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県政報告・石井よしき発言
令和2年
令和2年福祉医療委員会
令和2年福祉医療委員会
2020年10日2日
石井よしき発言
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(主な質疑)
《議案関係》
【永井雅彦委員】
第115号議案令和2年度愛知県一般会計補正予算第11号及び第118号議案愛知県立愛知病院条例の制定について質問する。
新型コロナウイルス感染症に対する医療体制のさらなる拡充のため、岡崎市立愛知病院を新型コロナウイルス感染症専門病院として活用することは、県内全体の医療機関の役割分担を進め、負担軽減を図る点で大変有意義であり、医療従事者や県民に安心感を与えることから、円滑な運営を期待する。
新型コロナウイルス感染症専門病院について、他府県では二つの事例がある。一つは、神奈川県がプレハブで設置し、医療法人に運営を委託した医療施設で、緊急事態宣言下の本年5月18日に39床で開設している。もう一つは、大阪市の十三市民病院で、もともと279床を有する中規模総合病院だったが、本年5月22日に23床で開設している。
こうした専門病院の設置には、法的には二つの方法がある。神奈川県のような新型インフルエンザ等対策特別措置法(新型インフルエンザ等特措法)に基づく臨時の医療施設と、大阪市のような通常の医療法に基づく病院を活用する方法である。
本県の愛知病院は、法的にはどちらの設置方法になるのか。また、なぜその方法を選んだのか。
2:【医療計画課長】
本県の新型コロナウイルス感染症専門病院は医療法に基づき開設する。岡崎市立愛知病院の開設者を岡崎市から愛知県に変更して、県が設置、運営する新たな県立病院とする。
法的な位置づけは大阪市と同様であり、まずは50床でスタートし、最大100床を想定している。医療法に基づく開設方法を選んだ理由は、新型インフルエンザ等特措法に基づく臨時医療施設は政府による緊急事態宣言が発令されている期間しか開設できないためである。
神奈川県は緊急事態宣言中だったため、開設が可能であったが、現在の状況を見ると、直ちに政府から緊急事態宣言が発出される見通しがなく、現状では、新型インフルエンザ等特措法に基づく臨時医療施設の開設は難しい。
3:【永井雅彦委員】
新型インフルエンザ等特措法に基づく臨時の施設ではないとすると、恒常的な施設になるのか。
4:【医療計画課長】
この専門病院の設置は、あくまで新型コロナウイルス感染症に対する医療提供体制を確保する時限的な対応と考えている。
新型コロナウイルス感染症が収束した段階で廃止するが、現時点ではいつ収束するか見通せないため、病院の存続時期も未定である。
5:【永井雅彦委員】
岡崎市立愛知病院を活用するメリットは何か。
6:【医療計画課長】
大きく3点ある。1点目は、既存の病院を活用することで、設置費用や準備期間を抑えられること。2点目は、愛知病院は感染症指定医療機関であるため、感染症病床を6床有し、また、結核関係の病床も25床あり、陰圧室など感染症に対応した病棟設備が整っていること。3点目は、愛知病院はもともと県立病院であり、現在でも建物と土地は本県が岡崎市に無償貸与しているため、追加費用を要することなく使用できることである。
全体として、早期に開設でき、費用を安く抑えられるメリットがある。
7:【永井雅彦委員】
新型コロナウイルス感染症専門病院を開設することで、不安を感じる地域住民もいると思う。岡崎市とも協力しながら、地域住民にも丁寧に説明してほしい。
次に、愛知病院運営費26億5,042万5,000円の内訳を伺う。
8:【医療計画課長】
病院に勤務する職員の人件費が18億6,300万余円、薬品や医療材料等の物品購入費が2億2,600万余円、施設管理、給食、維持などの施設運営の管理委託費が1億9,600万余円、職員の宿泊用施設の借上料が1億9,500万余円である。
9:【永井雅彦委員】
ほとんどが人件費であるが、医師、看護師が何人必要になると想定しているのか。
10:【医療計画課長】
病床数は最大100床を想定し、医師17人、看護師111人を想定している。
11:【永井雅彦委員】
医療従事者の確保はどうするのか。
12:【医療計画課長】
開設当初は50床の予定で、医師9人、看護師38人が必要と考えている。医師は、県内の4大学病院を中心に県内医療機関からの派遣で確保する。
看護師は、愛知病院へ派遣している県職員を中心に、その他の県立病院、岡崎市民病院からも協力を得て38人を確保する。
それでも人数が不足する場合は、県内の民間医療機関にも派遣を依頼する。
13:【永井雅彦委員】
全県から患者を受け入れるのか。また、本年10月15日に開設できるのか。
14:【医療計画課長】
全県から患者を受け入れる予定である。
医療従事者確保のめども立っており、議案が認められれば、予定どおり本年10月15日に開設する。
15:【永井雅彦委員】
新型コロナウイルス感染症専門病院は県内全体の患者を受け入れることで、県全体の医療提供体制の中でも大きな役割を果たすことになる。今後大きな波が来た場合、医療圏単位で中等症の入院病床が不足することもあり得る。患者の入院調整もこの専門病院を念頭に置いて、県内全体で入院の最適化を図ってほしい。
また、多くの医療機関から医師を派遣してもらうことになる。派遣元の医療機関と連携、協力して、しっかりと運営してほしい。
16:【いなもと和仁委員】
新型コロナウイルス感染症対策高齢者インフルエンザ予防接種費補助金について伺う。市町村への補助金18億円が計上されているが、どのように積算されているのか。
17:【医療体制整備室長】
高齢者等に対するインフルエンザワクチン接種の対象者は約190万人いるが、昨年度、接種を受けたのは、そのうちの約55パーセントに当たる104万人余りだった。本年度は本事業により自己負担がなくなることなどにより、接種率が75パーセントまで上昇すると想定し、昨年度の1.36倍、141万人余りの高齢者等が接種を受けると見込んでいる。
予算額は、接種者数が1.36倍になる見込みを基に、市町村ごとの接種者数を推計し、それぞれが設定する自己負担予定額を掛けることで、必要となる補助額を算出し、全市町村分を合算して本事業の予算額とした。
18:【いなもと和仁委員】
自己負担額は、無料のところから1,500円まで自治体によって差があると聞く。市町村への補助額はどうなっているのか。
19:【医療体制整備室担当課長(感染症対策)】
本事業は本年10月1日からの開始としており、各市町村には10月1日時点での自己負担額相当額を補助すると知らせている。
本年9月23日の調査では、自己負担額相当額を1,500円としているのは14市町村、そのほか1,300円や1,200円などそれぞれあるが、市町村が行う予防接種法に基づく定期接種事業であり、それぞれが要綱改正等を行い、本年10月1日時点で決定した額を補助対象とすることで了解を得ている。
20:【いなもと和仁委員】
ワクチンは計画生産であり、1年前に翌年の生産量を決める。卸売業者に聞いたところ、初回分は供給できたが、次回以降は未定とのことであった。こうした話を聞くと、ワクチンが不足するのではないかと危惧しているが、供給体制はどうなっているのか。
21:【医療体制整備室長】
本年度のインフルエンザワクチン製造量は全国で約6,356万人分とされており、昨年度の使用料と比較して約12パーセントの増加となっている。
県としてはワクチンの供給遅れや偏在が生じないよう、医薬品の卸売業者に対し、医療機関から注文を受けた全量を一括して納入するのではなく、適正に在庫を管理し、必要となる量を随時分割して納入する等の対応を要請している。また、ワクチン接種を行う医療機関には、公益社団法人愛知県医師会等の関係団体を通じて、必要以上に多量の発注を行わないことなどを通知している。
なお、現在のところワクチンの供給に遅れや不足が生じているとの情報は把握していないが、今後地域的な供給不足が明らかになった場合などには、必要に応じて医薬品の卸売業者に流通の調整を依頼する。
22:【いなもと和仁委員】
本事業の対象期間は本年10月1日からいつまで続くのか。
23:【医療体制整備室長】
事業の実施主体である市町村が実施期間をそれぞれ定めている。
本年度は、県内41市町村の中で最も早い接種開始日が10月1日であることから、補助事業の開始時期も10月1日からとしている。また、全ての市町村が来年1月31日までを接種期間としているため、同日までを対象期間としている。
24:【いなもと和仁委員】
大阪府知事がテレビ会見した2時間後にうがい薬が店頭からなくなった。トイレットペーパー、マスク等も品薄になった時期もある。インフルエンザワクチンの供給体制が整っていることをしっかりと広報してほしい。
25:【伊藤勝人委員】
重点医療機関患者受入体制確保推進費補助金について、約400億円と金額は非常に大きい。内訳を伺う。
26:【感染症対策課長】
入院協力医療機関40機関、重点医療機関30機関の確保病床数860、疑い協力医療機関33機関の疑い協力病床数190床にそれぞれ単価等を掛けて積算している。
27:【伊藤勝人委員】
本年6月定例議会にも予算が計上されていたが、計算すると、1病床当たり1年で1億円前後だと思うが、正しいか。
28:【感染症対策課長】
1日当たりの病床確保の単価は5万2,000円から30万1,000円であり、それに日数を掛けると委員指摘の数字になる。
29:【伊藤勝人委員】
今回の補正予算は、前回までの予算では不足するため新たに確保し、病床は埋まっても埋まっていなくても、1年間で1億円保証すると理解してよいか。
30:【感染症対策課長】
今回は県内医療機関の受入体制の強化、単価の見直し、病床数の増加による増額分を所要額として補正計上している。
31:【伊藤勝人委員】
一つの病床を1年間確保すると1億円かかると理解しておく。
新型コロナウイルス感染症専門病院は病院事業庁、感染症対策局のどちらが管理するのか。
32:【医療計画課長】
一般会計で知事部局の保健医療局が管理する。
33:《一般質問》
【鈴木雅博委員】
保健所の体制について伺う。新型コロナウイルス感染症の感染者の報告について、当初は、感染を確認した医療機関が手書きの発生届をファクシミリなどで保健所に送り、保健所が感染症サーベイランスシステム(NESID)に入力していた。
しかし、第一波時に保健所の業務が逼迫し、情報入力が滞ったことやファクシミリの通信情報がすぐに届かない問題もあり、本年5月に厚生労働省が新型コロナウイルス感染者等情報把握管理システム(HER-SYS)を稼働した。
HER-SYSはオンライン上で医療機関が入力でき、情報の一元化と保健所の業務負担を減らすために導入されたが、厚生労働省によると、感染者発生情報の医療機関の入力は41パーセントにとどまり、6割の自治体で保健所がほぼ全てを代行入力し、部分的な代行は95パーセントの自治体で行われていた。
本県の保健所における代行入力の状況はどうなっているのか。
34:【医療体制整備室長】
12か所の県保健所が医療機関から受理した本年7月から9月29日までの新型コロナウイルス感染症患者の発生届1,728件のうち1,101件、約64パーセントが保健所による代行入力である。
HER-SYSの利用により、便利になったとの意見もあり、医療機関のメリットも説明しながら、保健所の負担軽減に向けて入力の徹底を働きかけていく。
また、紙やファクシミリによる届出を続ける医療機関からは、入力項目が多い、煩雑だとの意見が多く寄せられていたことから、国は優先的な入力項目をさらに明確化し、入力の利便性を向上させるシステム改修を実施している。国から改修完了の連絡が届き次第、速やかに関係医療機関に周知し、改めて入力の徹底を働きかけていく。
35:【鈴木雅博委員】
医療機関とうまく役割分担できる体制を取ってほしい。
新型コロナウイルス感染症への対応により月100時間を超えて残業している職員は、県保健所全体で何人いるのか。
36:【医療計画課長】
時間外勤務が月100時間を超える職員数は、本年度4月は8人、5月、6月はゼロ、7月は2人、8月は13人である。
37:【鈴木雅博委員】
過労死ラインを超える残業が発生している原因は何か。
38:【医療計画課長】
原因は業務量の増大である。当初予定した定数配置を上回る業務量があり、特に8月が13人と大変深刻な事態となっている。
7月中旬から感染者数が拡大し、専門的な業務が発生している。まず、帰国者・接触者相談センターへの相談が非常に多くなり、その相談を受けて、帰国者・接触者外来の受診を調整する。検査を受ける場合は検体を搬送し、検査結果を通知する。さらに陽性者が出ると入院や入所の調整、自宅療養者のフォローアップ、積極的疫学調査、行動履歴の調査、濃厚接触者や家族への助言指導など専門的な業務が想定を超えて発生した。
39:【鈴木雅博委員】
市町村から保健師が派遣されているが、どのような状況か。
40:【医療計画課長】
感染が拡大した本年7月中旬以降、専門職の増員を図る必要がある中、市町村の保健師に8月17日から9月30日現在で延べ216人を応援で派遣してもらっている。
41:【鈴木雅博委員】
保健所職員の負担軽減が喫緊の課題であり、第二波を超える大きな波が来る前に外部委託や人員体制の整備など、保健所の体制強化を実施すべきだと考えるが、どのように考えるか。
42:【医療計画課長】
保健所職員の時間外勤務の削減は喫緊の課題である。
外部委託は、第一波のときに、各保健所に1人配置していた健康相談業務を業務委託し、第二波のときに内容を拡大し、多いところでは5人の相談員を外部委託している。また、第一波のときに保健所の大きな業務負担となった衛生研究所までの検体搬送を第二波の途中から全面的に業者委託に切り替えている。
人員体制は、市町村保健師の応援に加え、第一波のときから本年9月25日現在で延べ1,960人の保健所管内の県地方機関職員の応援があった。
また、次の感染拡大に備えて、臨時職員の増員による保健所職員の増員と夜間休日の電話相談業務の委託を検討している。
こういった取組を継続して、保健所の体制強化に努めていく。
43:【鈴木雅博委員】
専門的な知識を持った人が専門的な業務に集中できるように、第一波、第二波の経験を踏まえて着実に進めてほしい。また、保健医療局、感染症対策局の職員も同様に多くの時間外勤務があると聞く。第三波が発生した場合は、全庁的な協力体制を取ってほしい。
続いて、新型コロナウイルス感染症の影響による看護実習の現状について伺う。
看護の基礎教育における臨地実習は、知識・技術を実践の場で適用して、看護の理論を実践と結び付けて理解する能力を養う場として重要であるが、新型コロナウイルス感染症患者の入院を受け入れている病院では学生の受入れができなくなり、他の病院施設で当初の計画以上に学生を受け入れているケースもある。このため、受入れ病院には例年以上に多くの学生が集まり、1人の入院患者を複数の学生が受け持つなど現場は逼迫している。
また、学生の受入れ制限や実習時間の短縮、中止などの長期化も予想されることから、早急な対応が必要である。
そこで、新型コロナウイルス感染症の影響により、一部の病院や施設で看護実習が断られたり、実習期間が短縮されたりするなど、現場で経験を積む機会が失われている看護実習の問題に対する県の対応について伺う。
44:【医務課担当課長(看護・医療指導)】
新型コロナウイルス感染症の影響により、看護学生の実習、病院等での臨地実習の受入れが中止される事態が生じており、看護師等の養成所が対応に苦慮している。
こうした状況を受けて、厚生労働省からは、臨地実習が中止された場合でも、学内での実習等に置き換えて必要な単位を履修した場合には、看護師国家試験の受験資格が認められる旨が通知されている。そのため各養成所では、中止された臨地実習を学内実習に置き換え、シミュレーション機器や模擬患者などを用いた演習や学生同士による実技演習など、実践に近い状況を設定して、臨地での学習に相当する教育効果を上げられるよう進めている。
さらに本県では、本年6月補正予算で認められた看護師養成所臨地実習代替事業に基づき、患者型の多機能シミュレーターを各養成所に貸し出し、臨地実習で学ぶべき内容を学内実習で得られるよう支援している。
45:【鈴木雅博委員】
看護実習を受け入れる病院を増やすべきと考えるが、どのように考えるか。
46:【医務課担当課長(看護・医療指導)】
実習を受け入れる病院を増やすことは、大変重要である。看護実習を受け入れる病院は、厚生労働省が定めるガイドラインにより、看護部門の組織体制や看護業務の進め方の手順書などが明確にされており、また、都道府県が実施する臨地実習指導者講習会を受講した実習指導者を2人以上置くことが望ましいとされている。
本県では県の看護研修センターで臨地実習指導者講習会を実施しており、看護師等養成所が新たに実習病院を追加するときは、当該病院の看護師が講習会を受講できるようにしている。
47:【鈴木雅博委員】
看護師等養成所も医療機関での実習が制限されており、学内での対応を余儀なくされている。学内実習を充実させるためには、オンライン機器などの整備が必要である。また、急遽実習を受け入れる医療機関も人材不足により、担当者に過重な負担を強いているが、新型コロナウイルス感染症により財政的な余裕はない。
さらなる財政支援により実習教育環境の充実を図ることが急務と考えるが、どのように考えるか。
48:【医務課担当課長(看護・医療指導)】
本年9月補正予算において、自治体立及び学校法人立を除く看護師養成所に対し、遠隔授業を実施するために必要な備品購入費やビデオ会議ソフトウェアの使用料などへの補助金を計上し、学内実習にも活用できるよう支援を行う。
また、病院での臨地実習は、医療機関の実習教育環境で感染予防措置を取ることができれば、受入れが再開できると考えている。本年6月補正予算により、感染拡大防止対策等に要する費用の補助を行っており、レイアウトの変更など看護学生も使用する会議室等の修繕にも活用できるため、臨時実習の教育環境充実にもつながると考えている。
49:【鈴木雅博委員】
現場では厳しい状態が続いており、様々な問題が長期化することが予想される。看護実習が円滑に行われるよう関係者と連携を取り、対策を進めてほしい。
50:【富田昭雄委員】
国は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)上の新型コロナウイルスの位置づけの見直しを検討しているが、地方自治体では何が変わるのか。
51:【医療体制整備室長】
感染症法に基づく入院措置や疑似症患者の届出の見直しが進められている。
まず、保健所が行う入院措置は、全ての感染者を対象とするのではなく、高齢者や基礎疾患を有する重症化リスクのある者や、医学的に入院治療が必要な者に限定することや、また、医療機関が行う疑似症患者の届出は、感染を疑って検査を受けた者全てが対象となっているが、これを検査時点で入院対応となる者に限定することなどが議論されている。なお、確定患者は入院症例に限定せず、引き続き全数の届出対象となる。
国はインフルエンザの流行期を見据え、本年10月中に政令を改正することで、医療機関や保健所の負担を軽減し、重症者を重点的に治療できる体制を整備する考えを示している。
本県としては、国の動向を注視しながら情報収集に努め、運用見直しに対応していく。
52:【富田昭雄委員】
インフルエンザの流行と新型コロナウイルス感染症の第三波が重なった場合、どういう手順で対応するのか。今までどおり保健所へ電話するのか。
53:【医療体制整備室長】
現在、発熱などの症状から感染が疑われる者は保健所に設置する帰国者・接触者相談センターに電話相談した上で、帰国者・接触者外来を受診し、必要な場合は検査を受ける流れとなっている。
インフルエンザの流行期には発熱患者の増加が想定されるが、症状から新型コロナウイルス感染症と区別することは困難であるため、国の方針に基づき、多数の発熱患者等に対応できるよう帰国者・接触者相談センターを介することなく、かかりつけ医など地域の医療機関に相談、受診できる体制に変更する。
県としては、公益社団法人愛知県医師会と調整しながら、医療機関の早期指定に向けて準備を進めており、国が示す計画のとおり本年10月中に整備を完了する予定である。
また、新たな受診相談体制は、県民に周知を行い、適切な医療の提供につなげていく。
54:【富田昭雄委員】
どのように周知するのか。
55:【医療体制整備室担当課長(体制整備)】
記者発表を行うとともに、受診可能な医療機関のうち公表に同意する医療機関をホームページ等に掲載するなどして、広く知らせていく。
56:【富田昭雄委員】
しっかりと告知をして、周知徹底してほしい。
かかりつけ医がなく、保健所に連絡する人もいると思う。医療機関との連携がしっかりと図られるよう地区の医師会と調整できているのか。
57:【医療体制整備室担当課長(体制整備)】
かかりつけ医のある患者は、まずはかかりつけ医に相談し、当該医療機関で検査できれば、そちらを受診してもらう。検査ができない場合は、地区の医師会で情報を共有し、速やかに別の医療機関を紹介する体制をつくる。
また、かかりつけ医のない患者は、従来どおり保健所に相談すれば、医療機関を紹介できる体制を整える。
58:【富田昭雄委員】
新型コロナウイルス感染症専門病院が岡崎市に設置されるが、県内全域を網羅できないのではないか。また、最大100床の入院調整はどのようにしていくのか。
59:【医療計画課長】
患者は全県から受け入れる。岡崎市から遠い人もいるが、基本的には自家用車、病院や県機関の搬送により、入院してもらう。
入院調整は県の調整本部が集中して行い、医療機関や保健所と専門病院が直接やり取りすることは考えていない。
60:【富田昭雄委員】
搬送してもらえるのか。
61:【医療計画課長】
自家用車、医療機関同士の転院搬送、県機関による搬送、家族による搬送など、基本的には車で搬送することを考えている。
62:【富田昭雄委員】
地域の大学病院等は重症者を集中的に受け持ってもらい、この専門病院は高齢者と中等者を受け持つという考え方でよいか。
63:【医療計画課長】
そのとおりである。
64:【富田昭雄委員】
他の医療機関の負担軽減が図れるようスムーズな運営体制を整えてほしい。
65:【石井芳樹委員】
高齢者健康福祉計画について質問する。この計画は3年に1回見直しを行っており、現在8期目の計画を策定していくところであるが、現在、本県の要介護者数は何人いるのか。
66:【高齢福祉課長】
本年7月末時点で、要介護認定を受けている65歳以上の高齢者は31万4,021人であり、65歳以上の人口に占める割合は16.7パーセントである。
67:【石井芳樹委員】
増加の推移について、3年前、6年前と比較し、どのように推移しているのか。
68:【高齢福祉課長】
2018年3月は29万3,785人、65歳以上の人口に占める割合は16パーセントであり、2016年3月は27万9,743人、65歳以上の人口に占める割合は15.7パーセントである。
69:【石井芳樹委員】
核家族化や長寿命化等による社会情勢の変化によって、単身や夫婦のみの高齢者世帯数が増加している。我が国の高齢者向け住宅は欧米に比べて少ないとされ、政府はそれに対応するべく2011年にサービス付き高齢者向け住宅制度を創設し、高齢者人口の約3パーセントから5パーセントを目標に高齢者向け住宅の供給を続けてきた。
本県の第7期高齢者健康福祉計画を見ると、施設サービスの整備はほぼ目標値に達しているが、高齢者数のピークは2040年に迎えるとされていることから、先を見据えて今後の需給を考えていく必要がある。
こうした中、本年7月、特別養護老人ホームの待機者数が発表された。結果は3年前の調査に比べて待機者が4割も減少している。4割減った原因を伺う。
70:【高齢福祉課長】
高齢者健康福祉計画の策定に合わせて3年ごとに待機者数の調査を行っている。前回調査は2017年に実施し、待機者数は7,339人であった。
一方、第7期計画の策定過程において、検討委員から実態に即していないとの意見があり、他県の調査方法等も検討した結果、今回、調査方法を改めた。
2017年度までは県内の特別養護老人ホームの待機者名簿を集計し、重複する人を省く作業を行っていたが、今回は市町村の協力も得ながら、施設の回答名簿から死亡者、他施設への入所者を抜く作業を加えた結果、4,467人となった。減った部分は、死亡者や他施設への入所者の整理が十分でなかった部分だと認識している。
71:【石井芳樹委員】
実待機者を把握することは施設サービスの整備計画を立てる上で重要だが、なぜ今までその作業を実施しなかったのか。
72:【高齢福祉課長】
いわゆる待機者リストは特別養護老人ホームそれぞれで作成している。県では、待機者リストの作成に当たり、特別養護老人ホーム標準入所指針の中で、新たに欠員が生じ、入所者を選ぶ際には、名簿の更新を依頼している。
第7期計画の策定時に検討委員から指摘があり、施設に確認したところ、十分な整理がされてこなかったことが判明したため、今回、市町村の協力も得ながら精査した。
73:【石井芳樹委員】
そうであれば、整備計画も変更する必要がある。その整備計画に基づいて市町村、業者は施設を整備していく。4割減ったことにより、施設整備が過剰になる可能性もあるが、どう考えるか。
74:【高齢福祉課長】
整備目標は、高齢者数の伸び、施設入所者、待機者数、在宅サービスの利用者数、介護老人保健施設など他施設への入所者数等を複合的に勘案し、まずは市町村で計画を作成し、市町村の計画をベースに、圏域の数値目標を定めている。必ずしも待機者数イコール整備計画ではないことから、整備目標自体の見直しは行っていない。
75:【石井芳樹委員】
県がしっかりとした目標値を定めなければいけない。名簿の重複や死亡者を抜くのは、それほど難しいことではないと思う。
第7期計画の特別養護老人ホームの整備目標は、広域型、地域密着型を合わせて1,818床となっており、計画どおりに整備が進んだとすると、減少した待機者との間に約1,000床の開きがある。実際に第7期計画では、特別養護老人ホームはどのくらい整備されたのか。
76:【高齢福祉課長】
昨年度の整備目標2万6,046床に対して、整備見込みは2万6,061床である。
77:【石井芳樹委員】
各市町村を見ると、瀬戸市、安城市では、各市が施設整備の公募を行ったが不調に終わり、再公募も不調に終わっている。それらの理由は何か。
78:【高齢福祉課長】
安城市は2018年8月に公募を行い、二つの業者から申出があったが、選定された業者が建設費の高騰による資金面の困難から昨年11月に辞退している。その後、本年4月に再公募をしたが応募がなかったとのことである。
瀬戸市は特別養護老人ホームの整備に加えて、24時間対応の訪問介護看護事業所の併設を前提として昨年4月に公募を行っている。二つの業者から応募があったが、市の業者選定委員会で提案が現実的ではないと評価され、事業採択には至らなかったと聞いている。さらに、本年2月に再公募を行ったが、選考過程の中で合致する業者がいなかったとのことである。
79:【石井芳樹委員】
県が施設サービスの整備枠の総量を定めているが、各市町村の事情を第8期計画にどのように反映させていくのか。
80:【高齢福祉課長】
今月から市町村ヒアリングを始める。このヒアリングで、市町村の整備目標を確認し、最終的には老人福祉圏域ごとの整備目標をつくっていく。
81:【石井芳樹委員】
市町村ヒアリングをしっかりやってもらいたい。
埼玉県議会では2年前、人材不足により702床の空きベッドがあるにもかかわらず、施設の整備を進めることは認められないとして、施設整備の予算が凍結された。本県では、人材不足により稼働していないベッドはどれくらいあるのか。
82:【高齢福祉課担当課長(高齢者福祉)】
人材不足による空きベッドの状況は把握していないが、特別養護老人ホームの定員に対する利用率は、本年4月1日現在で94.4パーセントである。
83:【石井芳樹委員】
空き状況も踏まえて、第8期計画に反映してほしい。
国は高齢者向け住宅を増やすために、施設型に在宅型を取り入れた住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の整備を進めてきた。
特別養護老人ホームは厚生労働省の管轄で、サービス付き高齢者向け住宅は国土交通省の管轄である。特別養護老人ホームは、総量規制があるが、サービス付き高齢者向け住宅は税制優遇や補助金措置もある中で整備できる。サービス付き高齢者向け住宅の過去3年ごとの整備状況はどの程度か。
84:【高齢福祉課長】
サービス付き高齢者向け住宅は戸数で統計があり、2015年は7,208戸、2018年は9,298戸、本年4月1日は1万324戸である。
85:【石井芳樹委員】
全体の割合は分かるか。
86:【高齢福祉課長】
要介護認定者数約30万人に対して約1万戸であり、割合としては約3パーセントになる。
87:【石井芳樹委員】
事業者にとって、サービス付き高齢者向け住宅は参入しやすく、今後、特別養護老人ホームから切り替えていく可能性が高い。第8期計画は人材確保、県と基礎自治体の関係、住宅型有料老人ホーム等の整備状況も勘案して策定しなければならない。
88:【高齢福祉課長】
都道府県介護保険事業支援計画の策定に当たっては、サービス付き高齢者向け住宅に加えて、住宅型の有料老人ホームも勘案することが、国の基本指針で示されている。
市町村が介護保険事業支援計画をつくるに当たり、県でサービス付き高齢者向け住宅、有料老人ホームの入居者数、入居者の介護度などの情報を調査し、調査結果を市町村にフィードバックする。
89:【石井芳樹委員】
高齢者の数はまだまだ増えていき、国の施策も変わっていく。その中で臨機応変に対応していかなければならない。計画を見直すことも必要であり、介護保険制度ができたときから、皆が施設に入れるのは権利だと思っている。皆が入れる施設整備計画を立ててほしい。
90:【高橋正子委員】
新型コロナウイルス感染症拡大を受けて、全国的に医療従事者の確保が急務になっているが、特に看護師不足は深刻で、医療崩壊にもつながりかねない大きな課題となっている。
本県でも、第一波到来時の本年4月、大村知事が会見で、資格を持ちながらも職場を離れている潜在看護師に復帰を呼びかけた。第一波のピークから半年がたったが、復帰を呼びかけた潜在看護師の現状を伺う。まず、本県の潜在看護師の数と、正規雇用の看護師の離職率と離職理由を伺う。
91:【医務課担当課長(看護・医療指導)】
平成30年の保健師等従事者届によると、県内には7万9,846人の看護職員が従事している。看護職員とは、保健師、助産師、看護師、准看護師を加えたものであるが、業務従事者届を提出した人数しか把握できておらず、潜在看護師の正確な数を把握することは困難な状況である。なお、平成24年度に行われた厚生労働省の調査研究において、全国で69万9,566人の潜在看護職員がいると推計されている。
次に離職率について、公益社団法人日本看護協会の平成30年度病院看護実態調査によると、県内の常勤看護職員の離職率は12パーセントである。主な退職理由は、妊娠、出産、子育てなどの個人の事情に関するものや、勤務時間の長さや夜勤などの職場環境に関するものが挙げられる。
92:【高橋正子委員】
続けられるものなら続けたいと思いながら離職した人も多いと思う。
復帰の呼びかけにより、どのくらいの応募があって、復帰した看護師はどのくらいいるのか。
93:【医務課担当課長(看護・医療指導)】
潜在看護職員に復帰を呼びかけた本年4月は、愛知県ナースセンターへの新規求職登録者数が前月の84人から187人へ倍増している。
潜在看護職員だけでなく転職者も含むが、本年4月から8月までの就職者数は522人である。なお、新型コロナウイルス感染症の軽症者宿泊施設への勤務は、ナースセンターを介して、本年4月以降151人が求職登録を行い、延べ70人が採用されている。
94:【高橋正子委員】
復帰した看護師の活躍の場は、具体的にどのようなものがあるのか。
95:【医務課担当課長(看護・医療指導)】
昨年度に再就職者の調査を行ったところ、全体の約半数が病院以外の診療所や介護保険施設などへ就職しており、幅広い分野で活躍している。
96:【高橋正子委員】
一時的に復帰し、その後も看護師を続けている人はどのくらいいるのか。また、県として、離職看護師が復帰しやすい取組も必要だと思うが、復職のサポートはどういうものがあるのか。
97:【医務課担当課長(看護・医療指導)】
潜在看護師が何人就職したかは把握していないが、新型コロナウイルス感染症の軽症者宿泊施設に従事した看護職員に愛知県ナースセンターから連絡を取ったところ、それをきっかけに別の医療機関で就職が決まった事例が複数あるとのことであった。
復帰に不安を持つ者には、県内3か所のナースセンターで、看護職の相談員が電話やメール及び面接による看護の就業相談を行っている。また、県の看護研修センターで講義や現場実習による看護職カムバック研修を実施している。さらに、平成27年度から全国で看護職員が離職するときに、氏名、住所、免許番号などを地域のナースセンターに届け出る制度が始まっており、届出者にナースセンターが実施する研修会や交流会などを案内している。
今後も、制度の周知により、離職看護職員の状況把握に努めるとともに、カムバックを希望する看護職員が1人でも多く復帰できるよう、ナースセンターと連携し取り組んでいく。
98:【高橋正子委員】
看護師になる人は強い使命感を持った人が多い。医療現場が逼迫する中、第一線から退いたが、何か役に立てることがあればと思っている人もいる。
今回、復帰を呼びかけ、一歩踏み出した人が第一線で活躍できる仕組みづくりや環境整備に努めてほしい。
99:【筒井タカヤ委員】
あいち健康の森健康科学センターあいち健康プラザにPCR検査所を設置し、ドライブスルー方式による検体採取を実施しているが、県は地元自治体や公益社団法人愛知県医師会と協議し、了解を得て実施したのか伺う。
100:【生活衛生課長】
事前に大府市、東浦町及び公益社団法人愛知県医師会に設置の説明を行い、理解を得ている。
101:【筒井タカヤ委員】
1日のPCR検査が一桁及びゼロも多いと聞くが、本当なのか。
102:【生活衛生課長】
あいち健康プラザでのPCR検査実施状況は、本年8月20日から9月末現在までの28日間で、107件の唾液採取を行っている。これまでの1日当たりの最大は13件で、感染状況が落ち着いてきたこともあり、平均すると1日当たり4件弱である。なお、検体採取がゼロ件だったのは、9月24日の1日のみである。
103:【筒井タカヤ委員】
事前想定では、PCR検査をどれくらい行う予定だったのか。
現在は検査対象者が少ない状況にあるが、今後も引き続き施設の利用を中止した上で、検査所を運営していくのか。
104:【生活衛生課長】
開設当初の感染拡大状況から秋頃までに1日200件、最終的には1日500件程度の検体採取を想定しスタートしていることもあり、全館臨時休館により対応している。
現在、検査対象者は少人数であるが、今後の感染拡大状況は見通しづらい状況であり、現時点では当初の予定どおり、1日500件程度の検体採取が可能な体制を確保する必要があると考えている。
105:【筒井タカヤ委員】
大村知事が定例記者会見でマスコミ記者団の質問に答えた結果、名古屋港湾施設内の元イタリア村跡地でPCR検査を行うと報道された。
元イタリア村跡地は、名古屋市港区内ではあるが、名古屋港港湾事業区域である。2年に1回ずつ、知事と名古屋市長が交代制で港湾管理者となるが、本年は知事が管理者であることから、名古屋市港区でもPCR検査は知事権限、港湾管理者権限で決定できると判断したと想像する。
記者会見では、質問に対して、ガーデン埠頭も候補地の一つであると答えているだけであり、正式に決定したと発表したわけではないとの声もある。新聞記事には、方針を固めた、調整を始めたなどの表現はあるものの、地元住民や県民にとっては、決定事項と受け取られかねない配慮に欠けた発言であった。
元イタリア村跡地でのPCR検査の実施を本当に実現しようとするならば、県として正式に、名古屋市、一般社団法人名古屋市医師会、名古屋港港湾事業者、企業、地元住民に対して事前提案、協議がなされ、理解協力を得た上でなければ実施することは不可能だと思う。こうした段階を踏むことなく新聞報道が先行する形で地元関係者に情報が伝わり、結果として名古屋市港区の住民、港湾事業者、企業、地元医師会も反対を表明して、混乱が生じたことは事実である。
県はその後、港区長、地元区政協力委員会委員長や名古屋港運協会会長などに対して、先行報道により迷惑と心配をかけたことを謝罪し、事態の収拾を図るため苦労している。
そもそも、名古屋市内における感染症対策は、感染症法上も名古屋市自らがその対策を講ずることと規定されており、名古屋港管理組合の管理者であることを理由に市政に干渉することは疑問がある。名古屋市内でこうした施設を開設するのであれば、名古屋市にやらせるべきである。
PCR検査所の設置を進めるにしても、全てを白紙にして出直すと表明すべきだと思うが、今後のPCR検査所の設置について県はどのように考えているのか。
106:【生活衛生課長】
季節性インフルエンザの流行も考慮した検査体制の確保は喫緊の課題である。これまでの県内の感染者数を見れば、その多くは名古屋市内で発生しており、第三波に備えるためにも、名古屋市またはその周辺に、ある程度の規模の検査所が必要と考えている。
名古屋市は政令指定都市であるため、しっかりと調整を図りながら、引き続き幅広に検討していく。また、実施に当たっては、地元への事前説明等により、十分に理解を得た上で、慎重に対応していく。
107:【筒井タカヤ委員】
河村名古屋市長は本年9月28日の定例会見で、本年10月1日から名古屋市守山区の名古屋市衛生研究所で新しいPCR検査機の導入を発表した。これまでは、1日当たり80件の検査しかできなかったが、新機種は1日当たり200件に向上し、1日当たり280件となった。名古屋市全体の検査能力も1,000件から1,200件に向上すると表明している。
こうなると、名古屋市港区の元イタリア村のPCR検査所の設置を急ぐ必要はあまりなく、政令都市である名古屋市に全面的にPCR検査を任せるべきである。
今回の名古屋市港区の元イタリア村跡地でのPCR検査は白紙に戻し、仕切り直すべきである。また、今後、県内のどこに設置するにしても、地元関係者、周辺住民の混乱がないよう十分に配慮し、理解と協力を得た上で実施してほしい。
次に、高齢者施設のPCR検査の助成について伺う。
本定例議会の本会議で、老人福祉施設で働く介護職員やホームヘルパーなど、介護人材が県内で6,000人不足しているとの推計が明らかになった。介護職は低賃金や重労働といったイメージから慢性的な人材不足が続いており、県も人材確保の取組を進めていると述べているが、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者を迎える2025年に向けて、介護人材の需要はさらに高まる。県は無料の職業紹介所や再就職支援、介護職のイメージ向上を図るイベントを開催し、さらに、インドネシアやフィリピン、ベトナム等の外国人介護人材の受入れも進めるとしている。
こうした中、高齢者施設でも、新型コロナウイルスの感染が数多く発生し、免疫力が弱い入所者は、施設内の集団感染により、重篤者となり、死亡者も急増したことが連日報道された。現在では消毒、清掃も徹底され、以前のような感染拡大は阻止されているが、高齢者施設の感染は発生している。
名古屋市は高齢者施設で感染が発生した場合、患者及び患者との濃厚接触者である介護者のPCR検査は無料であるが、それ以外の職員のPCR検査費用のうち1万円を助成すると報道があった。これは、名古屋市内の施設が対象であって、それ以外の県内市町村の高齢者施設で働く職員に対する助成はない。
そこで、名古屋市のこのような対応を県はどう理解しているのか。県も名古屋市と同様の対応とするよう財政当局へ予算要求すべきと考えるが、どのように考えるか。
108:【高齢福祉課長】
名古屋市の高齢者施設に対するPCR検査の補助は、名古屋市として高齢者施設の現状を踏まえて対応するものである。
県としては、本年5月臨時議会で補正予算として計上した介護サービス確保対策事業費補助金において、利用者や職員に感染者が発生した事業所を対象に、新型コロナウイルス感染症に対策を講じながら、サービスを継続した場合のかかり増し経費に対して補助している。このかかり増し経費は、施設の消毒や清掃費用、マスク等の衛生用品の購入費用に加えて、事業継続に必要なPCR検査の受検費用も補助対象である。なお、この補助事業は、県、名古屋市、中核市がそれぞれ実施主体になるため、名古屋市内の施設は、名古屋市に申請してもらい、名古屋市の事業となる。
予算要求の考え方としては、これまで感染の拡大防止、感染予防の観点から本年4月、5月、6月の各議会において、それぞれ補正予算を計上し、高齢者施設に配付するマスク、消毒液等の衛生用品の購入費用、かかり増し経費に対する助成、施設に勤務する職員への慰労金など様々な対策について措置を講じてきている。
今後も、既存事業との整合性を図りつつ、必要な施策について対応を検討していきたい。
109:【筒井タカヤ委員】
名古屋市や中核都市もそれぞれで事業を実施する場合は、二重でもらえることはないか。
110:【高齢福祉課長】
それぞれで補助対象とした場合に、二重で補助することはない。
111:【筒井タカヤ委員】
高齢者施設で感染が発生した場合、濃厚接触者と認められない職員でも、感染不安を放置できず、また、介護職員に辞められたら困ることもあり、施設長や理事長がPCR検査費を負担しているところもある。PCR検査費を負担しないところは人員の流出もあると聞く。
このような現状を少しでも改善するため、高齢者施設での濃厚接触者以外の職員のPCR検査費について県負担を急ぐべきと考えるが、どうか。
112:【高齢福祉課長】
高齢者が新型コロナウイルスに感染すると非常に重症化しやすく、高齢者施設でクラスターが発生した場合は、影響が大きい。そのため高齢者施設で感染者が発生した場合は、施設内の感染拡大を最小限で食い止めることが必要となっており、保健所では濃厚接触者に限らずより幅広な検査対象を特定して、PCR検査が実施されている。
こうした取扱いは、本年8月7日付けの国の事務連絡で示されている。
高齢福祉課としては、感染拡大を食い止め、クラスターの発生を防ぐためには、引き続き職員や利用者を幅広に検査対象として捉え、迅速な行政検査を行うことが重要と考えている。このため、感染症の発生報告があった場合は、施設、市町村、保健所と情報共有をして迅速な検査ができるよう対応している。また、施設が負担するPCR検査費用は、介護サービス確保対策事業費補助金を活用することが可能である。
名古屋市の取組は、今後、制度の詳細が決まるため、しっかりと情報収集をして、既存事業も含めて、必要な施策を検討していく。
113:【筒井タカヤ委員】
次に、がんセンターについて伺う。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、一般の総合病院などは感染症患者の受入れ対応のため、手術の延期や患者の受入れを控えてきたという報道が出ているが、がんセンターはがんを専門とする病院であるため、その影響により患者が集中しているのではないかと心配している。
コロナ禍における患者の受入れは、どのような影響を受けているか。
114:【管理課長】
がんセンターの患者の状況は、例年に比べて少ない傾向にある。本年4月から8月までの延べ患者数を昨年同期間と比較すると、入院が5万8,313人から5万1,297人となり、12パーセントの減少、外来は6万1,070人から5万7,044人と、6.6パーセントの減少となっている。また、手術件数は1,454件から1,306件と、10.2パーセントの減少となっている。これは、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、県民の健康診断やがん検診を受ける機会が延期されたことが影響していると考えている。
115:【筒井タカヤ委員】
健康診断やがん検診が大きく減少したと聞く。健康診断、がん検診の現状はどのようになっているのか。
116:【管理課長】
本年4月に厚生労働省が本県に対して、新型コロナウイルス感染症の感染状況が拡大傾向にある地域においては、集団で実施する各種検診は、原則延期することを関連市町村へ周知するよう事務連絡があった。
また、公益財団法人日本対がん協会が行った調査によるがん検診の状況は、本年4月から7月までの受診者は昨年同期間と比較すると63.3パーセントの減少と聞いている。
がんセンターでは、昨年度の新来患者の98パーセントが医療機関等からの紹介である。本年4月から8月までの紹介患者数を昨年の同期間と比較すると、3,858人から3,042人となり、21.2パーセントの減少となっている。そのうち、特に健診センターからの紹介は1,378人から1,040人と、24.5パーセント減少している。
117:【筒井タカヤ委員】
本年のがん死亡者予測は約38万人と言われており、がんは命に直結する病気である。健診をためらうことでがんの発見が遅れ、大切な命が失われることがあってはならない。
先日、がんセンターの看護師が新型コロナウイルス感染症に感染したとの発表があった。医師や看護師、患者の受入れ体制に支障はなかったか。
118:【管理課長】
がんセンターでは新型コロナウイルス感染症対策として、全職員に対し、出勤前の体温測定、マスクの装着や手指衛生の徹底、飲食時の会話制限、首都圏など流行地域への移動の原則禁止などを図っている。
本年7月31日に感染が判明し、8月1日に発表した今回のケースは、幸い当該看護師以外の感染者はなく、濃厚接触者も特定することができたため、外来の制限や病棟の閉鎖などの対応は必要なかった。
119:【筒井タカヤ委員】
感染対策には万全を期していると思うが、それでも、職員の感染が発生した。がんセンターには、免疫機能の低下した患者が多く受診するため、受付や診察、会計など、患者が集まって密になることがないよう事前に時間をコントロールできないか。
120:【管理課長】
がんセンターは予約診療制であり、基本的には、受付、診察、検査の時間はコントロールされている。しかし、実際にはそれぞれの患者の状況などによって、予定より時間がかかってしまい、患者が滞留することもある。このため、密を避けるための対策として、待合の椅子の間隔を取るようにしている。また、並ぶときには間隔を空けた立ち位置が分かるように床にラインを示しており、患者が密にならないよう感染対策に努めている。
121:【筒井タカヤ委員】
がんセンターはがん専門医療において県民からの期待も多く寄せられている。一層の患者サービスの向上のため、早急に旧看護宿舎を取り壊し駐車場等に活用すべきではないか。
122:【経営課長】
旧看護宿舎は現在使用しておらず、現段階では、今後も使用することは考えていない。将来的に使用しない施設は、修繕等の対象とはせず、いずれ取り壊すことになると考えている。最終的には、旧看護宿舎もがんセンターの施設の一部であり、年度末までに策定する長寿命化計画の中で整理していく。
123:【筒井タカヤ委員】
がんセンターは診療内容や施設を充実させることで、広く県民から信頼されており、多くの患者が外来診療にも来ている。そのため、週の初めは特に駐車場が大混雑している。患者サービス向上の観点からも、駐車場を早急に確保すべきである。財政当局としっかり話し合い、めどを立てて、旧看護宿舎の取壊しを早めてもらいたい。
新型コロナウイルス感染症が広がっている中で、地域の医療機関で受診者が急減していることに驚きを覚える。医療機関を受診することで新型コロナウイルスに感染するのではないかという過剰反応がある。
このような事態に対してどのような取組を行っているのか。
124:【医務課長】
国は新聞やインターネットによる政府広報等により、新型コロナウイルス感染症が発生している状況でも、必要な受診をするよう呼びかけており、本県でも国の活動に併せて、ウェブページにより必要な受診をしてもらうよう知らせている。過度な受診控えは健康上のリスクを高める可能性があり、今後も県民に必要な受診をしてもらうよう周知していく。
125:【筒井タカヤ委員】
新型コロナウイルス感染予防のため、がん検診の受診者が減少しているとの情報がある。がん検診受診者の減少は、早期診断、早期発見、早期治療が不可欠であることを考えると、来年度以降も含めたがん死亡者の急増につながる可能性が高くなる。がん検診の受診奨励は大変重要であり、政府もテレビコマーシャルを活用したがん検診の受診奨励を実施している。こうした状況の中で、県は今後どのようにがん検診を啓発していくのか。
126:【健康対策課長】
がん検診は主に市町村が中心となって実施している。がん検診はがんの早期発見に大変有用であり、不要不急ではないため、市町村に対して受診者が安心して受診できるよう、換気や消毒などの感染防止対策をしっかり行い、延期の措置を取る場合には、別に検診の機会を設けるよう周知している。
先月、市町村に調査したところ、がん検診の開始時期を延期した市町村は41であったが、現在は全ての市町村で実施されている。また、検診期間を延長するなどして、対象者が受診できるよう対応が取られている。
県は、受診促進に向けてポスターを作成、配付するなど、受診率の向上に向けた取組を実施している。また、本年10月1日には乳がんの啓発活動を行うピンクリボン運動の団体によりテレビ塔のライトアップが行われ、青山副知事が出席し、検診の受診に向けた啓発を行った。
今後は、安心して受診できることを、地域住民にしっかりとアピールしていくよう市町村に働きかけるとともに、県のウェブページを活用して、県民に対する受診勧奨を図っていく。
127:【筒井タカヤ委員】
各病院での医療用マスク、ガウン、手袋、フェースシールド等の不足が大問題となった。医師や看護師等の医療従事者に対する医療物資の問題は解決されたのか。
128:【生活衛生部長兼医薬安全課長】
新型コロナウイルス感染症対策に係る医療物資は、サージカルマスクやフェースシールド、手袋などの個人防護具の確保に全庁を挙げて取り組み、医療機関などの要望に沿って配付してきた。
この冬のインフルエンザ流行期に向けて、国が発熱患者の診断を行う医療機関に対して、必要な個人防護具を確保することになっている。それに加えて県内の医療機関で不足が生じることがないように、必要数の把握や円滑な情報提供について、国や関係機関と綿密に連携して適切に対応していく。
129:【筒井タカヤ委員】
医療用マスク、ガウン、手袋、フェースシールドの問題が大きく取り沙汰された。前回を参考に、在庫の確保やどのように配付していくのかも含めて、準備してほしい。
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