県政報告
平成29年議員定数等調査特別委員会
2017年12月20日
(主な質疑)
- 1:(主な質疑)
【岩村進次委員長】
本日の委員会は、各会派における検討事項についての議論を深めた考え方を伺う。それでは、自民党から順次、発言願う。
- 2:【石井芳樹委員】
自民党の考え方を申し上げる。まず、総定数についてである。分権型社会の進展に伴い、県議会の果たす役割が、ますます重要となる中で、県議会議員には、地域全体の実情を把握し、複雑化・多様化する行政需要を的確に吸い上げ、県の施策に反映させることが求められている。こうした中、議員1人当たりの人口が、全国平均を上回っている本県議会においては、地域の特性や行政需要等を総合的に考慮して、各選挙区における定数の増減を慎重に検討した上で、総定数を定めるべきであると考える。
次に、選挙区の在り方についてである。選挙区の設定については、公職選挙法第15条第1項に定める三つの類型を基本としながら、生活環境や住民感情等を背景として、長年の間に形成されてきた地域住民の意向を県の施策に反映できるようにする必要があると考える。これまでの議論の積み重ねで形成されてきた現行の選挙区を尊重すべきと考える。
次に、各選挙区の定数配分についてのうち、投票価値の較差の是正についてである。公職選挙法第15条第8項は、定数配分について、人口比例を最も重要かつ基本的な基準としているが、同条第2項及び第4項によれば、選挙区の設定は、配当基数が0.5以上であれば一選挙区として認められている。このため、人口比例により定数を配分したとしても、3倍程度の較差は生じることになるが、投票価値の平等という点から、可能な限り、較差の是正に向け、個々の選挙区について検討すべきであると考える。
次に、公職選挙法第15条第8項ただし書の適用についてである。各選挙区において選挙すべき議員の数は、公職選挙法第15条第8項ただし書で、「特別の事情があるときは、おおむね人口を基準とし、地域間の均衡を考慮して定めることができる」と規定されている。そこで、このただし書の、具体的な選挙区への適用の是非については、その地域の特性や、全体としての均衡上、著しい投票価値の不平等を生じない範囲かどうかなどを、十分に検討すべきであると考える。
最後に、逆転現象の取扱いについてである。逆転現象は、公職選挙法第15条第8項ただし書適用の是非を十分に検討すべきであると考える。
- 3:【鈴木 純委員】
民進党の考え方を申し上げる。まず、総定数は、逆転現象をなくすことを優先し、その結果として、現行の定数より削減する方向で検討を進めるべきである。
次に、選挙区の在り方は、現行の選挙区を尊重しながら、地域の特性や行政需要等、地域の実情を総合的に勘案して検討を進めるべきである。
次に、各選挙区の定数配分についてのうち、投票価値の較差の是正についてである。最大較差は3倍未満とし、極力是正に努めるべきである。
次に、公職選挙法第15条第8項ただし書を適用している選挙区は、著しい投票価値の不平等が生じないよう、可能な限りその解消に努めるべきである。
最後に、逆転現象の取扱いは、投票価値の平等という観点から、逆転現象はなくすべきである。
- 4:【市川英男委員】
公明党の考え方を申し上げる。まず、総定数は、地域住民の多様な声に対して、きめ細かく対応できるよう配慮しつつ、総定数の増減を慎重に検討すべきである。総定数の増減の検討に対しては、諸課題をしっかり議論したうえで、検討すべきである。ただ、総定数を増やすことは難しいと考える。
次に、選挙区の在り方についてである。公職選挙法第15条第8項ただし書の適用や、逆転現象の取扱い、人口比定数と条例定数が異なる昭和区、瑞穂区、豊川市、豊田市、岡崎市及び額田郡、安城市の各選挙区等の諸課題をしっかり議論した上で、検討すべきである。選挙区は、現行の選挙区にこだわる必要はないと考える。選挙区の設定においては、地域の特性等を十分考慮することが必要である。
次に、各選挙区の定数配分についてのうち、投票価値の較差の是正についてである。人口比例により定数を配分したとしても、3倍程度の較差は生じるが、投票価値の平等という観点から較差は可能な限り最小限にすべきであるので、較差の是正についても検討すべきである。
次に、公職選挙法第15条第8項ただし書の適用についてである。著しい投票価値の不平等が生じないよう慎重に検討すべきである。特に、人口比定数と条例定数が異なる昭和区、瑞穂区、豊川市、豊田市、岡崎市及び額田郡、安城市の各選挙区は、十分に検討すべきである。
最後に、逆転現象の取扱いは、投票価値の不平等が合理性を欠くことがないよう、逆転現象の取扱いを検討すべきである。豊川市と安城市の逆転現象をなくす検討をすべきである。
- 5:【下奥奈歩委員】
共産党の考え方を申し上げる。まず、総定数についてである。多くの県民の切実な声を反映できるように総定数は削減することなく、現在の総定数102人を維持することを基本とすべきである。平成27年国勢調査によると、本県の議員1人当たり人口は7万3,364人で全国5番目に多い。過去の定数を見ると平成3年改選時点で総定数は110人であり、当時参考とした昭和60年国勢調査の人口が645万5,172人であったことを考えると102人は決して多くはない。したがって、総定数については削減することなく現状維持とすべきである。それが多くの県民の県政に対する切実な声を反映させることにつながる。
次に、選挙区の在り方についてである。多くの県民の切実な声を反映できるようにするためには1人区をできる限り解消していくことが求められる。1人区は小選挙区制であり、死票が一番多く出ることになる。本県の1人区は25区あり、大阪の31、埼玉の27に次いで3番目に多い。東京は42の選挙区に対して1人区の数は7である。1人区を少しでも少なくして多くの県民の声が反映される選挙区にすべきである。
次に、各選挙区の定数配分についてのうち、投票価値の較差の是正についてである。法の下の平等、投票価値の平等という観点から、較差は可能な限り最小限にすべきであり、2倍未満とすべきである。現在の1票の較差は2.27倍であり、一人で2票以上を持つ事態となっており法の下での平等、投票価値の平等という憲法の原則に反している。較差は可能な限り最小限とすべきであり、少なくとも2倍未満とすべきである。
次に、公職選挙法第15条第8項ただし書の適用についてである。原則どおり、人口に比例して、条例で定めるべきであり、ただし書の適用は行うべきではない。ただし書の適用を行うことにより、1票の較差が増えたり、逆転現象が生じる可能性がある。
最後に、逆転現象の取扱いについてである。法の下の平等、投票価値の平等という観点から、逆転現象はなくすべきであり、人口に比例した定数にすべきである。
- 6:【岩村進次委員長】
ただ今、各会派から、検討事項についての議論を深めた考え方が示されたが、この際、何か発言があれば、お願いしたい。
(発言なし)
それでは、次回の委員会は、来年2月7日の午後2時から開催することとし、各会派から試案を提出してもらい、より具体的に協議を進めていきたいので、よろしくお願いする。