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石井よしき
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県政報告・石井よしき発言
令和3年
令和3年福祉医療委員会
令和3年福祉医療委員会
2021年3月16日
石井よしき発言
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(主な質疑)
《議案関係》
【伊藤勝人委員】
団塊の世代が2025年に後期高齢者になる中で、医療ニーズは大幅に増加していく。患者の症状に応じ、急性期の医療から在宅医療まで適切な医療を将来にわたって継続的に受けられるようにするためには、病床機能の分化及び連携を進めていく必要があり、こうした状況に対応するため、都道府県は地域医療構想を策定し、本県では、平成28年10月に策定している。
本県全体の病床数は、回復期には不足し、高度の急性期、急性期、慢性期には過剰になることが示されており、各区域で、地域医療構想の実現に向けて、真剣に協議されてきたと思う。
しかしながら、今回のコロナ禍で病床が逼迫した中、今後、どのように地域医療構想を進めていくのか。
2:【医療計画課長】
本県の地域医療構想は、平成28年10月に策定し、2025年の高齢化が進展した将来を見据えた形で、医療需要の変化に合わせて、医療機能や医療提供体制をどれだけ確保していくかという構想になっている。
本県は、二次医療圏ごとに地域医療構想委員会を設け、そこに地域医療関係者に参加してもらい、それぞれ医療機関の取組を協議の上、進めている。
本年度はコロナ禍で、関係者が一堂に集まって協議することは難しい状況であったが、県内11の構想区域において、延べ19回の地域医療構想推進委員会を開催し、協議を進めている。
一方で、新型コロナウイルス感染症による病床の逼迫への臨時の対応と長期的な地域医療構想の病床機能の分化、連携を併せて進めていく必要がある。
地域医療構想は、地域保健医療計画の一部であるが、地域保健医療計画には感染症の規定があるものの、大きな柱としては位置づけられていなかった。通常の医療の中でどのようにパンデミックへ対応していくのか、国の動きも注視しながら考えていく。
3:【伊藤勝人委員】
団塊の世代が後期高齢者になりつつある中で、準備を整えておかなければいけない。
地域医療構想において、まだ逼迫した状況にはない急性期の病床は、これまでの新型コロナウイルス感染症の入院病床の確保に利用されているのか、全く別物なのか。
4:【医療計画課長】
県全体の将来推計の病床数と現在の病床数は一致しているが、地域医療構想では、病床機能別に2025年の必要病床数を計算しており、高度急性期や急性期、慢性期が少し過剰で、回復期が不足している。これは、現在、高度急性期や急性期が余っているのではなく、将来推計の数字であり、直接結びついていない。
新型コロナウイルス感染症の確保病床は、地域医療構想とリンクしていないが、地域医療構想における救急や呼吸器内科のベッド等の急性期のベッドが多く使われていると思う。
5:【伊藤勝人委員】
入院患者数は随分落ち着いてきて、229人と余裕がある。ただし、感染が拡大したときには融通を利かせて、県民に安心感を与えることを要望する。
6:【筒井タカヤ委員】
第42号議案愛知県病院事業の設置等に関する条例の一部改正について伺う。
がんセンターは、本年4月に感染症内科を診療科目に追加する旨が発表されている。これまで非常勤職員だった感染症専門の医師を常勤職員として確保できたとしている。外来で新型コロナウイルス感染症患者を受け入れるものではなく、がん治療をしている入院、通院患者を対象にしている。
このことについて、どれだけの県民やがん治療をした患者とその家族が理解できるのか。入院、通院患者だけとはどういう意味であるのか理解できないだろう。
がんセンターの感染症内科の診療は一般のがん患者及び治療経験者を優先した新型コロナウイルス感染症患者の受付、診察、診療の開始だと考えると思う。入院、通院患者だけであれば、診療科目に追加して表示する必要があるのか。
7:【管理課長】
がんセンターの感染症内科の新設は、医療安全体制の強化として行うものであり、がん治療により免疫機能が低下しているがん患者の予防を含め、多剤耐性菌等の院内感染への対応、感染症専門医による診療、治療を行う医療提供体制が整ったことによるものである。
8:【筒井タカヤ委員】
正式に診療科目に追加すれば、がんセンターの窓口受付に表示され、診察室も表示されることになるのか。
9:【管理課長】
感染症内科は、がん治療により免疫機能が低下しているがん患者への対応として、がん主治医と連携して診療を行う診療科であり、一般外来に感染症内科としての診察室を設ける予定はなく、外来受付などに感染症内科の案内表示をする予定はない。
10:【筒井タカヤ委員】
普通の人は、感染症といえば、新型コロナウイルス感染症と思う。よく理解したとしても、かつてがん患者として治療、手術をがんセンターで受け、新型コロナウイルス感染症に罹患したのではないかと心配する人への優先窓口だと考える。この人たちが、なぜ入院、通院患者だけなのかと押し寄せたら、どう対処するのか。
11:【管理課長】
がんセンターで受診している患者、今後受診する予定の人、また、過去に受診した患者に対して、今回の感染症内科の設置目的、対象とする患者、対応する治療について、ウェブページなどを通じ、丁寧に説明を行い、誤解や不安を招かないように対応していく。
12:【筒井タカヤ委員】
感染症内科を前面に押し出さなくても、新型コロナウイルス感染症が収束に向かう中で表示してはどうか。
13:【管理課長】
がん治療で入院、通院している患者は、化学療法や放射線治療などの影響で免疫機能が低下していることから、感染症を発症しやすい状態にある。また、その影響により、がん治療が妨げられる場合がある。
発熱や感染症に対する最善の治療方法を検討し、患者が安楽に過ごすことができ、できるだけ早く安全にがん治療が行える状況をつくること、また、病院内で感染症を拡大させないための対策を行うことが感染症内科に課せられた非常に重要な業務である。
このようなことから、感染症専門医による診療、治療を行う体制が整った今般において、感染症内科を標榜することとした。
14:【筒井タカヤ委員】
がんセンターでは、今でも感染症の対応をしている。
クロストリジウム・ディフィシル腸炎の入院患者を治療し、その後、病室を消毒している事例があった。これに類する医療処置及び病室の消毒等をする行為は、毎月のように行われた時期もあったようである。今でも感染症の入院患者を数多く治療していることから、この時期に感染症内科の表示をしなければならないことはない。
15:【管理課長】
感染症内科の専門医の確保により、医療安全体制の強化を図ることができたこの機会に、きちんと標榜することにより、現在の新型コロナウイルス感染症による不安が増している中にあっても、安心してがん治療ができることを案内していきたい。
16:【筒井タカヤ委員】
がんセンターと連携する一般開業医等には、今回の趣旨を詳細に説明する必要がある。
17:《一般質問》
【鈴木雅博委員】
子育て支援について伺う。
令和元年10月から、幼児教育の無償化が始まったが、自然体験保育・幼児教育を行ういわゆる森のようちえんは、園舎がないため認可外保育施設になれず、無償化の対象から外れていた。
来年度、国において、森のようちえんを含む地域における多様な集団活動に対する助成が始まる。この新しい制度の内容について伺う。
18:【子育て支援課長】
新しい制度は、これまで、幼児教育・保育の無償化の対象から外れていたものの、自然体験活動など、地域において重要な役割を果たす施設等を対象とするもので、来年度から、地域子ども・子育て支援事業の中の、多様な事業者の参入促進・能力活用事業に新たに追加されるものである。
対象施設等は、必ずしも施設の設置は必要なく、保育士等の有資格者が3分の1以上配置され、おおむね1日4時間以上8時間未満、週5日以上、年間39週以上開所しており、健康管理や安全確保、非常時の対応等について国が示す基準を満たし、市町村が地域において重要な役割を果たしていると判断した施設等となる。
また、対象幼児は、これらの施設を利用する満3歳以上で、対象幼児1人当たり月額2万円を上限に、国、県、市町村が3分の1ずつ負担し、市町村から保護者へ直接給付を行う。
19:【鈴木雅博委員】
県の予算はどのように見込んでいるのか、また、市町村の予算と保護者への支払いはどうなっているのか。
20:【子育て支援課長】
来年度予算は、昨年12月に国から当該制度の概要が示されたことを受け、市町村に対して所要額調査を実施した結果、15市町から23施設、約230人分の所要額の回答があり、県負担分として1,844万4,000円の予算を計上している。
実施を予定する15市町は、来年度当初予算に計上予定、もしくは来年度補正予算等で対応する予定と聞いている。
また、保護者への支払いについて、当初予算に計上した場合も、補正予算等で対応した場合も、基準を満たす施設等の利用料は、各市町村において、4月に遡って補助対象にできることを国に確認している。
21:【鈴木雅博委員】
これまで幼児教育・保育の無償化の対象外であった施設が補助対象となっており、市町村も把握していない施設があると思うが、対象施設をどのように把握していくのか。
22:【子育て支援課長】
この補助制度は、地方公共団体の認可や届出等をしていない施設も対象とするものであり、現時点で市町村が把握していない施設もあると思う。
また、居住地の市町村以外の施設に通う子も居住する市町村で補助を行うこととなるため、そうした施設に通う子について、把握できていない場合も考えられる。
こうした状況を踏まえて、国から、今後、事業の実施主体である市町村が広報紙やホームページでの周知、事業者に対する説明会等を行うよう言われている。
県としても、市町村間の連携を促すなど、円滑に事業が進むよう、会議等で情報提供や助言等を行っていく。
23:【鈴木雅博委員】
制度の開始が4月に迫っているが、市町村の準備状況はどうなっているのか、また、今後どのように進めていく予定なのか伺う。
24:【子育て支援課長】
本年2月26日、動画配信で開催された内閣府主催の子ども・子育て支援新制度説明会において当事業の説明があったため、当該動画及び資料内容について、県から市町村に周知した。
現在、その説明会を受けての疑問点等を県で取りまとめ、国に照会しており、その回答を待って、市町村に適宜、情報提供を行う予定である。
また、今後、各市町村では、施設等への制度説明会の実施や申請、支払い時期等について調整を図る予定である。県としては、国から情報を収集し、当該制度が円滑に実施されるよう、市町村をしっかりと支えていく。
25:【鈴木雅博委員】
今回の補助制度創設に関連して、森や自然を活用した幼児教育・保育の普及を目的に、2018年4月に森と自然の育ちと学び自治体ネットワークが設立されており、本県も当ネットワークに参加し、積極的に自然体験保育・幼児教育の情報収集やノウハウの共有などを図ることが今後、必要だと思うが、県の所見を伺う。
26:【子育て支援課長】
森と自然の育ちと学び自治体ネットワークは、長野県、鳥取県、広島県が発起人となり、自治体間の情報共有や自然保育の質の向上などを共に目指すために設立され、本年2月現在、16の都道府県がネットワークへの参加を表明している。
来年度、国において補助制度が創設されることから、県内の自然体験保育等がどのように実施、運営されているか把握することが重要であり、実施主体である市町村と連携して事業を進めていくことが大切だと考えている。
そのため、まずは、当ネットワークの全国会議等で紹介される自然体験保育等の好事例やノウハウ等について情報収集し、市町村と共有することから始め、ネットワーク参加については、今後検討していく。
27:【鈴木雅博委員】
新しい制度であることから、市町村としっかりと連携してほしい。ネットワークについても、積極的に情報収集し、他県に後れを取らない対応をお願いする。
次に、介護支援専門員、いわゆるケアマネジャーについて伺う。
超高齢化社会を迎え、今後も高齢者人口の増加が見込まれる中、要介護者が在宅介護をはじめとした介護サービス等を適切に利用できるよう、重要な役割を担うのが介護支援専門員であり、その育成が重要である。
本年4月1日以降、居宅介護支援事業所の管理者は主任介護支援専門員である必要があり、本年3月31日時点で主任介護支援専門員でない者が管理者である事業所は、当該者が管理者である限り、主任介護支援専門員要件の適用は2027年3月31日まで猶予することとなっている。
しかし、一般的に、介護支援専門員は介護の実務経験が5年、主任介護支援専門員は介護支援専門員の実務経験が5年、合計10年と育成には長い時間を要し、介護支援専門員及び主任介護支援専門員の育成、確保は本県の介護体制を維持する上で大きな課題といえる。
そこで、介護支援専門員について、本県における登録人数と実務に従事している人は何人いるのか伺う。
28:【高齢福祉課長】
本年1月末現在の介護支援専門員の登録者数は3万4,194人、居宅支援事業所業務の従事者は5,649人である。
29:【鈴木雅博委員】
高齢化が進展し、介護認定者が増加していく中で、介護支援専門員の数が不足していると感じるが、現在の状況を県ではどのように捉えているのか伺う。
30:【高齢福祉課長】
介護支援専門員が担当する本年度のケアプランの対象者数は延べ153万3,393人、この人数に対し、介護支援専門員の従事者数は本年1月末で5,649人である。
一方、現在策定中の次期計画では、2023年度のケアプランの対象者数を延べ176万1,524人、必要な介護支援専門員数を6,332人と見込んでおり、今後700人程度の確保が必要である。
今後も高齢者数は増加していくため、医療介護総合確保基金で研修費用に対する助成を引き続き行い、ICTの活用による業務の効率化を進め、増加するニーズに対応していく。
31:【鈴木雅博委員】
本県では、名古屋市の会場で各介護支援専門員研修を行っているが、研修体制はどのように確保されているのか。また、応募者数が受講者数を超えた場合の対応策はどのようになっているのか伺う。
32:【高齢福祉課長】
介護支援専門員の研修、更新研修は、社会福祉法人愛知県社会福祉協議会を研修機関に指定している。研修会場は、県内各地から受講者が通いやすいことと、研修の準備がスムーズに行えて、講師の確保がしやすいという観点から、名古屋市内としている。さらに、年間を通じて、社会福祉法人愛知県社会福祉協議会の近くの会場を確保することによって、日程の変更等にも柔軟に対応できる体制としている。
また、これまで募集定員を超えた申込みも全て受講してもらうよう取り組んできたが、本年度は新型コロナウイルス感染症対策の影響で、会場ごとの定員を少なくせざるを得なかったため、介護支援専門員の更新期間に余裕のある20人程度には来年度の受講をお願いした。
33:【鈴木雅博委員】
研修カリキュラムにおいて、参加できない日程があると更新できないが、新型コロナウイルス感染症や病気などで出席できない場合は、どのように対応しているのか伺う。
34:【高齢福祉課長】
病気等で研修に参加できない場合は、別の日に行う同じ講義、演習を受講することで研修を修了できるようにしている。
さらに、本年度の特例として、新型コロナウイルスに感染または濃厚接触者となったことによって受講ができない場合は、病気等の場合と同様に、ほかの日程での受講をお願いしているが、振り替えても受講が困難な場合は、臨時的な取扱いとして1年間有効期間を延長し、欠席した分は来年度受講してもらい更新する手続を取っている。
35:【鈴木雅博委員】
研修の受講料は都道府県ごとに設定されているが、本県の受講料と他県の状況を伺う。
36:【高齢福祉課長】
専門研修は、基本的な事項を学ぶ専門研修Iと実践的な内容の専門研修IIに分かれている。
専門研修Iの受講料が3万6,000円、研修IIの受講料が2万5,100円、合計6万1,100円である。
類似県の状況は、神奈川県は専門研修Iが4万3,200円、専門研修IIが3万2,200円、合計7万5,400円、兵庫県は専門研修Iが3万5,000円、専門研修IIが1万8,000円、合計5万3,000円、福岡県は専門研修Iが3万8,000円、専門研修IIが2万8,000円、合計6万6,000円であり、おおむねほかの都道府県と同程度の金額となっている。
37:【鈴木雅博委員】
都道府県によって、数万円単位で安いところもあると聞く。受講者の負担が少しでも減るよう、検討してほしい。
続いて、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、本年度の介護支援専門員の専門研修の実施状況を伺う。
38:【高齢福祉課長】
本年度は、新型コロナウイルス感染症対策として、会場の定員を2分の1とし、受講者間の距離を1メートル程度確保したため、会場の人数を減らす必要が生じた。定員を減らしたことによる影響を最小限にするため、研修日程を変更し、専門研修Iは3回の予定を5回に、専門研修IIは6回の予定を9回にした。さらに、マスクやフェースシールドの着用、手指消毒の徹底を図るとともに、受講者の体調確認、行動歴の確認を行っている。こうした対策を講じた上で、本年度は専門研修Iで486人、専門研修IIで1,197人が修了した。
39:【鈴木雅博委員】
新型コロナウイルス感染症の影響により、本年度の主任介護支援専門員研修が本年5月までずれ込むと聞いているが、来年度の主任介護支援専門員研修にどのような影響があるのか伺う。
40:【高齢福祉課長】
主任介護支援専門員研修は、公益財団法人愛知県シルバーサービス振興会を研修機関に指定している。本年度の主任介護支援専門員研修は、7月から9月まで、10月から11月までの2回行う予定であったが、新型コロナウイルス感染対策として、2回を3回に分けて実施したため、3回目の一部の科目が年度内に終了できず、本年5月にずれ込んでいる。
来年度は本年度よりも広い会場を用意して、6月から8月まで、10月から12月までの2回で実施する予定であり、本年度の研修がずれ込んだことによる影響はない。
41:【鈴木雅博委員】
介護支援専門員研修、主任介護支援専門員研修は、資格の取得、維持だけでなく、各事業所の維持にも影響し、ひいては、本県の介護体制にも影響する大切なものである。
新型コロナウイルス感染症の影響で、本年度の研修に影響が出たことを考えると、再度の感染拡大に備えて、研修を受講しやすい環境を整備する必要がある。
私の地元、豊田市の社会福祉協議会からも、県に対し、オンライン研修やサテライト会場での実施について要望があったようだが、県としてどのように取り組んでいくのか伺う。
42:【高齢福祉課長】
国では、オンライン教材の開発が進められており、各都道府県の導入に向けた体制づくりが求められている。こうした中、社会福祉法人豊田市社会福祉協議会から、社会福祉協議会の施設を活用したオンライン研修やサテライトの開催について提案があった。
県としても、研修を受講しやすい環境の整備や研修受講者の感染リスクを下げることは重要だと認識しており、研修の実施機関である社会福祉法人愛知県社会福祉協議会を中心に検討を進めていく。特に、サテライトの開催は、会場の調整が必要になるため、社会福祉法人豊田市社会福祉協議会にも参画してもらい、まずは、実施する場合の課題の整理、具体的な実施方法の検討と段階を踏んで行っていく。さらに、県として、他県におけるオンライン研修導入状況について情報収集を行い、感染症対策を踏まえた、受講しやすい研修体制の構築を図っていく。
43:【鈴木雅博委員】
新型コロナウイルス感染症の第3波によって、名古屋市内で感染者数が急増している中、県内各地から100人規模の人数が集まる研修会場に従業員を参加させることに不安を感じた人や大人数で研修を受けることに不安を感じた人が少なからずいたと聞く。
介護支援専門員、主任介護支援専門員研修を受ける人は、現場に戻れば高齢者の介護に従事することから、自身が感染しないように、また、高齢者に感染させないように、人一倍、注意している。オンライン研修やサテライト会場での研修が実施できるよう要望する。
最後に、新型コロナウイルス変異株の検査体制について伺う。
世界中で新型コロナウイルス変異株が拡大しており、国内でも、変異株が初めて報告された昨年12月25日以降、感染が徐々に増加している。
厚生労働省は昨年10月、新型コロナウイルス変異株が昨年9月までに21都府県で検出されたとの集計結果を発表し、本県の隣、岐阜県、静岡県、長野県でも変異株が検出されている。
そして、本年3月10日の衆議院厚生労働委員会で、政府分科会の尾身茂会長は、間違いなく既存株に取って代わるプロセスが始まっており、早晩、変異株が主流になると考えておいたほうがいいと指摘している。
変異株は、従来よりも感染力が強いと言われており、変異株が流行すると、これまでの対策を続けていても患者や重症者がこれまで以上に増加し、一気に医療体制や保健所体制の逼迫を招くおそれがあるため、変異株の症例の早期検出は非常に重要である。
本県では変異株検査をどの機関で、どのような規模で行っているのか伺う。
44:【医療体制整備室長】
本年2月5日付けの国の通知に基づき、1週間当たり、管内の陽性者数の約5パーセントから10パーセントをめどとし、県衛生研究所及び名古屋市衛生研究所で変異株PCR検査を実施している。
検査の結果、陽性となった場合は検体を国立感染症研究所へ送付し、ゲノム解析により、英国、南アフリカ、ブラジルまたはその他のいずれかの変異株であるかを特定する。
45:【鈴木雅博委員】
県内の変異株検査の実施状況はどうなっているのか伺う。
46:【医療体制整備室長】
国の通知を受け、国から提供された変異株PCR検査に必要な試薬を基に、県衛生研究所では速やかに検査機器の設定を行い、本年2月15日から変異株PCR検査を実施している。
現在までに、県内では417件の変異株PCR検査を実施しており、その割合は、1週間当たり、陽性者の11.8パーセントから27.5パーセントである。これまでに陽性者は出ていない。
47:【鈴木雅博委員】
厚生労働省が本年2月に自治体に求めた検査の目安は、陽性者数の約5パーセントから10パーセントであるが、神戸市では、本年1月29日以降、陽性者数の60パーセントで変異株の検査をしている。
変異株の流行の兆候をいち早く把握するためには、本県でも変異株の検査の抽出割合を増やすことが必要だと考えるが、県はどのような対応をしていくのか伺う。
48:【医療体制整備室長】
国の通知では、陽性者数の約5パーセントから10パーセントをめどに、変異株PCR検査を実施するよう要請しているが、本県では県衛生研究所で陽性が判明したPCR検査検体などは、原則、全て変異株PCR検査を行っている。
なお、医療機関で抗原定量検査により陽性が判明した場合などは、変異株PCR検査のための検体を新たに採取することが難しく、検査対象としていない。
49:【鈴木雅博委員】
県以外の医療機関でも変異株PCR検査ができるよう対応してほしい。
変異株は従来のものよりも感染力が高いと言われているが、変異株PCR検査で陽性となった患者への対応はどうなるのか伺う。
50:【医療体制整備室長】
変異株に感染した患者は、感染力が従来よりも強い可能性が報告されていることから、国の通知に基づき、当面の間、原則入院となる。退院基準は、PCR検査により2回連続で陰性が確認された場合となる。なお、国の通知では、変異株に感染した患者のうち、症状の落ち着いている患者は、十分な感染拡大防止の取組を実施した上で、宿泊療養や自宅療養も可能とされている。
51:【鈴木雅博委員】
第3波において、中等症以上の患者のみの入院でも医療体制が逼迫したことを考えると、症状の程度にかかわらず、原則入院で、退院には2回連続で陰性の確認が必要となる変異株が流行した場合、第3波以上に厳しい状況が想定されるが、変異株の流行に対する医療体制について、どのような対策を考えているのか伺う。
52:【医療体制整備室長】
本県の入院病床は、現在74病院、1,215床、このうち、重症者用病床は、4大学病院を中心に126床まで拡充してきた。本年3月15日現在、入院患者は229人であり、病床使用率は20パーセント弱であることから、入院可能な病床は確保できている。
また、変異株の流行を含め、感染再拡大に備え、本年3月9日付けで全ての患者受入れ医療機関に対して、病床の確保を含め、引き続き、十分な受入れ体制を維持するよう通知している。
加えて、宿泊療養施設1,109室も活用するなど、しっかり対応していく。
53:【鈴木雅博委員】
岡崎市、豊橋市、豊田市の中核市だけで約117万人の人口がある。この三市はワクチン接種の事業主体でもあり、何十万人ものワクチン接種、PCR検査、積極的疫学調査、入院調整、自宅療養者の健康観察に加え、変異株検査を実施するとなると、各市の保健所では手が回らないことも考えられる。
そのような場合、県で変異株検査を行うなどの支援ができるのか伺う。
54:【医療体制整備室長】
基本的には、保健所設置市の役割として、変異株PCR検査を実施すべきと考えている。
しかしながら、ワクチン接種に不測のトラブルが生じたり、大規模なクラスターが発生するなど、様々な事情により対応できない場合もあると思われるため、依頼があれば、県として必要な協力を行い、県内での変異株の蔓延防止に努めていく。
55:【鈴木雅博委員】
各市と事前に調整し、柔軟に対応してほしい。
56:【永井雅彦委員】
新型コロナウイルス感染症に関する医療提供体制について伺う。
厚生労働省の退院基準を満たしているが、持病のある高齢者が引き続き入院する場合があり、病床逼迫の原因の一つになっている。
こうした中、新たに転院を受け入れる病院について、先般の本会議で153か所確保したと答弁があったが、現在の状況について伺う。
57:【医務課長】
県内321の全病院に意向調査を実施し、回復患者を受け入れてもよいと回答した病院のリストを全病院に送付し、転院先を探す際の参考にしてもらっている。
本年2月末時点では153か所であったが、3月15日現在、156か所から受入れ可能との回答を得ている。
58:【永井雅彦委員】
回復患者転院受入医療機関応援金の執行状況について伺う。
59:【医務課長】
制度を創設した本年1月26日から2月28日までの間に31病院から87人分の申請があり、現在、交付に向けた事務手続を進めている。
なお、本年3月1日から来年2月28日までに転院する患者分は来年度予算で対応する。
60:【永井雅彦委員】
新規感染者は減少傾向にあるが、入院患者数はそこまで減少していない。
県として、その原因をどのように考えているのか、また、転院時の病院間のマッチング方法についても伺う。
61:【医療体制整備室長】
本年3月15日現在、入院患者数は229人であり、ピーク時の724人と比較すると約3分の1まで減少している。入院患者数は着実に減少しているものの、新規陽性者数の減少のスピードと比較すると緩やかな状況となっている。
この理由としては、現時点で、入院患者のうち、70歳以上が約7割を占めており、退院までに比較的長い時間がかかっていることが要因の一つと考えられる。また、最近、高齢者施設や医療機関でクラスターが複数発生しており、これらの患者の入院が相次いだことも要因と考えている。
62:【医務課長】
転院のマッチングについて、病院が患者の受入れを判断するときには、病歴や合併症の有無、酸素投与の必要性など、詳細な情報のやり取りが必要であるため、基本的に病院間で調整している。
63:【永井雅彦委員】
医療機関の役割分担と負担軽減を図るため、県立愛知病院では大学病院などが受け入れた重症患者の症状が落ち着いた段階でその患者を受け入れている。
県立愛知病院で受け入れた入院患者のうち、ほかの病院から転院した患者はどれぐらいいるのか伺う。
64:【医療計画課長】
県立愛知病院では、本年3月15日現在で、延べ228人の入院患者を受け入れている。このうち、ほかの医療機関からの転院患者は87人で、全体の入院患者の約38パーセントである。
65:【永井雅彦委員】
入院患者数が改善されていない対策として、症状が落ち着いた患者は県立愛知病院に転院し、厚生労働省の退院基準を満たす患者は申出があった病院に転院してもらうという仕組みはできた。今後、リバウンドや変異株ウイルスによる第4波により新規感染者が増加に転じた場合、患者の増加を抑えるために、どのように取り組んでいくのか伺う。
66:【医療体制整備室長】
本県では、愛知県新型コロナウイルス感染症調整本部、本部内に医療体制緊急確保統括官、その下に、DMAT隊員の資格を持つ医師等により構成した医療体制緊急確保チームを本年1月21日に設置し、クラスターの発生及び拡大を抑制するための初動対応や各保健所における新型コロナウイルス感染症患者の入院調整の支援等をお願いしている。
チーム設置後、高齢者施設や医療機関からの新型コロナウイルス感染症患者の発生に伴う支援要請に応じ、速やかに医師等を派遣し、感染拡大を防止するためのゾーニングや職員への助言、指導を行っており、こうした迅速な初動対応によりクラスターの早期終息につなげている。
また、チームとして高齢者施設や医療機関等における集団感染防止対策に関する動画を作成、配信するなどの取組を精力的に進めている。
67:【医務課長】
回復患者の受入れ病院をさらに増やすよう努力するとともに、リストの情報を随時更新して、各病院間で情報共有することにより、適切な転院調整が行われるようにする。
さらに、退院基準を満たした後でも引き続き入院が必要な患者の転院については、病院間での調整をお願いしているが、調整が難しい場合には、緊急確保チームの協力を得て、転院を進めることにより新規感染患者の受入れ病床を確保していく。
68:【永井雅彦委員】
初動対応によりクラスターを早く終息させること、転院調整により病床を確保することが重要である。しっかりと対応してほしい。
69:【原よしのぶ委員】
ワクチン接種について伺う。
全国市長会は国に対し、国民が接種を受ける際に必要な安全性・有効性、副反応のリスク等に関する情勢を周知しながら、国民の安全を第一に、全ての自治体において無理なく適切な接種体制を確保できるよう、必要な措置を講ずることを要望している。
県の役割は接種したい人にはスムーズに接種をしてもらうこと、接種を迷っている人には判断できる情報を提供すること、そして、接種しないと判断した人に対しても、その思いを尊重することだと思う。
本定例議会の黒田太郎議員の議案質疑において、接種を希望しない人への対応として、県ウェブページなどで様々な情報発信をしていくと答弁している。
どのような情報発信をしていくのか、接種を希望しない人への情報発信はどのようにしていくのか、また、ウェブページ以外の情報伝達手段があるのか伺う。
70:【ワクチン接種体制整備室長】
本県では本年3月1日から、愛知県新型コロナウイルス感染症対策サイトに、ワクチン関連情報を発信する専用ページを設け、接種の概要、ワクチンの効果と副反応、コールセンターの案内など、幅広く情報を提供している。
このページでは、ワクチン接種は希望する16歳以上の県民が対象であることを明記するとともに、「職場や周りの方などに接種を強制したり、接種を受けていない方に差別的な扱いをすることがないようお願いします。」というメッセージを掲載している。
また、SNSでも、昨年3月から新型コロナウイルス関連の情報提供を行っているLINEのアプリを使い、ワクチン接種に関する情報を発信している。
71:【原よしのぶ委員】
30万部のチラシを高齢者施設や市町村の窓口に設置し、配布するとの答弁もあった。
来月中旬から始まる高齢者のワクチン接種が間近に迫る中、いつチラシを配布するのか。
72:【ワクチン接種体制整備室長】
65歳以上の高齢者への接種は、本年4月中旬から始まる予定であるため、4月早々から高齢者施設や市町村の窓口等にチラシを配布できるよう準備を進めている。
73:【原よしのぶ委員】
極力早い対応をお願いする。
チラシの内容として、ワクチン接種を不安に思っている人へのメッセージは、どのように示しているのか。
74:【ワクチン接種体制整備室長】
チラシには、県民のワクチン接種に対する不安を解消し、接種を受けるかどうか自身で判断できるよう、接種によって得られる効果、副反応のリスクに関する情報、不安や疑問に看護師等が答える電話相談窓口の案内を掲載していく。
75:【原よしのぶ委員】
チラシでは接種を希望しない人への対応も示されているのか。
76:【ワクチン接種体制整備室長】
ホームページ同様、接種は強制ではないこと、接種を受けていない人に差別的な扱いをしないことを明記していく。
77:【原よしのぶ委員】
犬山市は高齢者のワクチン接種の割合を7割と想定していると聞く。県の想定はどれくらいか。もし7割であれば、その積算根拠を伺う。
78:【ワクチン接種体制整備室長】
ワクチン接種はあくまでも受ける人自身の判断であり、強制ではないという考えの下、市町村に対して、具体的な数値目標を掲げていない。
79:【いなもと和仁委員】
4月上旬にチラシが配布されるのであれば、接種クーポンはそれ以降になるということでいいか。
80:【ワクチン接種体制整備室長】
本県には、本年4月5日の週にワクチンが2箱届く予定であり、高齢者のワクチン接種は、県内で一番早く進んだとして、4月12日の週と考えている。
4月上旬からチラシを配付し、接種について判断できるよう対応していきたい。
81:【原よしのぶ委員】
職員の残業について伺う。県の一般職員と福祉局、感染症対策局の職員の残業時間の比較を教えてほしい。
82:【医療計画課長】
昨年4月から本年1月までの10か月間の職員1人当たりの一月平均で説明する。
本庁全体は21.2時間、感染症対策局は62.1時間、福祉局の本庁は21.8時間、保健医療局の本庁は23.2時間である。
83:【原よしのぶ委員】
感染症対策局職員の残業時間がかなり超過していることがよく分かった。
その中でも、残業時間が多かった職員は何時間だったのか、また、過労死ラインと言われる月80時間を超えた職員はいるのか伺う。
84:【医療計画課長】
時間外勤務が最も多かったのは感染症対策局の職員で、一月193時間である。
また、過労死ラインと言われる月80時間を一月でも超える残業を行った実人員は96人である。
福祉局の本庁は21人、保健医療局の本庁は32人である。
85:【原よしのぶ委員】
企業に対して出勤者数の7割削減をお願いしてきた立場として、県でもテレワークを推進しなければならない。テレワークの実施状況を伺う。
86:【医療計画課長】
第3波の本年1月12日から2月末までの1か月半のテレワークの実施状況について、県庁全体では、病院関連や児童相談所などの現場の職員は除いているが、実施人員は約4万4,000人、実施率は19.9パーセントである。
感染症対策局の実施人員はゼロである。福祉局は実施人員1,628人、実施率4.4パーセント、保健医療局は保健所を含むが、実施人員322人、実施率1.1パーセントである。
87:【原よしのぶ委員】
様々な事情により低い数字になっていると思うが、企業にお願いしている以上、体制の在り方を考えていかなければならない。また、残業時間を少なくする方策としても、テレワークの在り方を考えていく必要がある。
新年度からは職員が増員されるが、増員によって、職員の負担が減っていくのか、また、これからの残業とテレワークについて、県としての姿勢、考えを伺う。
88:【医療計画課長】
本年度、非常に多くの職員が過労死ラインを超えてしまったことを反省し、こうしたことを繰り返さないようにしなければならない。
本年度当初、職員はほとんど配置されておらず、その後、業務が増えるたびに、臨時に各局の協力を得て、感染症対策局で業務に従事してもらうことを繰り返してきた。第3波までの経験を踏まえ、4月以降、コロナ関連で愛知病院を含めて、保健医療局、感染症対策局、福祉局で235人の定数を措置しており、体制をしっかりと整えた。第3波以上の大きい波が来た場合には、さらに各局の協力を得て、臨機応変に対応できるよう、調整していきたい。
テレワークについては、民間に呼びかけている以上、できないでは済まされない。トライしてみることも大切だと思っており、定数を措置し、体制も整えたので、できるところから試行という形で進めていきたい。
89:【原よしのぶ委員】
コミュニケーション支援アプリについて伺う。
昨年度の説明では、避難所等でコミュニケーションができない人への対応策として、コミュニケーション支援ボードを基に、愛知県立大学と連携してアプリを開発するとのことであった。
また、避難所だけでなく、病院や日常生活でも使っていくとのことであったが、支援アプリの現状はどうなっているのか伺う。
90:【障害福祉課長】
このアプリは、聴覚障害、知的障害、発達障害、高齢で聞こえづらい人など、会話によるコミュニケーションが困難で支援が必要な人のために、スマートフォンやタブレットを利用し、文字やイラストを指し示すことにより円滑に意思疎通を図ることができるよう、昨年7月に愛知県立大学に委託し、昨年11月からは障害のある人や意思疎通支援者に仮設計のアプリを実際に使用してもらい、意見を聞きながら開発を進めている。
具体的な使用場面として、避難所のほか、病院と薬局、コンビニとスーパー、交通機関の四つの場面を設定しており、障害の当事者は、自分自身の障害の特性や、したいこと、してほしいことなどを相手側に伝えることができ、避難所運営者や医療スタッフ、店員などは、障害のある人が伝えたい情報をスムーズに受け取ることができる。
このアプリは、今月下旬に公開する予定であり、使い方を紹介する動画をユーチューブで配信していく。
91:【原よしのぶ委員】
開発で終わりではなく、普及に向けてどう取り組むかが非常に重要である。
手話言語の普及及び障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進に関する条例にも、施策の実施や啓発は、市町村や関係団体との連携と協力を徹底していくことが示されている。今後、市町村や関係団体とどのように連携し、啓発していくのか、また、普及に向けてどのように取り組んでいくのか伺う。
92:【障害福祉課長】
アプリの普及については、公開に合わせて、アプリの内容やダウンロード方法、使い方を紹介する動画の閲覧先をまとめたチラシを7万枚作成しており、市町村、障害者関係団体、防災関係団体、特別支援学校等に配布するとともに、県ホームページにも掲載して、広く周知を図っていく。
また、開発に先立ち、本年2月には、災害時に避難所で活用できるよう、防災安全局主催の市町村防災担当課長会議において、防災訓練での活用を依頼した。このアプリの展開については、開発して終わりではなく、今後も、利用者の意見を聞きながら、開発に携わった愛知県立大学と連携して、使用場面や伝えたい項目等を追加するなどの改善を図っていく。
93:【原よしのぶ委員】
病院や薬局、コンビニエンスストア、スーパー、公共交通機関とどう連携して、普及・展開を図っていくのか伺う。
94:【障害福祉課長】
病院、薬局は、医師会や病院協会、薬剤師会などの関係団体、コンビニエンスストア、スーパーは、経済産業局で包括協定を締結している事業者等に、交通機関は、都市整備局に協力を依頼し、タクシーやバスなどの協会や鉄道事業者に個別に働きかけ、多くの人に利用してもらえるよう、しっかりと周知していく。
また、利用者の意見を聞きながら改善を図り、アプリの普及と実用化にしっかりと取り組んでいく。
95:【原よしのぶ委員】
遠隔手話サービスは、保健所を経由してタブレットを病院等へ貸し出し、遠隔で会話ができるよう、新型コロナウイルス感染症対応として事業化されている。
支援アプリが始まると遠隔手話サービスの事業の役割はどうなるのか。
96:【障害福祉課長】
遠隔手話サービスは、聴覚に障害のある人が新型コロナウイルス感染症の疑いなどにより医療機関を受診する場合に、県保健所等に配置している専用タブレットを利用して、手話通訳サービスを受けることができるものである。対面による手話通訳は感染リスクを伴うことから、手話通訳者の派遣が困難な場合を想定し、昨年10月から運用を開始している。
この遠隔手話サービスは、コロナ禍における手話通訳者の派遣事業の体制強化のために導入したものであり、今回、アプリの利用開始により、その役割が変わることはないが、どちらもICTを活用した新しいコミュニケーション支援ツールとして、一層の利便性向上について検討を加えながら、ともに推進していきたい。
97:【原よしのぶ委員】
昨年の説明では、障害者や高齢者以外に、外国人や子供にも使ってもらえるように拡大を図っていきたいとのことであった。
来年度も支援アプリの予算が計上されているのか、また、今後の利用者や利用場面の拡大、推進について伺う。
98:【障害福祉課長】
来年度予算案には、アプリの運用と保守管理に要する経費37万7,000円を計上している。
このアプリでは、相手側に伝えたいことなどを分かりやすい文字とイラストで表示しており、外国人や子供にも利用してもらえると考えているが、今後、多くの人から意見をもらい、より使いやすいアプリとなるよう、利用者や使用場面の拡大、推進に向けて、改善に努めていく。
99:【原よしのぶ委員】
おおたけりえ議員が本会議の議案質疑において、自閉症児童と手話言語の普及及び障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進に関する条例について質問し、児童に合わせた対応を考えていきたいとの答弁であった。
支援アプリについては、子供への展開も図り、もともとの利用者は、自閉症の知的障害者も含まれているとの説明であった。
おおたけりえ議員の質疑と支援アプリはリンクしてくるのか。
100:【障害福祉課長】
このアプリは、公益財団法人明治安田こころの健康財団が全国特別支援学校知的障害教育校長会と共に全国規模で配布したコミュニケーション支援ボードを参考に開発しており、自閉症の子供の障害特性に対して有効な手段とされるイラストを文字とともに掲載している。
また、開発に当たっては、特定非営利活動法人愛知県自閉症協会・つぼみの会の当事者や支援者に意見を伺い、イラストをより伝わりやすいものに修正するなどの改良を図った。
おおたけりえ議員の議案質疑では、教育長から具体的なコミュニケーションツールやその活用場面などの支援方法は、児童生徒の特性に応じて、保護者と十分に合意形成を図った上で取り組んでいくとの答弁があったため、このアプリをコミュニケーションツールの一つとして、福祉局から教育委員会に情報提供していく。
今後も、このアプリの普及、展開に努め、障害のある人などへのコミュニケーション支援にしっかりと取り組んでいく。
101:【原よしのぶ委員】
愛知県立大学と連携を図り、子供から外国人まで対応できる支援アプリとなるよう、積極的に取り組むことをお願いする。
102:【石井芳樹委員】
新型コロナウイルスの影響は、看護教育の現場にも及んでおり、病院等の医療現場では学生の受入れを行わず、臨地実習が十分にできていないと聞く。
愛知県看護連盟が本年2月に34施設から回答を得たアンケートを見ると、この1年間で実習の受入れを断られたことがあるかの問いに対して、附属実習施設のある施設では95パーセントが断られたと回答し、附属実習施設のない施設では100パーセントが断られたと回答している。その主な理由は、緊急事態宣言の発出や実習施設に陽性患者が発生したことによるものである。
来年度も実習受入れを憂慮する施設があることから、厚生労働省は、本年2月16日に接種順位が上位に位置づけられる医療従事者等の範囲について通知し、医学部生等の医療機関において実習を行う者は、新型コロナウイルス感染症患者に頻繁に接する場合には、ワクチン接種は実習先となる医療機関の判断により対象とすることができるとされ、優先順位が一般の学生よりも上位に位置づけられた。
しかし、ワクチン接種は、全ての看護学校が接種してもらえる病院を探し、依頼しなければならない状況となり、公平性を維持するためには、母体病院を持っている施設か否かにかかわらず、安心して実習に臨めるようにしなければならない。
そこで、県として、看護学生等に対する公平な優先接種の機会確保に向けてどのように考えているのか。あわせて、本県でも看護学校を有しているが、現状はどうか伺う。
103:【ワクチン接種体制整備室長】
国の通知では、医学部生や看護学生など、医療機関で実習を行う者は、実習の内容により、新型コロナウイルス感染症患者に頻繁に接する場合に、実習先となる医療機関の判断で、優先接種の対象とすることができるようにされた。
また、医療機関においては、実習を行う者へ接種を行う場合、原則として、実習先となる医療機関等で取りまとめを行い、接種を実施することとされている。
実習を受け入れる医療機関、看護学生を送り出す看護教育機関等においては、国の通知を踏まえて、実習を希望する全ての看護学生等が適切にワクチン接種を受けられるよう、協力、連携することが大切だと考えている。県としても、改めて医療機関等に周知を図っていく。
104:【医務課長】
看護師等養成所の学生に対する接種については、病院附属の看護学校であるか否かにかかわらず、まずは、各学校で主たる実習施設に相談するよう助言している。
なお、県立の看護専門学校は2校あり、両校とも病院附属の看護学校ではないが、今後、実習に入る3年生全員に実習施設での接種の了解を得ている。こうした本県の事例も参考事例として示していく。
105:【石井芳樹委員】
看護専門学校の臨地実習は、ワクチンの未接種やPCR検査の未実施を理由に断られるのではないかという声も上がっているが、県としてどう対応していくのか伺う。
106:【医務課長】
看護学生を含む医療従事者等へのワクチン接種について、厚生労働省から、個人のリスク軽減に加えて、医療提供体制の確保の観点から接種が望まれるが、最終的には、接種は個人の判断であり、接種を行うことは強制ではなく、業務に従事する条件とはならないと示されている。
したがって、看護学生の実習の受入れが拒否されることは基本的にはないと考えている。また、PCR検査についても、実習前に検査をしていないことで、実習の受入れを拒否されることはないと考えている。
養成所から相談を受けた場合には、県として状況を把握し、適切に対応していく。
107:【石井芳樹委員】
愛知県看護連盟のアンケートによると、臨地実習前のワクチン接種は必要かという設問で、91パーセントの施設が必要であると答え、必要であると答えた施設の全てが安全な臨地実習を行うためと回答しているが、この点はどう考えるか。
108:【医務課長】
看護学校ごとに主たる実習施設を指定しているため、まずはそちらに相談してもらうよう対応している。さらに県に相談があった場合には、県が学校と実習施設の間を取り持ち、できる限りよい対応ができるように取り計らっていく。
109:【石井芳樹委員】
学生に対して、ワンストップの相談窓口を設けてほしいとの意見もあるが、窓口の設置も含めて対応するのか。
110:【医務課長】
看護師等養成所からの相談は、看護師等養成所を所管し、指導監督を行う医務課で対応する。
111:【筒井タカヤ委員】
本県の変異株の新型コロナウイルス感染症患者がゼロであることを疑念に思う人が多い。本県の変異株検査はどのように実施しているのか。
112:【医療体制整備室長】
現在までに、417件の変異株PCR検査を実施している。
検査割合は1週間当たりの陽性者の11.8パーセントから27.5パーセントであり、これまでに陽性者は出ていない。
113:【筒井タカヤ委員】
417人は人口比からみて、多いのか、少ないのか。
114:【感染症対策調整監】
国から陽性者数の5パーセントから10パーセントを調査するよう通知がある。本県では、全体で20パーセントほど調査しており、国の基準の倍程度実施しているが、変異株の陽性者は出ていない。
115:【筒井タカヤ委員】
国の基準よりも多く調査していると広報すべきだと思うが、いかがか。
116:【感染症対策調整監】
毎週火曜日に検査結果を公表しているが、さらにアピールしていきたい。
117:【筒井タカヤ委員】
ファイザー社の新型コロナワクチンが本年2月14日に薬事承認され、本県では2月19日から名古屋医療センターなど4病院で、医療従事者への先行接種がスタートしている。
さらに、県内の医療従事者への優先接種が本年3月8日から始まったが、この優先接種の対象者を国は当初、全国で約370万人としていた。しかし、河野太郎担当大臣は2月18日のテレビ番組で100万人増えたと発言したが、100万人も多くなったのはなぜか、また、本県ではどうなのか伺う。
118:【ワクチン接種体制整備室長】
医療従事者等への優先接種対象者について、当初、国は約370万人としていたが、これは、総人口の3パーセントとして試算したものである。その後、国において、具体的な接種対象者数を医療機関等に照会した結果、当初の試算より約100万人以上増え、全国で約480万人になったものである。
次に、本県の対象者数について、当初は国の試算方法に基づき、県民人口の3パーセントとして計算し、約23万人としていた。その後、国の照会に合わせて、公益社団法人愛知県医師会、一般社団法人愛知県歯科医師会、一般社団法人愛知県薬剤師会などを通じて、各医療機関等に具体的な接種対象者数を照会した結果、約27万人となった。
119:【筒井タカヤ委員】
対象者が100万人以上も増えたのは、引退した医者や離職した看護師など、資格がある人を対象者に含めたからなのか。また、医師や看護師だけでなく、歯科医師や薬剤師、看護学生も当初から対象者に含まれていたのか。
さらに、ワクチン接種会場の医療従事者を確保するため、引退した医者や離職した看護師に復帰を呼びかけているが、復帰すれば医療従事者等の対象者になるのか伺う。
120:【ワクチン接種体制整備室長】
厚生労働省の通知では、医療従事者の対象者は、病院、診療所において新型コロナウイルス感染症患者に頻繁に接する機会のある医師、その他の職員となっており、病院、診療所に勤務する歯科医師、病院で実習を行う医学部生や看護学生なども新型コロナウイルス感染症患者に頻繁に接する機会があれば対象に含まれる。
また、薬剤師も同様に、新型コロナウイルス感染症患者に頻繁に接する機会がある病院、診療所に勤務している人のほか、新型コロナウイルス感染症患者に頻繁に接する機会のある薬局に勤務している人も対象とされている。
一方、引退した医師、離職した看護師は新型コロナウイルス感染症患者に接する機会がないことから、対象には含まれていない。
なお、復帰する医師、看護師は採用された医療機関等において、勤務開始に合わせて接種の機会が設けられる。
121:【筒井タカヤ委員】
次に、妊婦への新型コロナワクチンの広報について伺う。
今回の新型コロナワクチンの接種は、予防接種法上、強制ではなく、国民には接種を受ける努力義務があるが、妊婦には法的な努力義務は課されていない。その理由は使用実績が少ないためなのか、現時点では安全性や有効性が十分評価できないからなのかと問合せがある。
妊婦やその家族のワクチン接種への疑問や不安に対して、県はどのように対応しているのか伺う。
122:【ワクチン接種体制整備室長】
妊婦へのワクチン接種は、厚生労働省のウェブページに掲載されている新型コロナワクチンについてのQ&Aにおいて、妊娠中の方も新型コロナワクチンを受けることができます、ただし、妊婦または妊娠している可能性のある女性には、海外の実使用体験などから現時点で特段の懸念が認められているわけではありませんが、安全性に関するデータが限られていることから、接種のメリット、デメリットをよく検討して接種を判断していただくこととしていますと記載されている。
県としては、電話相談窓口において妊婦や家族から寄せられる疑問や不安に対して、保健師、看護師が丁寧に対応するなどしていくが、ワクチンを受けるかどうかについて、主治医と相談してもらうことが大切だと考えている。
123:【筒井タカヤ委員】
次に、がんの問題について伺う。
先日、がんセンターを受診したときに、私の妻が自動精算機の前で、クレジットカードを入れるところがないと困惑していた。総合窓口の受付係員に聞くと、この機械は現金のみで、カードは会計窓口の列に並んでくださいと指示を受けた。
私は数年前、カード支払いができる自動精算機を採用するよう提言した。なぜがんセンターでは、現金とカード支払いが可能な機器を選定しなかったのか。
また、現在の自動精算機は6年前にリース契約しているが、再来年まで契約を延長すると聞いた。旧式の不便な自動精算機のリース契約を延長するのか。
124:【経営課長】
現在の現金自動精算機は、2015年度に総合医療情報システムと一体のものとして、6年間のリース契約をしている。この総合医療情報システムは、更新時期が来ているが、患者へのサービス向上を含め、効率的な運用ができるよう、システムの改修内容について検討を進めている。
システム的に連動している現金自動精算機も、総合医療情報システムと一体で更新することを予定しており、更新予定の2022年度にクレジットカード対応のものを導入することを検討している。
125:【筒井タカヤ委員】
利用者、患者の利便を改善せずに、安くリースする考えには賛成できない。新型コロナウイルスの感染拡大もあり、現金支払いよりもクレジットカード決済が安全と言われている。
また、病院ではどれくらいの診療費用がかかるのか事前に分からない。患者、家族の利便性を考えて対応すべきである。
126:【経営課長】
クレジットカード決済は、患者へのサービスの観点からも必要と考えており、これまでの窓口の対応に加えて、自動精算機も導入したいと考えている。
多くのシステムが連携している病院の総合医療情報システムは、システム間の連携がスムーズとなるよう一体的に整備することが効率的であるため、2022年度のシステムの更新時期に合わせて、導入を検討している。
127:【筒井タカヤ委員】
次に、診療室前の患者受付順の表示盤の改善を求める。
ある病院では、診察室の前に電子カルテ連動型の患者呼出システムの電光掲示板を導入している。受付番号が10人近く受付順に表示され、診察室から1人の患者が出ると、順番が次の人に繰り上がる。
一方、がんセンターでは、受付の科と担当医師の名前のある電光掲示板前に、患者の受付番号が音の合図と同時に表示される。受付の番号が次々と繰り上がるシステムではなく、患者は自分の順番が予想できない。
がん患者は体力的にも精神的にも弱い人々が多い。なぜがんセンターの掲示板は、電子カルテと受付番号が連動していないのか。がん患者のことを考えて、診察順や待ち時間表示をする方法に変えてほしい。
128:【経営課長】
がんセンターの診察案内の掲示板は、電子カルテシステムと受付番号が連動したものである。また、がんセンターでは完全予約制を取っていることから、受付順ではない予約枠を優先した診察を行っており、多くの診療科が30分刻みの予約枠で診療を行っている。予約枠が数人単位と人数が限られていることから、受付順で対応する窓口とは異なり、繰上げ表示はせず、1診察室につき3人程度を案内するよう番号表示している。
なお、予約時間から実際の診察が遅れることもあるため、掲示板には現在の進行状況を表示し、診察の進み具合が分かるようにしている。そのほか、受付票のQRコードを読み込むことにより、携帯電話へ待ち状況をメールで知らせるなど、患者へのサービス向上に努めている。
129:【筒井タカヤ委員】
がん患者は、いつ自分の順番が来るかずっと待っている。患者の立場で利便性を考えるのが病院本来の姿勢である。早急にシステムの抜本的な改善に取り組んでほしい。
130:【経営課長】
がんセンターの診療の流れの実態に合わせて、混乱のないよう掲示板による診察の案内を行っているが、総合医療情報システムの更新に合わせて検討を進め、患者へのサービス向上に努めていく。
131:【筒井タカヤ委員】
数年前にがんセンターで検査を受けたときに、診察室でポケットベルを貸し出し、診察時間が近づくとポケットベルを鳴らしてくれるサービスがあった。今はどうなっているのか、運用部管理課に問い合わせると申出がある人には携帯電話で知らせているとのことであった。
このサービスは診察受付のどこにも表示されておらず、窓口での案内もない。患者に周知徹底してほしい。
さらに、精神医療センター、あいち小児保健医療総合センターの自動精算機と患者の受付順番を表示するシステム、診察窓口のサービスの現状を伺う。
132:【管理課長】
精神医療センターは、患者の特性上、窓口で対応したほうが円滑に会計が進むことから、また、あいち小児保健医療総合センターは、ほとんどの患者に医療費の本人負担がないことから、会計窓口で現金及びクレジットカードによる精算をしている。このため、自動精算機の設置は予定していない。
また、患者の呼出しは、精神医療センターでは診察室ごとに、診察中の患者に加え、間もなく呼出しがされる3人の受付番号を表示している。あいち小児保健医療総合センターでは、現在、診察中の患者の予約時間を表示して、診察の進み具合が分かるようにしている。
各病院の診療の流れの実態に合わせて、医療情報システムの更新に合わせて検討を進め、患者へのサービス向上に努めていく。
133:【筒井タカヤ委員】
がんセンターの施設整備の充実やがん研究のために寄附を申し出る人もいる。
かつて、私が申入れをして、診察室の廊下の掲示板に寄附行為の案内を表示してもらったが、今回、どこを探しても見当たらなかった。なぜ表示しなくなったのか。
134:【管理課長】
診察室の廊下の掲示物は、掲示申請者の責任において撤去もしくは更新手続を行っているが、掲示スペースには限りがあるため、定期的に全ての掲示物を一斉に撤去して、新たに許可手続を行い掲示している。昨年度末に掲示物を一旦全て撤去したが、この際、寄附行為の案内の再掲示手続を失念していた。再度、寄附行為の案内を掲示し、今後は継続して掲示していく。
135:【筒井タカヤ委員】
善意の寄附を受け付けていることのさらなる広報を求める。
本県では、がんセンターを含めて、寄附があったとあまり聞かない。産業界に支援を求めるなどの姿勢があってしかるべきだと思う。
136:【管理課長】
がんセンターのウェブページで寄附を呼びかけているが、ウェブページのリニューアルをはじめ、ほかに多くの寄附を受けている他の病院を参考にして、効果的な広報を検討していく。
137:【筒井タカヤ委員】
次に、院内保育所の設立への協力支援について伺う。
医療従事者は新型コロナウイルス感染症対応に必死になって、患者の命を救うために取り組んでいるが、一部の住民から、医療従事者の子供から感染する危険性があるとの言動が問題となっている。その心ない言動が医療従事者の離職の原因にもなっており、深刻な問題である。
医療従事者が安心して預けられる院内・院外保育所の設立を望む声が多いと聞く。県としても、医療従事者が安心して子供を預けることができる院内・院外保育所の設立を支援する積極的な施策が必要だと思う。
県が実施する院内保育所制度について伺う。
138:【医務課長】
本県では、病院職員の離職防止及び再就業の促進を図るために、病院内保育所の運営費及び整備費を助成している。運営費の助成は、昭和49年度から国庫補助事業として開始され、平成26年度からは地域医療介護総合確保基金に財源が移行している。対象施設は、医療従事者の子供を保育することを目的に設置された病院内保育所であり、保育士等の人件費を対象としている。助成した保育所数は年々増加しており、本年度は105施設から申請があった。
また、補助金が加算されるメニューが八つあり、土日祝日に保育を実施している施設は65施設、24時間保育を定期的に実施している施設は60施設ある。
このほか、1日12時間以上の長時間の開所、100日以上の24時間保育の実施、病児保育の実施、小学校低学年の児童の保育の実施、近隣医療機関に勤務する医療従事者の子供の受入れ、24時間保育を実施していない施設で緊急的に行う一時保育が対象となっている。
なお、整備費の助成は、平成24年度から開始され、これまでに6か所の施設に助成している。
139:【筒井タカヤ委員】
病院内保育所を設置していない医療機関に勤務している医療従事者が安心して預けることができる施設の有無について伺う。
140:【医務課長】
病院内保育所は、その利便性や病院業務に対する理解などの点から、医療従事者が安心して利用できる施設である。現在、近隣のほかの医療機関に勤務している医療従事者の子供を受け入れている病院内保育所は1施設である。こうした子供を受け入れた場合は、1日につき1万670円の補助金の加算があるほか、新築や改修をする場合は、整備費補助金の助成対象となる。こうした情報を引き続き関係機関にしっかりと周知し、支援していく。
141:【筒井タカヤ委員】
新型コロナウイルス感染症に関連して、病院内保育所事業で行われた取組を伺う。
142:【医務課長】
昨年3月から5月、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、小学校等が休校した時期に、臨時的に児童の受入れを実施した施設が13か所あり、その施設に対して運営費を助成した。
143:【筒井タカヤ委員】
次に、がん患者のアピアランスケアについて伺う。
本県では毎年5万人ががんに罹患しているが、医療の進歩により年々、5年生存率は上昇しており、がん患者が長期に生存可能な時代になっている。そして、働き続けながら、がん治療を行う人も多くいる。
しかし、がん治療のための手術、化学療法、放射線などは、脱毛や手術痕など患者の身体に様々な外見の変化をもたらすことがあり、そうした外見の変化は、就学や就労など社会生活を送る上で、大きなストレスとなっている。外見の変化を患者自身が受け入れて、前向きにがん治療を行い、社会関係を築いていくためには、患者が抱える外見の変化に対する苦痛を軽減する支援、いわゆるアピアランスケアが大変重要である。
そこで、県はアピアランスケアに対して、どのような取組を行っているのか伺う。
144:【健康対策課長】
まず、県内27か所のがん診療連携拠点病院等全てにがん相談支援センターが設置され、医療従事者の相談員が、脱毛など外見の変化に対する患者の相談に対応している。
また、がん患者ががん治療経験者にがんの不安や悩みなどを電話で相談できるピアサポート事業を行っている。さらに、本県のがん対策のウェブページにおいて、国立がん研究センターが作成した最新情報などを掲載している。
145:【筒井タカヤ委員】
外見の変化を補うものとして、ウイッグや乳房補正具がある。現在、11県で購入費を補助しており、静岡県、岐阜県でも補助事業が始められている。
購入費用は、ウイッグが6,000円から10万円程度、乳房補正具は3,000円から35万円程度と大きな幅がある。患者の中には、自費でウイッグや乳房補正具を購入する人も多いが、購入費用はがん治療を行いながら生活する人にとっては決して安くない。購入費を補助することにより、がん患者の積極的な社会活動を支援することができる。ウイッグなどの購入費用に対する財政的な支援を含むアピアランスケアの推進について、県の考え方を伺う。
146:【健康対策課長】
ウイッグなどの購入費用に対する財政的な支援は、全国一律の制度とすることが適当だと考えており、既に中部圏知事会議を通して国へ要望しているが、今後も機会を捉えて国へ働きかけていく。また、本県におけるアピアランスケアの推進について、他県の状況等を調査するなど研究していく。
147:【筒井タカヤ委員】
がん患者の心のケアは、全国一律で同じ支援が受けられるものであるべきとの考えは理解するが、本県よりも財政規模の小さい隣県で実施され、大変に歓迎されている。
本県のがん対策は全国でも先行しているが、がん患者への心のケアでは遅れている事実を忘れてはいけない。さらなる取組を強く要望する。
次に、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、社会的距離の確保が必要であるが、各病院で公式に設置されている会議は幾つあるのか。また、そのうち、オンラインで開催可能な会議は幾つあるのか伺う。
148:【管理課長】
各病院で要綱や要領等に基づき設置され、月に1回以上開催している会議等は、がんセンターで22、精神医療センターで16、あいち小児保健医療総合センターで10、合わせて48である。そのうち、本年度はがんセンターで四つ、あいち小児保健医療総合センターで三つの会議をウェブで開催している。今後、がんセンターで七つ、あいち小児保健医療総合センターで七つの会議について、ウェブで開催することを検討している。
149:【筒井タカヤ委員】
県立3病院では、入館時の体温チェックはどのように行っているのか伺う。
150:【管理課長】
患者等の来院時の体温チェックと手指消毒は、がんセンターでは1階と2階の2か所で実施しており、1階は事務職員、薬剤師、臨床検査部、研究所の職員など、医師、看護師以外の職種で対応している。2階正面玄関は、外部委託で対応している。
また、精神医療センターでは、看護師、事務職員、精神保健福祉士などの職員が対応し、あいち小児保健医療総合センターでは、看護師とアルバイトの職員が交代で対応している。
151:【筒井タカヤ委員】
現在、県の要請に基づき、3病院から県立愛知病院に対して、多くの看護師が派遣されている。その上、本来業務でない入館者のチェックを行うことは大変な負担ではないか。体温チェックや呼びかけは無資格の人でも構わない。外部委託すべきではないか。
152:【管理課長】
がんセンターでは本年度も既に一部を外部委託しているが、来年度以降も入館者のチェックを継続して実施する場合には、各センターの患者の状況も踏まえて、業務委託の拡大を検討していく。
153:【筒井タカヤ委員】
次に、三重大学病院麻酔科での事件を踏まえて伺う。
事件の後、三重大学病院では麻酔科専門医を養成するプログラムが停止され、麻酔科医の退職が続いたと聞く。病院事業庁所管の3病院のうち、麻酔科医が配置されているのは、がんセンターとあいち小児保健医療総合センターである。麻酔科専門医を目指す上で、この2病院の位置づけはどうなっているのか伺う。
154:【管理課長】
2病院とも麻酔科専門医を目指す上で必要となる麻酔の実施に関して十分な修練を行うことのできる施設として、公益社団法人日本麻酔科学会の麻酔科認定病院に認定をされている。
155:【筒井タカヤ委員】
がんセンターは、麻酔科専門医を目指すには不利な場所だと思われている。三重大学病院のような大量退職者があれば、立て直しは難しいのではないか。今後のリクルートや退職防止のため、麻酔科医自身の意見を聞くことが大切だと思う。がんセンターでは麻酔科医からヒアリング等を実施しているのか。直近のヒアリング等があれば、その声も伺う。
156:【管理課長】
全ての職員が人事評価等のヒアリングを少なくとも年に2回実施しており、麻酔科医の業務上の課題や要望について話し合う機会にもなっている。また、年に2回開催する手術運営委員会でも、麻酔科医から手術の運営に関する意見や要望を聴取する機会を設けている。
直近のヒアリングでは、新型コロナウイルス感染症に対するスクリーニング検査の実施や子育て中の医師に対する配慮、長時間に及ぶ手術に対する体制の確保など、ワーク・ライフ・バランスに関する意見が上がっている。
157:【筒井タカヤ委員】
新型コロナウイルス感染症について、入院時や手術前に全患者の検査を行っている病院もあるが、がんセンターは違うのか。患者にとって、高度な治療を行うがんセンターは魅力がある。がん治療に直接携わる医師にとっても、多くの患者が集まり、経験を積み、技術を磨けるがんセンターは魅力的である。
一方、麻酔科医は、手術が安全に行われるように支える中心的な存在であるが、がん治療への関与は間接的だと思われる。それゆえに、リクルートや退職防止のためには、麻酔科医にとっての魅力が大切ではないか。ヒアリングでの声を受けて、どう取り組んでいくのか伺う。
158:【管理課長】
ヒアリングの意見に対する対応として、がんセンターの新型コロナウイルス感染症に対するスクリーニング検査は、本年2月15日から、全身麻酔を行う可能性のある全患者に対して、手術の前日に抗原検査を実施して、医療従事者の感染防止を図っている。
また、ワーク・ライフ・バランスに関して、麻酔科医をはじめ、医療従事者の確保のためにはより働きやすい職場環境づくりを進めていくことが重要であると考えており、働き方改革にしっかり取り組み、環境整備に努めていく。
159:【筒井タカヤ委員】
前回の委員会で、本県がんセンターの常勤麻酔科医の給与は静岡県立静岡がんセンターのアルバイトくらいで、非常に給与が低い状況であるとの説明があった。
静岡県立静岡がんセンターのホームページでは、緊急手術に待機する麻酔科医に対し、オンコール手当等の記載がある。本県がんセンターではどうなっているのか。
160:【管理課長】
静岡県立静岡がんセンター事業職員の給与に関する規定や同職員の就業規程を確認すると、医師を対象に、入院患者の状況、病状の急変等に対処するための緊急の呼出しに備えた自宅等における当直勤務に対して支給する宿日直手当として規定されており、勤務1回につき5,000円が支給されるようである。本県がんセンターでは、緊急呼出しに備えた自宅等における当直に対する手当は措置していない。
161:【筒井タカヤ委員】
緊急手術は麻酔科医にとってリスクがとても高い。非常にストレスでもあると聞き、緊急手術への待機が嫌で、アルバイトに転向した麻酔科医も多いと聞く。
そのような緊急手術に対して無給で備える麻酔科医の心労は、察するに余りある。適切な金額の手当を早急に支給すべきではないか。
162:【管理課長】
緊急手術に対する手当について、本県がんセンターにおいては、夜間等に帰宅した麻酔科医を呼び出し、対応しなければならない緊急手術は年間に数件である。本年度は現在5件、前年度は8件発生しており、その際には従事時間に応じた時間外勤務手当を支給している。
がんセンターは救急病院ではないため、現状に合わせて麻酔科医が自宅等で常時待機するオンコール体制をしくことは考えていない。
163:【筒井タカヤ委員】
がんセンターの院内保育所について伺う。
私は看護師確保対策のために病院内保育所の必要性を訴え続けてきた。
平成25年に茨城県立中央病院茨城県地域がんセンターの病院内保育所を視察したところ、別棟での園舎、園庭も整備されており、魅力的な施設であった。
当時のがんセンター職員も一緒に視察し、本格的な施設整備の計画を考えていたはずであるが、設置された病院内保育所は研究所の空き部屋を利用した簡易的なものとなっている。がんセンターの病院内保育所は臨時的な施設だったはずであるが、病院内保育所を別に設置する予定はあるのか。
164:【管理課長】
がんセンターの病院内保育所は、以前は事務室として使用していた研究棟1階の空きスペースを整理し、平成26年度から運用している。現状、保育所の利用職員から別の場所に移してほしいという要望は出ていないため、当面、現在の場所で運営していく。
165:【筒井タカヤ委員】
カード型の障害者手帳について伺う。
国は省令を改正し、2019年4月から自治体の判断で、障害者手帳をカード化できるとした。本年1月時点で三つの自治体がカード化を実施しており、佐賀県は身体、療育、精神の3種類で、カード型か従来どおりの紙かを選べるようにしている。また、独自の工夫として、記載内容を障害の種類や等級にとどめ、部位などの詳しい傷病名は省略され、カードのQRコードに補足情報を組み入れて、そこから読み取る方式としている。
障害者手帳のカード化の最大の目的は、障害者がサービスを受けるために、手帳を示す抵抗感を減らし、社会参加を促すことである。
本県では、障害者手帳のカード化を検討しているのか伺う。
166:【障害福祉課長】
2019年4月から国の制度改正により、カード型の障害者手帳の交付が可能となったことから、昨年10月以降、都道府県では、東京都、大分県及び佐賀県において、従来の手帳型かカード型の手帳を障害者の判断により選択できるようになっている。身体障害者手帳は、都道府県に加えて指定都市と中核市で、療育手帳と精神障害者保健福祉手帳は、都道府県と指定都市において発行している。障害者手帳のカード化を進めるには、手帳を交付するためのシステム改修費、カード型の手帳を印刷するプリンターの設置費、印刷用のカードの経費等について、障害者手帳を交付する都道府県、指定都市、中核市で全額を負担することになる。
また、詳細は示されていないが、国においては、2022年度末を目途に、障害者手帳とマイナンバーカードの一体化を図る工程表が示されており、国の動向を見極めた上で、カード型の導入についても、併せて検討する必要があると考えている。
167:【筒井タカヤ委員】
カード型を推進するには、一般社団法人愛知県身体障害者福祉団体連合会やNPO法人愛知県精神障害者家族会連合会等にニーズの調査を求めるべきと考えるが、いかがか。
168:【障害福祉課長】
既にカード型の障害者手帳の交付を始めた他都県には、障害者団体に意向を確認した上で交付を開始したところもあるため、他都県の状況を確認していく。その上で、障害者にとってより使いやすいものとなるよう、障害者団体等の意見を伺いながら、メリット、デメリットを検証した上で、検討を進めていく必要がある。
169:【筒井タカヤ委員】
社会の変化から見れば、耐久性、携帯性に優れたカード型は必然だと思うが、所見を伺う。
170:【障害福祉課長】
カード型の障害者手帳は、携帯に便利、耐久に優れ、破損しにくいなどの利点があることは承知している。
一方、住所など記載内容に変更があった場合、訂正印や追記で済ませていたものがその都度、再交付しなければならなくなること、また、記載できる情報にも制限があり、知的障害者は療育指導の記録等を記載するための別冊を用いて、その都度、追記しており、紙製の手帳のほうが使い勝手がよい場合もあると思われる。
しかしながら、障害者手帳を提示する煩雑さや心理的な負担が軽減され、利便性が向上すると考える人もいるため、カード型は障害者の社会参加促進に有効な取組の一つになり得る。そうしたことから、まずは導入済みの他都県の状況を確認するところから始めていく。
171:【筒井タカヤ委員】
カード型の導入を本県も考えていると理解してよいか。
172:【障害福祉課長】
障害者手帳のカード化は、障害者の社会参加促進に有効な取組であり、将来的には検討が必要になると考えているが、一方で、障害者手帳を交付する都道府県等の財政負担や、記載できる情報量に制限があるなど課題もある。
今後、導入を検討するに当たっては、マイナンバーカードとの一体化に係る国の動向について注視しながら、導入済みの東京都、大分県、佐賀県の状況を確認し、メリット、デメリットをよく検証した上で、検討を始めていく。
173:【筒井タカヤ委員】
結婚支援について伺う。
新型コロナウイルス感染症の影響で、結婚する人口が減っている。厚生労働省の人口動態統計速報によると、昨年1月から12月の婚姻数は53万7,583件、前年の同期61万5,652件と比べてみると12.7パーセント減少している。出生数は法律上の婚姻関係のある夫婦の間に生まれる嫡出子が約98パーセントを占めるため、婚姻数の低下が今後の出生数の低下にもつながると思われる。新型コロナウイルスの感染拡大が続いているが、本県の婚姻数と前年比の統計はどのようになっているのか伺う。
174:【子育て支援課長】
厚生労働省の人口動態統計速報によると、昨年の本県の婚姻数は3万5,617件で、2019年の4万292件から4,675件、11.6パーセントの減少となっている。
175:【筒井タカヤ委員】
新型コロナウイルス感染拡大による外出やイベント等の自粛により、結婚につながる出会いの機会が減少したことも影響があったのではないかと思われる。コロナ禍においても、結婚につながる出会いの機会を提供することが重要である。
そこで、県としてオンラインでの結婚相談など、これまで以上に力を入れて取り組む必要があるが、県の取組と今後どのように推進していくのか伺う。
176:【子育て支援課長】
本県では、希望する人が結婚できるよう出会いをサポートする婚活ポータルサイト、あいこんナビを2015年に開設し、市町村やNPO等が主催する婚活イベント情報等の提供やあいこんナビに登録した企業同士が婚活イベントの企画や情報交換を行う場として活用されている。
本年度の活用実績は、本年1月末までのアクセス件数が3万230件、婚活イベント等の情報提供数は254件、参加者数は延べ2,226人、成立カップル数は262組である。なお、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、昨年6月からオンラインによる婚活イベントの情報も提供している。
また、より多くの出会いの提供を創出するためには、企業や地域の人に積極的に結婚支援に取り組んでもらうことが重要であることから、企業の担当者や県民を対象とした結婚応援セミナーを本年1月にオンラインで開催し、約100人が参加した。
今後とも、市町村や結婚支援に取り組むNPO、企業などと連携を図りながら、こうした取組を着実に進め、出会いの機会の提供に取り組んでいく。
177:【筒井タカヤ委員】
結婚対策関連経費には、新型コロナウイルス感染拡大による経済的な打撃を考慮して、結婚祝金や新居の家賃、引っ越し費用への支援があるのか伺う。
178:【子育て支援課長】
本県では、結婚新生活支援事業費補助金として、39歳以下かつ世帯所得400万円未満の新規に婚姻した世帯を対象に、婚姻に伴う住宅取得費用や引っ越し費用を、国庫を活用して30万円まで助成している。
本年度、弥富市が本補助金を活用した支援に取り組んでいるが、来年度は、豊橋市、一宮市、大府市、田原市、弥富市、豊山町、東浦町の7市町が取り組む予定であり、引き続き、未実施の市町村に本補助金の活用を働きかけていく。
179:【筒井タカヤ委員】
名古屋市は、本年4月2日以降に子供が生まれる世帯に対して、5万円相当の子育て必需品を送る事業を始めるため、新年度予算に約10億円の事業費を計上している。
コロナ禍で県をまたいだ移動の自粛により、里帰り出産ができなくなったり、外出自粛のストレスがたまったり、妊婦は不便を強いられている。こうした大変な思いをする夫婦を応援するため、名古屋市は1万8,000人分を見込んで取り組むとしている。
若い世代の出産、育児等の支援について、本県として何か考えがあるのか伺う。
180:【子育て支援課長】
本県では市町村や民間企業と連携して、子育て家庭を社会全体で応援する子育て家庭優待事業に取り組んでいる。
本事業は18歳未満の子供がいる家庭や妊婦に、県が作成したはぐみんカードを市町村を通じて配布し、このカードを協賛店舗利用時に提示すると、店舗が独自に設定する割引やプレゼントなど、様々な特典が受けられる取組である。県内の協賛店舗登録数は本年3月1日現在、9,527店舗となっており、引き続き、登録店舗数の拡大に努めていく。
また、本年度の新たな取組として、出産前後で子育てに不安を持つ家庭や、双子等多胎児がいる家庭などが抱える孤立感や不安の軽減を図るため、子育て経験者等を家庭訪問ボランティアとして養成し、訪問型の寄り添い支援を行うモデル事業を実施している。本年度は、家庭訪問ボランティアの養成に取り組んでおり、来年度から実際に利用を希望する家庭への訪問活動を開始する予定である。こうした取組を着実に進めることにより、地域の子育て支援力の向上を図り、若い世代の出産、育児等を支援していく。
181:【筒井タカヤ委員】
この3月をもって、福祉局長が定年退職される。
福祉局は子ども・子育て支援や高齢者福祉、障害者福祉など、県民・民生活動、生活に直結する多様な施策に取り組んでいる。本年度、本委員会では新型コロナウイルス感染症対策をはじめ、認知症施策の推進や保育士の処遇など、様々な課題について議論がされ、私自身も高齢者施設や父子手帳について質問した。特に、本年度は誰も経験したことのない新型コロナウイルス感染症対策に強いリーダーシップを発揮され、職員を一生懸命激励し、引っ張ってきたことと思う。
これまでの業務を振り返りつつ、福祉行政の今後の課題や取組姿勢を後進の人たちにしっかりと受け継いでもらうことが重要と考えるが、所見を伺うと同時に、拍手をもって激励し、送りたいと思う。
182:【福祉局長】
福祉局長になり、1年が経過しようとしている。この1年はコロナ禍における新たな福祉行政ニーズに待ったなしで取り組んで対応しながら、本来業務も同時にやっていかなければならない、忙しく、全く落ち着くことのない1年であった。
昨年4月から毎議会ごとに補正予算をお願いし、福祉局関係だけで約620億円のコロナ対策の補正予算が組まれ、新規で9事業、トータルで27のコロナ対策事業を通常業務にプラスして取り組んできた。福祉局としても、こうした事業に対応するため、独自のコロナ対策チームの設置や職員の一時的な配置替えと同時に時間外勤務の縮減にも取り組みながら体制を整え、局一体として全力で取り組んできた。
こうした中で、福祉行政は子供から高齢者、障害者、生活が困難な人など本当に多岐にわたっており、こうした人たちに対する児童虐待や子供の貧困、待機児童対策、高齢者、障害者福祉、認知症対策、最近では孤立や孤独対策など様々な課題がある。こうした課題に適切に対応し、コロナ禍にあっても、全ての人が安心して暮らし続けていけるようにしなければならない。
そのためには、これからも保健医療局や病院事業庁などとも連携、協力しながら、しっかり取り組んでいくことが重要だと認識している。
こうした課題に取り組む姿勢として、日頃から思っているのは主に三つある。一つ目は現場の声を聞いて、県民目線で考えること、二つ目はスピード感を持って、先を見て仕事をすること、三つ目は担当職員の話をよく聞いて、議論して、認識を共有して、組織として仕事をすることだと思っている。
職員には、今後もこうした姿勢で、県民福祉の向上のためにひたすら努力してほしい。
最後に、福祉医療委員会の委員の皆様には、温かく指導いただき、心から感謝申し上げる。これからも引き続き、指導、力添えをお願いする。
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