯議長(石井芳樹君) 次に、第八十一号議案令和五年度愛知県一般会計補正予算から第百二号議案令和五年度愛知県流域下水道事業会計補正予算までを一括議題といたします。
直ちに追加提出されました第百一号議案令和五年度愛知県一般会計補正予算及び第百二号議案令和五年度愛知県流域下水道事業会計補正予算に対する知事の提案理由説明を求めます。
大村知事。
〔知事大村秀章君登壇〕
- 4: ◯知事(大村秀章君) 議員の皆様方には、六月十九日の開会以来、補正予算案をはじめ各議案につきまして、熱心に御審議を賜り、深く感謝を申し上げます。
六月三十日に追加提出をいたしました補正予算案の御説明を申し上げるに先立ち、六月二日の大雨による災害への対応について申し上げます。
本県に甚大な被害をもたらしたこの大雨による災害につきましては、発災から一か月余りが経過をいたしました。改めて、被災された方々に対し、心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。
発災から今日に至るまで、被災現場の応急対策はもとより、被害状況の詳細な把握、さらには早期復旧のための補正予算の編成などに全力で取り組んできたところであります。
こうした中、国から、今回の大雨が激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律に基づく激甚災害に指定される見込みとなったことが公表されました。
これにより、農地等の災害復旧事業等に係る補助の特例措置等が適用される見込みとなることから、本県にとっても今後さらに復旧が加速するものと期待をいたしております。
また、七月四日から五日にかけて実施をいたしました国の施策、取組に対する要請活動の中でも、農林水産省に対して、被災した農業者の営農再開に向けた支援についての要請などをいたしました。
引き続き、国や市町村、関係機関、団体と共に、一刻も早い被災地域の復旧・復興に総力を挙げて取り組んでまいります。
それでは、補正予算案について、その概要を申し上げたいと存じます。
今回の補正予算は、この大雨により被災した施設の早期復旧を進めるためのもので、一般会計で五十一億五千七百十一万余円を増額補正するものです。
その内容でございますが、まず公共土木施設について、被災した道路、橋梁、河川、海岸、砂防、公園、港湾、漁港のほか、土砂崩れなどが発生した豊川市の東三河ふるさと公園や被災した流域下水道施設の流入水監視設備の復旧を進めてまいります。また、土砂災害発生箇所に砂防堰堤を築堤し、さらなる被害の防止を図ってまいります。
次に、農林水産関連施設について、農地、ため池や水路などの農業用施設、林道、山地、治山ダムなどの治山施設の復旧を進めるとともに、農業協同組合が所有するカントリーエレベーターや資材倉庫などの復旧に要する経費を支援してまいります。
また、社会福祉施設については、西尾市にある愛知こどもの国で発生した土砂崩れ等の復旧を進めるとともに、被災した民間の介護事業所や障害者施設における復旧事業に要する経費を支援してまいります。
この予算案につきましては、復旧を早急に進める必要がありますことから、よろしく御審議の上、適切な御議決を早期に賜りますようにお願いを申し上げます。
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〔議案は末尾付録に掲載〕
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- 5: ◯議長(石井芳樹君) 次に、各常任委員会に付託いたしました第八十一号議案令和五年度愛知県一般会計補正予算から第百号議案副知事の選任についてまでに対する各常任委員長の報告を求めます。
県民環境委員長黒田太郎議員。
- 6: ◯三十七番(黒田太郎君) 県民環境委員会に付託されました議案は、第八十一号議案令和五年度愛知県一般会計補正予算一件であります。
本議案につきましては、慎重に審査を行い、採決の結果、全員一致をもって原案を可決すべきものと決しました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
- 7: ◯議長(石井芳樹君) 福祉医療委員長神谷和利議員。
- 8: ◯四十五番(神谷和利君) 福祉医療委員会に付託されました議案は、第八十一号議案令和五年度愛知県一般会計補正予算外三件であります。
各議案につきましては、慎重に審査を行い、採決の結果、第八十一号議案、第八十五号議案、第八十六号議案及び第八十九号議案は、いずれも全員一致をもって原案を可決すべきものと決しました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
- 9: ◯議長(石井芳樹君) 経済労働委員長福田喜夫議員。
- 10: ◯五十四番(福田喜夫君) 経済労働委員会に付託されました議案は、第八十一号議案令和五年度愛知県一般会計補正予算外二件であります。
各議案につきましては、慎重に審査を行い、採決の結果、第八十一号議案、第八十二号議案及び第九十三号議案は、いずれも全員一致をもって原案を可決すべきものと決しました。
以上、御報告を終わります。(拍手)
- 11: ◯議長(石井芳樹君) 農林水産委員長佐藤英俊議員。
- 12: ◯四十六番(佐藤英俊君) 農林水産委員会に付託されました議案は、第八十一号議案令和五年度愛知県一般会計補正予算一件であります。
本議案につきましては、慎重に審査を行い、採決の結果、全員一致をもって原案を可決すべきものと決しました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
- 13: ◯議長(石井芳樹君) 建設委員長丹羽洋章議員。
- 14: ◯五十九番(丹羽洋章君) 建設委員会に付託されました議案は、第八十一号議案令和五年度愛知県一般会計補正予算外二件であります。
各議案につきましては、慎重に審査を行い、採決の結果、第八十一号議案、第八十七号議案及び第八十八号議案は、いずれも全員一致をもって原案を可決すべきものと決しました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
- 15: ◯議長(石井芳樹君) 教育・スポーツ委員長河合洋介議員。
- 16: ◯五十五番(河合洋介君) 教育・スポーツ委員会に付託されました議案は、第八十一号議案令和五年度愛知県一般会計補正予算外三件であります。
各議案につきましては、慎重に審査を行い、採決の結果、第八十一号議案及び第九十四号議案に関しては賛成多数をもって、また、第九十二号議案及び第九十五号議案は全員一致をもって、いずれも原案を可決すべきものと決しました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
- 17: ◯議長(石井芳樹君) 警察委員長ますだ裕二議員。
- 18: ◯五十一番(ますだ裕二君) 警察委員会に付託されました議案は、第八十一号議案令和五年度愛知県一般会計補正予算外二件であります。
各議案につきましては、慎重に審査を行い、採決の結果、第八十一号議案、第九十号議案及び第九十六号議案は、いずれも全員一致をもって原案を可決すべきものと決しました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
- 19: ◯議長(石井芳樹君) 総務企画委員長辻秀樹議員。
- 20: ◯五十番(辻秀樹君) 総務企画委員会に付託されました議案は、第八十一号議案令和五年度愛知県一般会計補正予算外七件であります。
各議案につきましては、慎重に審査を行い、採決の結果、第八十一号議案、第八十三号議案、第八十四号議案及び第九十一号議案は、いずれも全員一致をもって原案を可決すべきものと決し、第九十七号議案から第百号議案までは、いずれも全員一致をもって同意すべきものと決しました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
- 21: ◯議長(石井芳樹君) 以上で各常任委員長の報告は終わりました。
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- 22: ◯議長(石井芳樹君) これより第八十一号議案令和五年度愛知県一般会計補正予算、第八十二号議案令和五年度愛知県水道事業会計補正予算、第八十七号議案愛知県都市公園条例の一部改正について、第九十四号議案訴えの提起について、以上四件の議案に対する討論に入ります。
討論の通告により順次発言を許可いたします。
下奥奈歩議員。
〔三十二番下奥奈歩君登壇〕
- 23: ◯三十二番(下奥奈歩君) 日本共産党、下奥奈歩です。
ただいま議題となっております諸議案のうち、第八十一号議案、第八十二号議案、第八十七号議案及び第九十四号議案について、反対の立場から討論を行います。
初めに、第八十一号議案令和五年度愛知県一般会計補正予算第二号についてです。
この補正予算には、長年の懸案である特別支援学校の長時間通学や教室不足の解消につながる二つの特別支援学校の設置や、低所得者世帯への子育て支援と県民福祉の向上につながる予算も盛り込まれておりますが、以下の二つの理由で賛成できません。
一つ目は、ラーケーション推進事業費です。
ラーケーションとは、校外学習活動の日として一年間に三日まで学校に登校しなくても欠席扱いせず、子供たちが保護者らと共に校外で体験や探求の学び、活動を自ら考え、実行するものです。
休み方改革を通じ、生産性向上を目指すという大村愛知県知事の目玉の政策のようですが、教育現場の声を置き去りにした問題山積みの政策です。四点、問題を指摘したいと思います。
第一に、ラーケーション導入による学習の遅れをカバーする手だてがないことです。
ラーケーション取得によって受けられなかった分を自習するとしています。しかし、実際にどの家庭でも学習の補充ができるとは限らないという声も寄せられています。技術や調理実習、音楽など、家庭では自習が難しい授業もあります。
今、教育現場は、先生が足りなくて多忙化しています。そんな中で子供たちへフォローする体制をつくるのは困難だと思います。子供たちの学びが保障されるのか、大変心配です。
第二に、学級や学校の運営に重大な支障を招くことになりかねないということです。
子供たちがいつ何人休むか分からない中で学級、学校を運営するのは難しい、校外学習や修学旅行の班決めなど、計画的なクラス運営ができなくなる不安が解消されないという声があります。学年によっても細かな授業計画は違ってきます。
第三に、子供たちの間に格差を広げ、自己肯定感の低下を招きかねないということです。
ラーケーションの難しい家庭もある、格差拡大になりそうと心配する声があります。大企業に勤めている家庭ばかりではありません。休めない保護者、生活保護を受けている家庭、親が病気を患っている家庭、シングルマザーやシングルファーザーの家庭など、事情は様々あります。
ゆとりのある家庭は制度が使えますが、そうでない家庭は生活格差がはっきり見えてしまいます。ラーケーションに行ってこんなことをしたと話せる子はいいけど、その制度を使えないことで自己肯定感を下げてしまう子供も出てしまうのではと、現場の声があります。子供たちの中に格差を広げるような制度を愛知県がやるべきではありません。
第四に、休み方改革と言いながら、教員の長時間労働・多忙化解消に逆行することです。
新たな制度を始めることによって、現場は混乱し、負担が大きくなってしまうのではないかと思います。雇用主である愛知県が教員に負担を押しつけ、休みたくても休めない状況に追い込むことになってしまいます。休み方改革というのであれば、まず長時間労働が問題になっている学校現場で、正規教員を増やし、休める環境をつくることが先ではありませんか。
以上、四点指摘させていただきました。
そもそも、一体誰のための休日なのでしょうか。一部報道によると、ラーケーションはトヨタカレンダーが追い風になったとありました。知事も会見で、経済団体、産業界から、休日は親子でいろいろな活動がしたいと要望があったと語っています。大企業の要望が後押しになったのではないでしょうか。
学校現場に混乱をもたらすような制度をつくるよりも、子育てしながら働く人々が子供や学校に合わせて休みやすい社会にすることこそ必要です。教育現場に混乱と負担、格差を広げるような制度を持ち込むべきではありません。
二つ目は、愛知県基幹的広域防災拠点整備事業費についてです。
県民の命に関わる基幹的広域防災拠点整備事業について、その整備と事業の必要性は認めますが、これは県民の命に直結する公共施設の整備と運営をPFI手法により特定の民間企業に委ねる、このことが問題です。
以上の理由により、第八十一号議案には賛成できません。
次に、第八十二号議案令和五年度愛知県水道事業会計補正予算第一号についてです。
豊橋浄水場の再整備をPFI手法で行う理由として挙げられたのは、同一敷地内で給水事業を行いながらの再整備なので、設計、施工と運転管理を一括発注するほうがリスクを回避し安全に運転しながら工事も進められる。一括発注することで費用も節約でき、浄水場の空きスペースも民間の知恵で有効活用してもらえる。この二点ですが、どうでしょうか。
工事期間十年プラス運転管理二十年、合計三十年の長期にわたり、同一事業者に運転管理業務を委託することになります。運転管理は現在既に民間委託されていますが、数年ごとに業者を選定し、チェックがかかります。三十年の長期委託では競争原理も働かず、会社都合で業務継続できないリスクも考慮すると、果たして安全と言えるのでしょうか。
そもそも水道事業は、県民の命を守る事業です。浄水場は水道事業にとって、水を送り出す、言わば心臓に当たる重要な施設であり、企業利益よりも安全性、安定性、継続性が優先されるべきです。
公共が担うべき事業の中でも、住民の命に直結する分野を民間に、しかも一括発注で大企業中心でしか受注できない方法で委ねることに賛成できません。
次に、第八十七号議案愛知県都市公園条例の一部改正についてです。
この条例改正案は、愛・地球博記念公園の一角に新たに設置する遊具について、利用者が多いと予想される土日、休日、夏休み等に限り有料化するというものです。ジブリパーク気分を味わえる遊具を公園の無料エリアに設置することには私も賛成です。しかし、どうして来場する子供たちと保護者から使用料を取る必要があるのでしょうか。愛知県が子育て支援に力を入れるというのなら、無料の公園エリアに設置する遊具は無料開放するのが当然ではありませんか。
しかも、四歳から小学校六年生までと、幼児も含めて使用料を徴収する。保護者からではなく、子供たちからこんなお金の取り方をする公園を私はほかに知りません。
すっきりと無料開放し、安全管理は公園管理者である県の責任で万全を期すのが当然です。子供から使用料金を徴収する条例改正には賛成できません。
八月四日の供用開始から施行されるこの条例改正により予定される収入額は、僅か千四百八十万円です。私はきっぱり無料にすべきと申し上げます。
最後に、第九十四号議案訴えの提起についてです。
この議案は、愛知県から貸与を受けた高等学校等奨学金貸付金の返還が滞っている方に返還を求める裁判を起こすというものです。
奨学金返済が、今、若者に重くのしかかっています。二〇二二年の自殺者のうち、理由の一つとして、奨学金の返還を苦にしたと考えられる人が十人いたということが警察庁などのまとめで分かったという報道がありました。
今の制度では、返還免除の対象になるのは、本人が死亡または重い障害で就労が不可能になった場合のみです。あまりに冷たく機械的です。せめて返還免除の対象に本人と保証人の経済的理由も加えるなど、困っている若者にしっかりと寄り添い、支援すべきです。滞納者を裁判に訴え、困っている県民をさらに追い込みかねない議案に賛成できません。
以上、県民の暮らしを守ることや、教育の充実、子育て応援に逆行する中身である議案について、反対であることを表明し、討論とさせていただきます。
- 24: ◯議長(石井芳樹君) 日高章議員。
〔二十七番日高章君登壇〕
- 25: ◯二十七番(日高章君) 自由民主党の日高章でございます。
私は、自由民主党愛知県議員団を代表いたしまして、ただいま議題となっております第八十一号議案令和五年度愛知県一般会計補正予算第二号、第八十二号議案令和五年度愛知県水道事業会計補正予算第一号及び第八十七号議案愛知県都市公園条例の一部改正について、以上三件の議案について、賛成の立場から意見を申し述べ、議員各位の御賛同を賜りたいと存じます。
初めに、第八十一号議案令和五年度愛知県一般会計補正予算第二号のうち、少子化対策関連事業について申し述べます。
少子化は、我が国が直面する最大の危機であり、先送りできない待ったなしの課題であります。国が六月に発表したこども未来戦略方針では、若年人口が急激に減少する二〇三〇年代に入るまでが少子化の状況を反転できるかどうかのラストチャンスであるとし、全ての世代の国民一人一人の理解と協力を得ながら、次元の異なる少子化対策を推進する。これにより、若い世代が希望どおり結婚し、希望する誰もが子供を持ち、安心して子育てができる社会、分け隔てなく大切にされ、育まれ、笑顔で暮らせる社会の実現を図ると強い決意が述べられております。
少子化対策については、国と地方がまさに車の両輪となって、それぞれの役割の下に最優先で取り組んでいかなければなりません。
国が、今後三年間の集中取組期間において、少子化対策の抜本的な強化を図るとする中、県としては、地域の実情や課題に即し、必要な対策をきめ細かくスピーディーに実施していくことが求められます。
今回の補正予算案では、本県独自の少子化対策として、男性の育児休業取得を促進する中小企業等への支援や、経済的に厳しい状況にある世帯への切れ目のない支援、様々な問題を抱える妊産婦への支援といった、地域の実情や課題を的確に捉えた事業が盛り込まれております。
従来からの子育て施策等に加え、これらの事業を速やかに実施していくことは、県民の皆様が安心して子供を産み、子育てができる社会の実現に寄与するものと大いに期待するものであります。
続いて、新設特別支援学校整備費についてであります。
これまで、特別支援学校の過大化による教室不足や長時間通学の解消のため、大村知事就任以来、新設校の設置や校舎の増築、スクールバスの増車に取り組み、特別支援学校の教育環境の改善が図られました。
しかしながら、知的障害のある児童生徒を対象とした三好特別支援学校では、一旦は教室不足の緩和が図られましたが、児童生徒数は依然として増加し、教室不足は顕在化しております。
また、肢体不自由のある児童生徒を対象とした港特別支援学校では、通学区域である名古屋市緑区、名東区、天白区、豊明市、日進市、東郷町から通学するに当たり、スクールバスの平均運行時間が六十分を超えており、通学に長時間を要することが課題となっております。
こうしたことから、二校とも適切な場所に学校を新設することが必要であり、豊田市から南山国際高等学校・中学校跡地を候補地とした知的障害特別支援学校の新設について、また、名古屋市からは、天白学校体育センターを候補地とした肢体不自由特別支援学校の新設について、それぞれ強い提案、要望があったと伺っております。
こうした中、今回の補正予算では、西三河北部地区知的障害特別支援学校及び名古屋東部地区肢体不自由特別支援学校新設のため、二〇二七年四月の開校を目指し、基本設計費を計上しております。
この事業は、障害のある子供たちが、少しでも身近な通いやすい学校で学び、地域とのつながりの中で成長していけるようにするため有効な取組であり、教育環境の充実に資する事業として強く期待するものであります。
続いて、ラーケーション推進事業費についてであります。
本県は、あいち県民の日の創設を契機として、経済界、労働界、教育界と共に休み方改革を推進し、国民全体のワーク・ライフ・バランスの充実と生産性向上による日本経済の活性化の実現を目指しております。
こうした中、本年三月に愛知県休み方改革プロジェクトを発表しました。その取組の一つとして、子供たちが保護者等と共に、家庭や地域で体験や探求の学び、活動を自ら考え、企画し、実行することができる日、ラーケーションの日の創設が盛り込まれました。
学校の外にも学びがあるのではないか、そういったところで学ぶことも有意義ではないかということで、学校に登校しなくても欠席とならず、保護者等の休暇に合わせて年三日まで取得できるものであります。
なお、同様の制度を行っている自治体はないと聞いており、全国的にも注目されております。
また、総務省の調査では、土曜勤務の方の割合が約四五%、日曜勤務の方が約三〇%いるということで、この取組は、親の休みと子供の休みが一致しない家庭に対する支援にもつながるものと考えます。
今回の補正予算で計上されましたラーケーション推進事業費は、ラーケーションの日の導入に向けた学校での実施体制の整備をする内容となっております。
こうした取組により、休み方改革を推進するとともに、全ての子供たちの可能性を引き出す学びにつながるものと期待をしております。
続いて、愛知県基幹的広域防災拠点整備・運営等事業契約についてであります。
近年、全国各地で地震や集中豪雨が頻発するなど、大規模災害への備えが強く望まれており、特にこの地域においては、南海トラフ地震の発生リスクが高まる中、県土全体の災害対応力の強化が急務となっております。
こうした中、基幹的広域防災拠点は、大規模災害時に全国の自衛隊、消防、警察などの活動要員及び支援物資を円滑に受け入れ、被災現場や県内各地の防災拠点を後方から支援する重要な拠点であります。
また、その指揮本部となる消防学校は、県と名古屋市が共同設置し、全県一貫した消防教育や実践的かつ高度な訓練により県内消防力の一層の強化に資するものであるとともに、県民の防災知識の普及啓発の拠点になるものと期待されます。
さらに、公園エリアでは、各種のスポーツやイベントの開催や、防災をテーマとしたスタートアップ事業展開、新たな防災ビジネスの情報発信など、憩いやにぎわい、そして産業振興の場になるものと期待しております。
今回、急激な物価高騰等により入札不調となったPFI事業の再入札に向け、直近の物価及び賃金の変動を踏まえた設計・建設費や維持管理・運営費へ見直しを行い、債務負担行為を増額補正するものでありますが、自然災害等のリスクに対応し得る、危機に強い地域づくりの実現のため、早急な整備を進めていただきたいと考えます。
次に、第八十二号議案令和五年度愛知県水道事業会計補正予算第一号について申し述べます。
今回の再整備事業は、昭和四十二年の築造以来五十年以上が経過し、主要構造物の老朽化が進み、耐震化も必要とされている豊橋浄水場について、施設の全面的な再整備を図るものであります。
今回の議案は、民間事業者の持つノウハウや創意工夫を活用したPFI手法で再整備を進めていくに当たり、実施方針の公表、業者の選定などの業務支援のため、アドバイザリー業務を委託契約の費用として計上するものであります。
再整備事業は、受水団体へ安定供給を続けながら、浄水場の狭い敷地内で、沈殿池や、ろ過池などの施設を順次造り替えていく難しい工事であります。
また、浄水場の水処理には多くのエネルギーを消費していることから、カーボンニュートラルの実現に向けた新しい技術や発想を取り入れるなど、時代に合わせた次世代型の新しい浄水場に更新していくことも求められております。
水は、健康、生命を保つために必要不可欠なものであります。そして、県営水道は、県民生活にとって欠かせないインフラ施設であります。
県は、施設整備や維持管理などの監視や指導を怠ることなく、着実に再整備事業を進めていただき、住民、利用者の理解を得ながら、安全で安定的な供給の最終責任者として、引き続きしっかり取り組んでいただきたいと思います。
最後に、第八十七号議案愛知県都市公園条例の一部改正について申し述べます。
愛知県都市公園条例の一部改正については、愛・地球博記念公園内に現在整備している猫の城遊具を利用するための使用料を設定するものであります。
この遊具はスタジオジブリ作品をモチーフにしたものであり、遊具を目当てに県内外から多くの子供たちが遊びに来ることが想定されます。また、子供たち以外にも、どのような遊具なのか一目見たいという方々も数多く来園すると考えられ、幅広い世代の方々が集まることが想定されます。
多くの皆様方に御利用いただけることは大変喜ばしいことですが、一方で、利用者の安全を確保することは公園管理者の責務であります。そのため、混雑が予想される土日、休日等に整理員や監視員を配置し、これに要する費用を利用者に負担していただくことはやむを得ないものと考えます。
また、平日を無料とすることで、結果として利用の分散化にも寄与し、土日、休日等の混雑緩和につながる効果も期待できると考えます。
愛・地球博記念公園は、愛知県を代表する重要な都市公園であります。我が党県議団といたしましても、よりよい施設が整備され、県営公園の魅力が向上するよう、今後とも様々な方策を検討し、取り組んでいただくことを期待します。
以上、議場の皆様方の御賛同を賜りますよう切にお願いを申し上げ、私の賛成討論を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
- 26: ◯議長(石井芳樹君) 以上で通告による討論は終わりました。
これをもって討論を終結いたします。
これより採決いたします。
第八十一号議案令和五年度愛知県一般会計補正予算、第八十二号議案令和五年度愛知県水道事業会計補正予算、第八十七号議案愛知県都市公園条例の一部改正について、第九十四号議案訴えの提起について、以上四件の議案を一括起立により採決いたします。
各常任委員長の報告のとおり、第八十一号議案、第八十二号議案、第八十七号議案及び第九十四号議案を原案のとおり可決することに賛成の議員の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
- 27: ◯議長(石井芳樹君) 起立多数と認めます。よって、第八十一号議案、第八十二号議案、第八十七号議案及び第九十四号議案は原案のとおり可決されました。
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- 28: ◯三十九番(山田たかお君) 各常任委員長の報告のとおり、第八十三号議案から第八十六号議案まで、第八十八号議案から第九十三号議案まで、第九十五号議案及び第九十六号議案は原案のとおり可決され、第九十七号議案から第百号議案までは同意されたいという動議を提出いたします。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
- 29: ◯議長(石井芳樹君) 山田たかお議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
- 30: ◯議長(石井芳樹君) 御異議なしと認めます。よって、第八十三号議案から第八十六号議案まで、第八十八号議案から第九十三号議案まで、第九十五号議案及び第九十六号議案は原案のとおり可決され、第九十七号議案から第百号議案までは同意されました。
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- 31: ◯議長(石井芳樹君) これより第百一号議案令和五年度愛知県一般会計補正予算及び第百二号議案令和五年度愛知県流域下水道事業会計補正予算の審議に入ります。
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- 32: ◯四十番(朝日将貴君) ただいま議題となっております第百一号議案及び第百二号議案は、審査のため、それぞれ所管の常任委員会に付託されたいという動議を提出いたします。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
- 33: ◯議長(石井芳樹君) 朝日将貴議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
- 34: ◯議長(石井芳樹君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま議題となっております第百一号議案及び第百二号議案はそれぞれ所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。
なお、議案付託表は議席に配付いたしました。
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- 35: ◯三十九番(山田たかお君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
- 36: ◯議長(石井芳樹君) 山田たかお議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
- 37: ◯議長(石井芳樹君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。
午前十時四十八分休憩
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午後一時開議
- 38: ◯議長(石井芳樹君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
直ちに第百一号議案令和五年度愛知県一般会計補正予算及び第百二号議案令和五年度愛知県流域下水道事業会計補正予算に対する各常任委員長の報告を求めます。
福祉医療委員長神谷和利議員。
- 39: ◯四十五番(神谷和利君) 福祉医療委員会に付託されました議案は、第百一号議案令和五年度愛知県一般会計補正予算一件であります。
本議案につきましては、慎重に審査を行い、採決の結果、全員一致をもって原案を可決すべきものと決しました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
- 40: ◯議長(石井芳樹君) 農林水産委員長佐藤英俊議員。
- 41: ◯四十六番(佐藤英俊君) 農林水産委員会に付託されました議案は、第百一号議案令和五年度愛知県一般会計補正予算一件であります。
本議案につきましては、慎重に審査を行い、採決の結果、全員一致をもって原案を可決すべきものと決しました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
- 42: ◯議長(石井芳樹君) 建設委員長丹羽洋章議員。
- 43: ◯五十九番(丹羽洋章君) 建設委員会に付託されました議案は、第百一号議案令和五年度愛知県一般会計補正予算外一件であります。
各議案につきましては、慎重に審査を行い、採決の結果、第百一号議案及び第百二号議案は、いずれも全員一致をもって原案を可決すべきものと決しました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
- 44: ◯議長(石井芳樹君) 総務企画委員長辻秀樹議員。
- 45: ◯五十番(辻秀樹君) 総務企画委員会に付託されました議案は、第百一号議案令和五年度愛知県一般会計補正予算一件であります。
本議案につきましては、慎重に審査を行い、採決の結果、全員一致をもって原案を可決すべきものと決しました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
- 46: ◯議長(石井芳樹君) 以上で各常任委員長の報告は終わりました。
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- 47: ◯四十番(朝日将貴君) 各常任委員長の報告のとおり、第百一号議案及び第百二号議案は原案のとおり可決されたいという動議を提出いたします。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
- 48: ◯議長(石井芳樹君) 朝日将貴議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
- 49: ◯議長(石井芳樹君) 御異議なしと認めます。よって、第百一号議案及び第百二号議案は原案のとおり可決されました。
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日程第三 意見書案(国会における憲法論議の更なる推
進と国民的議論の喚起について外四件)
- 50: ◯議長(石井芳樹君) 次に、意見書案でありますが、国会における憲法論議の更なる推進と国民的議論の喚起についての意見書案が成規の手続を経て提出されております。
これを直ちに議題とし、提案者から提案理由の説明を求めます。
村瀬正臣議員。
〔四十三番村瀬正臣君登壇〕
- 51: ◯四十三番(村瀬正臣君) 私は、自由民主党愛知県議員団、あいち民主県議団、公明党愛知県議員団並びに減税日本愛知県議員団の四会派で共同提案いたしております、国会における憲法論議の更なる推進と国民的議論の喚起についての意見書案について、提案理由の説明を申し上げます。
意見書案の文案につきましては、お手元に配付してあるとおりであります。
日本国憲法は、国民主権や平和主義、基本的人権の尊重の原則の下、我が国の発展に重要な役割を果たしており、この三原則は今後も堅持されなければなりません。
現憲法は、今日に至るまで一度の改正も行われておりませんが、国家の基本法である憲法は、直面する諸課題に的確に対処できる内容であることが求められます。
このような状況の中、国会では憲法審査会が設置され、憲法論議が行われております。
憲法の内容は、国会はもとより、主権者である国民が幅広く議論し、その結果が反映される必要があります。
そこで、本意見書案は、国に対し、日本国憲法について、国会での活発かつ広範な論議をさらに推進するとともに、国民的議論を喚起することを要望するものであります。
以上、本意見書案について提案理由を述べてまいりましたが、切に満場の御賛同をお願いいたしまして、提案理由の説明といたします。
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- 52: ◯議長(石井芳樹君) これより本意見書案に対する討論に入ります。
討論の通告により発言を許可いたします。
下奥奈歩議員。
〔三十二番下奥奈歩君登壇〕
- 53: ◯三十二番(下奥奈歩君) 日本共産党、下奥奈歩です。
私は、国会における憲法論議の更なる推進と国民的議論の喚起についての意見書案について、反対の立場から討論を行います。
この意見書案は冒頭で、日本国憲法は、国民主権や平和主義、基本的人権の尊重の原則の下、我が国の発展に重要な役割を果たしており、この三原則は、今後も堅持されなければならないと述べています。これはそのとおりだと思います。
ところが、その次に、憲法は、七十五年間、一度も改正されていない、国際諸情勢の大きな変化を鑑み、国家の基本法には諸課題に的確に対応できる内容が必要だとし、国会及び国民的議論の喚起を国に求めるとしています。
つまり、今の憲法では変化に対応できない、変える議論が必要だというのですが、私は同意できません。
国民的議論の喚起をわざわざ国に求めるというのはどういうことでしょうか。今、憲法を変える必要がないと考える国民が多いということではありませんか。国に求められているのは、憲法改正の世論喚起ではなく、憲法を遵守することです。
憲法は、主権者である国民が自らの権利と生存を守るために、国家権力の勝手を許さず、国家を縛るために定められたものです。
今、私たちが憲法について議論を喚起すべきは、憲法の諸原則を具体的な法や施策として早急に実現するよう国に迫ることではないでしょうか。
国際情勢の大きな変化に立ち後れているのは、憲法ではなく、ジェンダー平等や入国管理行政など、基本的人権の尊重に真剣に取り組もうとしない国の姿勢ではありませんか。国際紛争を解決する手段としての戦争を永久に放棄した憲法の平和の理念を国際社会に発信することこそ、国には求められているのです。
日本国憲法ができて七十五年もたつのに、人権保障、平和主義、国民主権の確立はどれも道半ばです。憲法を守り生かすことこそ必要です。
日本共産党は、憲法を変えるために、国に国民的議論を喚起せよという逆立ちした主張の国会における憲法論議の更なる推進と国民的議論の喚起についての意見書案にはきっぱり反対であると申し上げ、討論とさせていただきます。
- 54: ◯議長(石井芳樹君) 以上で通告による討論は終わりました。
これをもって討論を終結いたします。
本案は起立により採決をいたします。
本意見書案を可決することに賛成の議員の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
- 55: ◯議長(石井芳樹君) 起立多数と認めます。よって、国会における憲法論議の更なる推進と国民的議論の喚起についての意見書案は可決されました。
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- 56: ◯議長(石井芳樹君) 次に、特別支援学校・学級に通う児童生徒への支援拡充についての意見書案が成規の手続を経て提出されております。
これを直ちに議題として、提案者から提案理由の説明を求めます。
加藤貴志議員。
〔三十番加藤貴志君登壇〕
- 57: ◯三十番(加藤貴志君) 私は、自由民主党愛知県議員団、あいち民主県議団、公明党愛知県議員団並びに減税日本愛知県議員団の四会派で共同提案いたしております、特別支援学校・学級に通う児童生徒への支援拡充についての意見書案につきまして、提案理由の説明を申し上げます。
意見書案の文案につきましては、お手元に配付してあるとおりであります。
特別支援学校、学級においては、児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握し、生活や学習上の困難を改善または克服するため、適切な指導及び支援が求められております。
こうした中、国は、専門的な知識、技能を有する人材を確保するため、学校における医療的ケア看護職員の配置に対する支援等を行っているところであります。
しかしながら、特別支援学校、学級に在籍する児童生徒は年々増加しており、学校現場においては、将来の就労、自立を見据えた切れ目のない支援を実施する専門人材の確保とともに、教員の専門性の向上が強く求められております。
そこで、本意見書案は、国に対し、特別支援教育支援員等の人的配置に対する財政措置の充実を図ることなどを要望するものであります。
以上、本意見書案について提案理由を述べてまいりましたが、切に満場の御賛同をお願いいたしまして、提案理由の説明といたします。
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- 58: ◯議長(石井芳樹君) これより本意見書案に対する討論に入ります。
討論の通告により発言を許可いたします。
末永けい議員。
〔十三番末永けい君登壇〕
- 59: ◯十三番(末永けい君) 春日井市選出の無所属、末永けいでございます。
私は、特別支援学校・学級に通う児童生徒への支援拡充についての意見書について、反対の立場から討論いたします。
特別支援学校・学級について、制度そのものに反対するものではございませんが、特別支援教育にも弊害があり、共生社会を目指すためには、障害児と健常児を分けず、望む学校に通えることを保障し、その教育環境を整備していくことが優先されるべきです。
そうした議論の盛り上がりを抜きに特別支援教育が過熱化することで、障害児の地域社会との分断、地域社会からの隔離、自立の妨げ、遅れにつながらないかを懸念するところで、今回あえて意見書を提出する必要はないのではないかと考えます。
二〇二〇年三月には、重度障害を理由に就学先を神奈川県の特別支援学校に指定されたのは違法だとして、川崎市の八歳の男児と両親が地元小学校への通学を求め訴訟が提起されています。教育委員会や地域の学校が障害があることを理由に就学を認めない事例が少なくないのです。
国、文部科学省は、障害のある人が障害のない人と一緒に学ぶこと、学校ではみんな同じ教室で学ぶインクルーシブ教育を掲げています。
しかし、その一方で、早い段階から障害を見つけ、特別支援教育により分離教育になってしまっている実態もあります。特別支援教育がインクルーシブ教育と矛盾、逆行している側面があることは拭えません。
日本は、二〇一四年に障害者権利条約を批准し、その第二十四条には、「締約国は、教育についての障害者の権利を認める。締約国は、この権利を差別なしに、かつ、機会の均等を基礎として実現するため、障害者を包容するあらゆる段階の教育制度及び生涯学習を確保する。」としています。
また、二〇一三年成立の障害者差別解消法では、第五条、「行政機関等及び事業者は、社会的障壁の除去の実施についての必要かつ合理的な配慮を的確に行うため、自ら設置する施設の構造の改善及び設備の整備、関係職員に対する研修その他の必要な環境の整備に努めなければならない。」とされています。
批准した障害者権利条約や障害者差別解消法の趣旨からすれば、障害のある児童生徒が地域の学校や通常学校で学べる環境整備がまずもって求められます。住み慣れた地域から離れた特別支援学校ではなく、地域の学校に通えることが基本であること、また、それが権利であることが児童生徒、保護者、教育関係者に認知され、行政機関や学校において、そのために必要な合理的配慮が行われるよう、財政措置や人材育成に政策の力点を置くべきです。
木村英子参議院議員は、国会質疑において、健常児とは分けられ、障害児だけ集められた環境で教育を受けてきた、幼いときから健常児と分けられたことは地域で生きていくときのとても大きな弊害となっていると、障害児が健常児と分けられる分離教育の問題点を自身の経験から指摘をされておられます。
本来、地域の中で社会性を身につける大切な時期に、障害があるという理由で分けられることがその後の人生に与える影響は計り知れません。
健常児にとっても、障害児と地域で共に学ぶことは、人権感覚が育まれ、情操教育につながります。教職員の育成については、特別支援教育に関する高度な専門知識よりも、地域でインクルーシブ教育を推進するための法制度や人権意識等の研修などの再教育の必要性を感じております。
そして、最後に、私たちが一旦立ち止まって考えなくてはならないことに触れます。特別支援学校に通う子供たちが直近十年で倍増していることです。
障害の原因として、ワクチンや薬、添加物、農薬などが影響していることがようやく指摘され始めました。少子化の中で特別支援学校に通う子供たちは激増している根本の原因に向き合い、それを解消しなければ、特別支援学校、学級の増加に歯止めがかかりません。ワクチンや薬、添加物、農薬など、様々な障害を生み出している原因を絶つこと、そして、障害者と健常者を分けてしまっている分離教育から共に地域で学べる教育を取り戻すことに子供たちや地域社会の明るい未来への活路があるのではないでしょうか。
皆様の賛同を賜りますようよろしくお願い申し上げ、反対討論とさせていただきます。
- 60: ◯議長(石井芳樹君) 以上で通告による討論は終わりました。
これをもって討論を終結いたします。
本案は起立により採決いたします。
本意見書案を可決することに賛成の議員の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
- 61: ◯議長(石井芳樹君) 起立多数と認めます。よって、特別支援学校・学級に通う児童生徒への支援拡充についての意見書案は可決されました。
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- 62: ◯議長(石井芳樹君) 次に、豪雨災害対策の充実について、物流業界における労働環境の改善及び人材確保の促進について、子どもたちの健やかな成長を守るための保育体制の整備について、以上三件の意見書案がいずれも成規の手続を経て提出されております。
これを直ちに議題として、提案者から提案理由の説明を求めます。
- 63: ◯三十九番(山田たかお君) ただいま議題となりました三件の意見書案中初めの二件について、私から提案理由の説明をいたします。
文案はお手元に配付してあるとおりであります。
まず、豪雨災害対策の充実についての意見書案であります。
去る六月二日の豪雨は、豊橋市等で二十四時間降水量が観測史上最大となるなど、記録的な降雨となる中、県内各地で甚大な被害をもたらし、近年、豪雨による被害が頻発しているところであります。
こうした中、国は、風水害等への対策を重点的、集中的に実施する防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策により取組を進めているところであります。
しかしながら、豪雨災害の発生規模や頻度はこれまでと明らかに異なっており、被災地、被災者の迅速な復興、救済のための支援措置のほか、年々頻発し、大規模化する災害への対策をいち早く講ずることが急務となっております。
そこで、本意見書案は、国に対し、豪雨災害時における災害復旧や被害を受けた事業者への迅速な支援のための財政措置を講ずることなど、豪雨災害対策の充実に積極的に取り組むことを要望するものであります。
次に、物流業界における労働環境の改善及び人材確保の促進についての意見書案であります。
物流は、必要不可欠な社会インフラである一方で、担い手不足の深刻化やカーボンニュートラルへの対応が求められており、加えて、来年度からトラック運転手への時間外労働の上限規制が適用され、輸送能力が不足する可能性が試算されております。
こうした中、国は、商慣行の見直しや物流の効率化などを柱とする物流革新に向けた政策パッケージを取りまとめ、これに基づくガイドラインを策定したところであります。
しかしながら、物流業界における様々な課題の解決には、全ての関係者が連携、協働して物流の適正化や労働生産性の向上を図る必要があります。
そこで、本意見書案は、国に対し、政策パッケージを具体的かつ計画的に推進し、物流業界における労働環境の改善及び人材確保の促進が図られるよう要望するものであります。
以上、二件の意見書案について提案理由の説明をいたしました。
なお、提出先及び字句の整理については議長に一任したいと思います。
切に満場の御賛同をお願いいたしまして、提案理由の説明といたします。
- 64: ◯四十番(朝日将貴君) 次に、残りの意見書案一件について、私から提案理由の説明をいたします。
文案はお手元に配付してあるとおりであります。
子どもたちの健やかな成長を守るための保育体制の整備についての意見書案であります。
令和三年に全国の保育施設等で発生した事故等は過去最多を更新し、全国各地で不適切な保育に該当する事案が相次いで発生するなど、子育て世帯の不安が高まっております。
このような事故等の一因として慢性的な人手不足が指摘されており、国は、保育士の賃金等の算定基準となる公定価格の加算措置を行っているところでありますが、保育士の増員を図るため、保育現場からは配置基準そのものの早期見直しが求められております。
さらに、保育士が安心して就業を継続するためには、労働環境の整備、改善が必要とされることなど、より一層支援していく必要があります。
そこで、本意見書案は、国に対し、安全・安心な保育の実施のため、保育士配置基準の改善を早急に実施することなどを要望するものであります。
以上、一件の意見書案について提案理由の説明をいたしました。
なお、提出先及び字句の整理については議長に一任したいと思います。
切に満場の御賛同をお願いいたしまして、提案理由の説明といたします。
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- 65: ◯議長(石井芳樹君) ただいま提案者から説明がありました三件の意見書案は可決することに決しまして御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
- 66: ◯議長(石井芳樹君) 御異議なしと認めます。よって、三件の意見書案は可決されました。
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日程第四 請願(六件)
- 67: ◯議長(石井芳樹君) 次に、請願六件を一括議題といたします。
請願については、各常任委員長及び議会運営委員長から審査結果の報告がありましたので、詳細は一覧表として議席に配付いたしました。
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- 68: ◯議長(石井芳樹君) これより採決いたします。
まず、請願第一号予防接種健康被害救済制度周知について、請願第二号愛知県内における超過死亡数の原因追及について、以上二件の請願を一括起立により採決いたします。
二件の請願を採択することに賛成の議員の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
- 69: ◯議長(石井芳樹君) 起立少数と認めます。よって、二件の請願は不採択と決定いたしました。
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- 70: ◯議長(石井芳樹君) 次に、請願第五号政府の責任で医療・介護施設への支援を拡充し、すべてのケア労働者の賃上げや人員増を求めるについてを起立により採決いたします。
本請願を採択することに賛成の議員の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
- 71: ◯議長(石井芳樹君) 起立少数と認めます。よって、請願第五号は不採択と決定いたしました。
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- 72: ◯議長(石井芳樹君) 次に、請願第三号消費税五%引き下げを求める意見書採択を求めるについて、請願第四号インボイス制度実施中止を求める意見書採択を求めるについて、請願第六号愛知県議会だよりの全戸配布と公共施設等における配布を求めるについて、以上三件の請願を一括起立により採決いたします。
三件の請願を採択することに賛成の議員の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
- 73: ◯議長(石井芳樹君) 起立少数と認めます。よって、三件の請願は不採択と決定いたしました。
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日程第五 各常任委員会及び議会運営委員会における閉
会中の継続調査について
- 74: ◯議長(石井芳樹君) 次に、各常任委員会及び議会運営委員会における閉会中の継続調査についてを議題といたします。
各常任委員長及び議会運営委員長から議席に配付してあります一覧表のとおり閉会中の継続調査の申出がありました。
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- 75: ◯議長(石井芳樹君) 各委員長の申出のとおり決しまして御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
- 76: ◯議長(石井芳樹君) 御異議なしと認めます。よって、各委員長の申出のとおり閉会中の継続調査を決定いたしました。
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日程第六 議員の派遣について
- 77: ◯議長(石井芳樹君) 次に、議員の派遣についてを議題といたします。
お諮りいたします。議席に配付してあります文書のとおり議員を派遣することに決定いたしまして御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
- 78: ◯議長(石井芳樹君) 御異議なしと認めます。よって、議席に配付してあります文書のとおり議員を派遣することに決定いたしました。
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- 79: ◯議長(石井芳樹君) 以上で本議会に付議されました案件は全て議了いたしました。
これをもって本日の会議を閉じ、令和五年六月定例愛知県議会を閉会いたします。
午後一時二十七分閉会
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閉 会 式
午後一時二十七分開式
- 80: ◯事務局長(柳澤康行君) ただいまから閉会式を行います。御起立願います。
〔全員起立〕
〔議長石井芳樹君登壇〕
- 81: ◯議長(石井芳樹君) 閉会に当たり、一言御挨拶を申し上げます。
議員の皆様には、六月定例愛知県議会に付議されました諸議案をはじめ、県政の重要課題について熱心に審議いただき、心より敬意を表するとともに感謝を申し上げます。
当局におかれましては、各議員から述べられました意見を十分に尊重され、県政の運営に御尽力いただきますようお願いいたします。
今回の議会運営に当たり、議員各位をはじめ、理事者並びに関係各位の御協力に対し、心から感謝いたします。
今後、一層暑さが厳しくなってまいります。皆様方には御自愛をいただき、県政進展に一層の御活躍を賜りますようお願い申し上げまして、閉会の御挨拶といたします。(拍手)
〔知事大村秀章君登壇〕
- 82: ◯知事(大村秀章君) 閉会に当たりまして、私からも御挨拶を申し上げます。
このたびの定例県議会に提案をいたしました各議案につきましては、議員の皆様方に十分に御審議をいただき、また、各議案は全て御議決をいただき、厚く御礼を申し上げます。
御議決いただきました各議案は、審議経過を十分尊重いたしまして、適切な運用をしてまいります。また、御要望いただきました各事項につきましては、今後慎重に検討し、努力をしてまいります。
さて、一点御報告させていただきますが、おとといの七月四日火曜日の朝六時半に発生をいたしました名古屋港の統一ターミナルシステムのシステム障害についてでございます。
この点につきましては、多くの皆様に大変な御心配と御迷惑をおかけしておりまして、心からおわびを申し上げたいと思います。
これは、ランサムウエアという身代金要求型ウイルスのサイバーアタックが疑われるということでございまして、今、原因究明は警察のほうで全力を挙げてやっていただいているということでございますが、四、五と、この復旧に向け、関係者が総力を挙げて取り組みまして、本日、六日の朝七時半にシステム復旧はいたしました。そして、実際の作業が再開できるように、さらにデータ入力をして、今、全力で取り組んでおります。今日の午後から順次コンテナの積込み等が再開されるということになっていると思います。
引き続き、この復旧に当たっている全ての関係者に感謝申し上げたいと思いますが、また引き続き、全面復旧に向けまして全力で取り組んでまいります。
また、あわせて、原因究明と再発防止として、緊張感を持って、防御等の措置は徹底を図っていきたいというふうに思っております。よろしくお願いをいたします。
さて、何点か申し上げます。
六月二十九日、現在、愛・地球博記念公園において整備を進めております猫の城遊具について、覆いが取れまして、初めて外観が御覧いただけるようになりまして、マスコミの方々に対して、私から概要を現地で説明いたしました。
現在、最後の仕上げの作業を進めておりまして、八月四日の供用開始に当たりましては、地元長久手市の小学生や関係者をお招きしてオープニングセレモニーを行い、新しい遊具の完成をお祝いしたいと思います。
今年の夏休みには、ぜひ多くの子供たちに楽しんでいただきたいと思います。
また、六月二十九日──同じく同日ですが──第四十五回愛知県障害者技能競技大会表彰式を開催し、私から、大会で金賞を受賞された選手の皆さんに賞状を授与いたしました。
今大会は過去最多の二十一種目で開催をし、百十人の選手に参加いただきました。
一般見学につきましても四年ぶりに全ての会場で再開し、障害のある方々の高い技能を多くの方に間近で御覧いただくことができました。
今回金賞を受賞された選手の皆さんには、来たる十一月にアイチ・スカイ・エキスポで開催される第四十三回全国障害者技能競技大会(全国アビリンピック)に愛知県代表選手として出場いただくことになります。地元愛知の代表ということで、自信と誇りを胸に、全国大会の舞台で活躍されることを期待するとともに、地元としても併催イベントの開催などにより、しっかりと大会を盛り上げてまいります。
また、七月一日には、名古屋市中区栄に開業したホテルティアド・オートグラフコレクションのオープニングセレモニーに出席し、テープカットを行いました。
本県では、名古屋市と連携をし、ハイレベルな国際会議の開催や海外の富裕層旅行者等の誘致に資するとともに、地域のブランド力を向上させるため、高級ホテルの新設に対する補助制度を二〇二〇年度に創設しております。
二〇二六年のアジア競技大会、アジアパラ競技大会の開催までにこの制度を活用した三つのホテルが名古屋市内に順次開業する予定です。
その第一号となる当ホテルは、国賓級の要人に対応できるスイートルームやバンケットルームなどを備えており、本県へのMICEやインバウンドのさらなる誘致に大きな力となってくれるものと期待をしております。
引き続き、高級ホテルについて、一層の立地促進を図ってまいります。
次に、国の施策、取組に対する要請についてです。
七月四日、五日──昨日、おとといですが──二〇二四年度の政府予算の概算要求に向けて、関係大臣等に対し要請活動を実施いたしました。
内閣府では、岡田地方創生担当大臣に対し、アジアナンバーワン航空宇宙産業クラスター形成特区の税制措置延長を、後藤経済財政政策担当大臣に対し、スタートアップ投資の促進支援をそれぞれ要請いたしました。
また、国土交通省では、斉藤大臣に対し、広域道路ネットワークなど社会インフラの整備促進を、総務省では、松本大臣に対し、地方一般財源総額の確実な充実などを要請いたしました。
さらに、少子化対策につきまして、こども家庭庁に対し、先月、国がまとめた、こども・子育て支援加速化プランの着実な推進や、地方自治体が独自に取り組む少子化対策に対する十分な財源の確保を要請いたしました。
加えて、今回の要請の柱の一つである休み方改革の推進については、厚生労働省に対し、労働時間の削減や年次有給休暇の取得促進に向けた中小企業への支援などを要請するとともに、文部科学省には、家族の休暇に合わせて子供が平日に休むことができる環境整備について要請を行いました。
あわせて、文部科学省には、アジア競技大会、アジアパラ競技大会の開催に対する支援についても要請をいたしました。
このほか、経済産業省には、自動車産業、航空機産業の振興について、農林水産省には、農業の生産力強化や農業農村整備事業の促進などについて、それぞれ要請を行いました。
引き続き、県政の様々な課題について、国に対し、必要な支援や協力が得られるよう、しっかりと働きかけてまいります。
これから本格的な夏に向かい、日ごとに暑さが厳しくなってまいります。議員の皆様方には、健康に十分御留意をいただき、どうか今後とも県政発展のため、格別の御尽力を賜りますようにお願いを申し上げ、閉会の御挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
- 83: ◯事務局長(柳澤康行君) これをもちまして閉会式を終わります。ありがとうございました。
午後一時三十五分閉式