県政報告
(主な質疑)
- 《議案関係》1:【中村竜彦委員】
第125号議案愛知県風俗案内所規制条例の一部改正について伺う。
まず、風俗案内所は県内に何店舗あるのか。
- 2:【保安課長】
一般に風俗案内所と言われるものは、当県では、愛知県風俗案内所規制条例により特定風俗案内業と定義され、公安委員会への届出が必要で、本年8月末現在、21店舗の届出がある。
- 3:【中村竜彦委員】
豊橋市にも風俗案内所があるが、風俗案内所はどのような地域で営業しているのか。
- 4:【保安課長】
風俗案内所は、条例で営業可能な地域が定められており、キャバレーやキャバクラ等の接待風俗営業の営業可能地域と同一の地域で営業ができることとなっており、具体的には、名古屋市中区内11店舗、中村区内6店舗、豊橋市内2店舗、豊田市内及び岡崎市内各1店舗が営業しており、それぞれの繁華街に店舗がある。
- 5:【中村竜彦委員】
次に、風俗案内所は、現在、どのように営業しているのか伺う。
- 6:【保安課長】
風俗案内所は、キャバレーやキャバクラ等の接待風俗営業を案内するための店舗で、不特定多数の者が出入りする。具体的な営業方法は、風俗案内所に接待風俗営業を紹介するパネルを展示したり、情報を閲覧できるパソコンを設置したりして、利用者に対し無料で情報提供を行っている。
- 7:【中村竜彦委員】
今回の条例改正は、その欠格事由の部分で、「成年被後見人若しくは被保佐人」という部分を、「心身の故障により特定風俗案内業を適正に行うことができない者として、公安委員会が規則で定める者」と変更される。
この公安委員会の規則も改正する必要があると思うが、それはどのようになるのか。
- 8:【保安課長】
本条例と同様に、風俗営業等の規則及び業務の適正化等に関する法律(風営適正化法)にも、欠格事由に該当する条項で成年被後見人等の規定があり、新たに国家公安委員会規則で定める者と規定されるなどの改正が行われている。
そのため、国家公安委員会規則の改正案が意見公募手続制度により示され、その内容は、精神機能の障害により風俗営業の業務を適正に実施するに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者などとなっている。
そこで、本条例は、風営適正化法で規制する対象と密接な関係があることから、公安委員会規則については、改正風営適正化法に基づき改正される予定の国家公安委員会規則と同様の内容とする予定である。
- 9:《一般質問》
【長江正成委員】
交通死亡事故抑止対策について伺う。
県内における交通取り締まりの総件数は、平成21年中が55万1,730件余りで、昨年中が42万960件余りとなっており、13万770件減少しているが、この背景と今後の取り締まりの方針について伺う。
- 10:【交通指導課長】
県内における交通指導取り締まりの検挙件数は減少傾向にあるが、その背景としては、平成25年12月に警察庁が設置した有識者会議である交通事故抑止に資する取締り・速度規制等の在り方に関する懇談会において提言が取りまとめられ、交通指導取り締まり等のあり方についての方向性が示されたことが契機となっている。
この懇談会は、最高速度違反を初めとする交通違反の取り締まりが交通事故抑止のために行われるものであるにもかかわらず、取り締まり場所の固定化など、交通事故抑止に効果のある取り締まりになっていないのではないか、との指摘を踏まえて設置された。その提言のうち、取り締まりに関するものとしては、過去の交通事故の分析結果に基づき取り締まりの場所や時間帯を選定し、これらを定期的に見直す必要があることや、国民に対して取り締まりの必要性や効果を示すとともに、個別の取り締まりについて重点的に行う路線や時間帯を明らかにする必要があることなどが示された。
県警察では、この提言を踏まえ、地域の交通実態や交通事故の発生状況等の分析結果に基づく交通指導取り締まりを推進するとともに、取り締まりを行う必要性や重点的に行う場所、時間帯、違反種別等の情報を県民に広く発信し、ドライバーの交通安全意識の高揚を図ってきた。
さらに、平成27年11月から交通事故分析システムを導入し、交通事故の発生実態と交通指導、取り締まり等の街頭活動の実施状況を地図上で重ねて表示して検証することで、より効果的な交通指導取り締まりを推進している。
こうしたことを背景として、総検挙件数は減少傾向にあるものと認識しているが、近年の交通事故死者数の減少傾向は、現在の取り締まりのあり方もその一翼を担っていると考えられるので、今後も引き続き、交通事故の発生実態に即した交通指導取り締まりと、県民に対する情報発信を推進していく。
- 11:【長江正成委員】
先月、事故鑑定人と称する人が、事故多発交差点で、なぜ事故が多発するのかを解説しているテレビ番組を見た。そこで気がついた点は、交通事故の防止には、道路交通環境を改良、整備することが非常に重要であるということである。
交通事故分析の結果を道路管理者と情報共有し、連携して道路交通環境を改善することが大変効果的と考えるが、県警察の取り組みについて伺う。
- 12:【交通規制課長】
交通事故分析の結果は、警察内部での活用にとどまらず道路管理者等の関係機関とも共有しながら幅広く活用することが重要であると認識している。
県警察では、出会い頭や横断中等の交通事故が多発している交差点で、道路管理者と連携した集中的な対策等を講じるACT─45という取り組みを推進している。
この取り組みでは、各警察署が交差点における交通事故の発生実態を分析し、その結果を道路管理者と共有して協議を行う。例えば、右左折車両が横断者をはねる事故が多発している交差点では、速度を抑制するためのポストコーンを交差点内に設置したり、信号機の歩車分離化を行うなど、交通実態に応じた対策を講じている。
また、道路管理者に対し、県内で発生した各人身交通事故の発生日時や場所、事故類型、道路形状等のデータを提供し、分析の基礎データとしての活用を依頼している。このほか、交通死亡事故等が発生した場合には、速やかに道路管理者とともに現場点検を実施して問題意識を共有し、相互に連携して再発防止に向けた取り組みを推進している。
さらに、道路の新設等の際には、道路法の規定に基づき、道路管理者は都道府県公安委員会の意見を聞くこととされている。これを受け公安委員会では、安全性の高い道路線形とすることや、防護柵、街路灯といった安全施設を設置することなど、交通安全上の意見を述べているが、先ほどのACT─45における安全対策のように、交通事故分析の結果やそれに基づき講じられたさまざまな安全対策の知見を最大限に生かしつつ、今後も道路管理者と連携して、より安全な道路交通環境の構築に努めていく。
- 13:【長江正成委員】
ハード対策につながる交通事故分析結果は、確実に道路管理者と共有をしてもらいたい。
また、事故が起きた際の分析結果を、道路等の新設時の検証要素に加え、さらに効果的な協議、事故の分析となるようお願いする。
- 14:【石井芳樹委員】
本県は16年間、交通事故死者数が全国ワーストであり、交通安全対策はまさに焦眉の急としてしっかりと行っていかなければならない。
そして、5年前に愛知県交通安全条例を定め、県民の責務や取り組み、事業者の責務や取り組みを決めながら、お互いを意識して交通事故をなくそうとして進めてきた。
その一方で、全国的に、高齢者が事故を引き起こして運転免許証の返納をする動きもふえ、高齢者も自転車に乗ることが多くなっている。
報道では、本県は10月が特に自転車事故が上位に当たると聞いているが、県内における自転車の交通事故の発生状況について伺う。
- 15:【交通総務課長】
本年8月末現在の県内の自転車利用者の交通事故死者数は17人で、全死者数の18.7パーセントを占め、前年同期に比べて7人減少しているが、過去3年間の推移をみると、平成28年中が29人、平成29年中が35人、昨年中が36人と増加傾向にある。
また、全死者数に占める構成率では、平成28年中が13.7パーセント、平成29年中が17.5パーセント、昨年中が19.0パーセントと上昇傾向にある。
さらに、全死者数に占める構成率は全国平均を上回っており、平成28年中は0.7ポイント差であったものが、平成29年中は4.5ポイント差、昨年中は6.2ポイント差と、その差が拡大している状況にある。
- 16:【石井芳樹委員】
車やバイクは、運転免許証を取得するために交通ルールを勉強するが、自転車は、乗れるようになれば誰でも運転ができるため、ルールを知らないまま乗っている人も多い。
例えば、傘を差しながら自転車を運転することは5万円以下の罰金、いわゆるながらスマホは、車では取り締まりが強化されているが、自転車は5万円以下の罰金になっている。学生を含め、よくヘッドホンをしながら自転車を運転している人もたくさん見かける。調べてみると、大音量であれば違反で、5万円以下の罰金になる。車のオーディオと同じような感覚だと思うが、自転車は被害者のみではなく加害者にもなるという傾向があり、時代が変化してくる中で、法もまた、同時に整備をしていく必要がある。
自転車の交通死亡事故について、自転車側に主たる原因となった法令違反があったのはどれぐらいあるのか、また、どのような違反が原因で交通事故になっているのか伺う。
- 17:【交通総務課長】
本年8月末現在の自転車利用者の交通事故死者17人のうち、自転車側に事故の主たる原因となった法令違反が認められたのは35.3パーセントに当たる6人であった。主な法令違反の内容としては、信号無視と一時不停止が目立っている。
- 18:【石井芳樹委員】
自転車は、車と一緒で一旦停止でしっかりととまらないといけないが、なかなかそういう光景は見ることが少ないので、自転車に対する教育もしっかりとしていかなければいけない。
少し前に、小学校高学年の児童が、高齢の女性をはね、9,521万円の損害賠償請求をされた事例や、高校生が自転車によって加害したときに9,300万円損害賠償請求された事例がある。自転車側に主たる原因がある法令違反があった人身事故について、自転車利用者の学生区分別では、小学校、中学校、高等学校、大学での全体に占める構成率はどれぐらいになっているのか伺う。
- 19:【交通総務課長】
本年8月末現在、自転車側に主たる原因となる法令違反が認められた人身交通事故は1,046件であるが、これらの原因者である自転車利用者のうち、小学生は105人で10.0パーセント、中学生は72人で6.9パーセント、高校生は215人で20.6パーセント、大学生は44人で4.2パーセントとなっている。
なお、大学生とは別に、短期大学生は4人で0.4パーセントである。
- 20:【石井芳樹委員】
高校生だけが突出しているが、通学も含めて全体的に自転車に乗る時間が多いから突出しているのではないかと思われる。
私の地元は大学のまちであり、多くの大学生が自転車で通学しているが、逆走した方が大学に近いため、大学生が車の正面に向かって走ってくると住民から苦情を受ける。
このため、大学に対しても、しっかりと自転車に対する教育をしてほしいという話はするが、4月の新入生の時に、例えばオレオレ詐欺だったり、交通安全などいろんなものも含めて説明してしまうために、交通安全に関してなかなか頭に残っていないと思われる。
だからこそ、少し時期をずらしたり、半年たったらもう一回やるなど改めて周知して、加害者になる可能性は十分あることをしっかりと教えていかなければならない。
大学生の自転車に対する法令遵守の意識やマナー向上に向け、どのような対策を行っているのか伺う。
- 21:【交通総務課長】
県警察では、年初から交通死亡事故抑止の柱の一つに自転車対策を掲げ、各種の取り組みを推進している。
主な取り組みとして、信号無視や一時不停止などの悪質・危険な自転車利用者の指導取り締まりを推進し、本年8月末現在で約1,100件を検挙するとともに、14歳以上の自転車利用者に約8万100件の指導警告票の交付を行った。
また、大学生は運転免許証を取得し、自動車に乗り始めることが多い年齢層であることから、大学に警察官を派遣し、交通事故情勢のほか、大学生が当事者となった交通事故の事例や、運転者としての社会的責任等についての講話を実施し、こうした機会に自転車の交通ルールについても周知を図っているほか、大学と協働して校門前で学生に指導啓発を行うなどの取り組みも推進している。
今後も大学と連携し、大学生の自転車に対する法令遵守意識や運転マナーの向上を図っていく。
- 22:【石井芳樹委員】
自転車に乗って歩行者を死亡させたり、死傷させる事故の24歳以下の占める割合は52パーセントというデータがある。若いうちは、年齢を重ねるほど力が強くなり、相手に対するダメージも大きくなるので、大学を含めて、しっかりと教育し、さまざまな交通安全マナーの周知を図ってもらいたい。
誰でも自転車に乗れば被害者にも加害者にもなる可能性がある。ある調査では、本年4月の段階で自転車保険・損害賠償保険の全国の加入率は56パーセントであり、10人のうち4人は入っていない。例えば大阪府は、自転車条例を新たに制定し保険加入を義務づけており、また、豊橋市のように、基礎自治体で独自に条例を制定して保険加入を義務づけているところもあるが、本県は保険の加入に関してはどのように考えているか伺う。
- 23:【交通総務課長】
近年では、自転車が当事者となる交通事故において、高額の損害賠償責任を認める判決もみられる中、自転車の損害賠償責任保険については、国家公安委員会告示の交通の方法に関する教則や交通安全教育指針においても加入の必要性が示されている。
また、県内では、名古屋市を初めとする6市1町で自転車に関する条例が制定されており、いずれも自転車の損害賠償責任保険の加入に関する規定がある。
県警察としても、交通事故の加害者となった場合の備えとして、自転車の損害賠償責任保険への加入の必要性は高いものと考えており、交通安全教育等の機会を通じて、高額の損害賠償請求を伴う自転車の交通事故事例を紹介するなど、保険加入の必要性について周知を図っている。
また、自治体に対し、損害賠償責任保険の加入に関する規定を盛り込んだ自転車条例の制定についての働きかけも行っており、こうした取り組みを引き続き進めていく。
- 24:【石井芳樹委員】
自転車の交通事故による損害賠償の額などについて、しっかりと周知を図ってほしい。特に、未成年者は、事故を起こしたらどうなるかという想像力がなかなか働かないので、社会のルールにのっとって損害賠償請求されることを理解させ、全ての世代に加入を促進してほしい。
また、高齢者は運転免許証を返納すれば自転車に乗ることが多くなるが、ファッション性を高めたヘルメットの普及などを図りつつ、自転車に乗ることは被害者にも加害者にもなり得ることを各種交通安全教育を通じて周知してほしい。
- 25:【柴田高伸委員】
昨今、頻繁に目にする児童虐待に起因する死亡事件の報道等によって国民的関心が大きく、児童相談所及び警察当局への期待が強まっている。
警察庁が今春まとめた昨年の児童虐待に関するデータによると、全国の警察が摘発した児童虐待事件は1,380件、被害に遭った18歳未満の子供は1,394人であり、これはともに過去最多である。
夜間など緊急の対応が必要として警察が一時的に保護した数は6年連続で増加しており、4,571人となっている。また、虐待を受けているとして全国の警察が昨年に児童相談所に通告した18歳未満の子供は、やはり過去最多の8万252人となっており、これは14年連続で増加している。
そこで県警察における児童虐待の昨年中の認知状況等について伺う。
- 26:【少年課長】
昨年中、県警察で取り扱った児童虐待の認知件数は、統計を取り始めた平成13年以降最多となる4,280件となっており、前年に比べて183件の増加である。児童相談所へ通告した児童数は4,791人となっており、前年に比べて11人の増加で、このうち586人の児童を県警察で保護し、その身柄とともに児童相談所に通告するなど児童の安全確保を図っている。
また、児童虐待事件に係る検挙件数は92件であり、前年と同数で、被害児童数は92人、前年に比べて5人の減少となっている。
- 27:【柴田高伸委員】
認知件数並びに通告児童数の伸びは、痛ましい事件が続いて社会の関心が高まったためと考えられ、深夜に子供が徘回しているとか、子供が泣いている声がするとか、子供を心配する通報、相談が確実にふえている。
政府が昨年7月にまとめた虐待防止の緊急対策では、虐待による外傷や育児放棄、性的虐待などがあると考えられるケースは、児童相談所と警察が情報共有を徹底すること、立入検査をする場合などは必要に応じて警察に援助要請することなどをルール化している。
相次ぐ児童虐待事件で課題となっている児童相談所と警察との連携については、厚生労働省が全国調査を行っており、本年度中に調査結果をまとめて、児童虐待防止に向けた体制を強化するとしている。
また、警察庁は、児童相談所との連携を強化するよう全国の警察に指示しており、虐待を受けたおそれのある子供について速やかに児童相談所に通告することを徹底するとともに、一時保護の必要性などを児童相談所が迅速に判断し、適切な対応につなげられるよう、より客観的で具体的な情報を記録にして、児童相談所に伝えることなどを求めている。
県警察では、児童虐待に関する取り組みの一環として、児童相談所が通告を受けた全件について情報共有を図る協定を結んでいるが、その情報共有状況並びにその後の対応状況について伺う。
- 28:【少年課長】
県警察では、昨年4月に愛知県と児童虐待に係る事案の情報共有に関する協定を締結し、本年1月には名古屋市とも同様の協定を締結している。
その概要は、児童相談所が認知した、児童の生命・身体に重大な危害が及ぶような情報が、直ちに警察署に提供されるほか、児童相談所が通告を受けた全ての児童虐待事案について、毎月定期的に県警察に提供される。
この協定に基づき、愛知県からは、協定を締結した昨年4月以降、本年8月末までに7,649件、名古屋市からは協定を締結した本年1月から8月末までに1,914件の情報提供を受けており、このうち4,297件、約45パーセントが県警察で把握していない情報であった。
児童相談所から提供された情報は、県警察各部門で共有しており、通報等があった際の初動対応時に、児童の安全確保を最優先とした対応が図れるよう活用している。
また、事案ごとに危険度等を審査した上で、さらなる対応の必要性を判断しており、児童相談所に対し必要に応じて追加調査を依頼しているほか、これまでに、定期的に提供を受けた情報のうち、児童の安全確保が必要であると判断して保護した事案が3件ある。
県警察としては、児童虐待事案を重大事案に発展させないため、引き続き、関係機関と連携して、迅速かつ的確な対応に努めていく。
- 29:【柴田高伸委員】
県警察と児童相談所との情報共有は全国に先駆けた取り組みであって、その効果は大きいと評価できる。
県警察への通報の増加が見られる中で、現場確認や情報分析など、現場の情報量、業務量が増加していることと思うが、これまで以上の即時適切な対応をお願いしたい。
また、得られた情報を、必要に応じてその当事者である児童の処遇改善、あるいは生活環境の改善に反映できるように、市町村、学校、保健所などの関係機関と共有するなど、積極的に活用してほしい。
また、来年4月には、親による子供への体罰を禁止する改正児童虐待防止法とあわせて改正児童福祉法が施行される。改正の肝は三つであり、まず、被害者である子供たちの権利をしっかりと守ること、次に、児童相談所の体制を強化すること、そして、関係機関同士の連携を強化することである。
児童相談所の体制強化策においては、児童福祉司の増員に加えて、虐待を受けている子供を保護する介入と保護者の支援に当たる職員を分ける体制をとること、あるいは医師や保健師の配置、増員を求めており、さらに、関係機関との連携を強化するため、国や地方自治体はその体制整備に努めることとしている。専門家によっては、児童相談所の設置促進、機能強化そのものは大変評価できるが、介入と支援で児童相談所の役割を分担すると、その連携がしっかりできなければ、余計その危険度は増すなどの指摘がされている。
そこで、これから一層、関係機関同士の連携並びにその内部職員同士の連携を強化し、現場に従事する職員には、助けを求めている子供が現にいるということを前提に今まで以上に心のこもった現場対応をお願いしたい。