県政報告
平成25年地域振興環境委員会
2013年10月3日
(主な質疑)
- 1:(主な質疑)
《議案関係》
【日比たけまさ委員】
アジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区構想を推進するために、平成25年度一般会計当初予算で計上された民間航空機生産・整備拠点整備関連事業について、9月定例議会の補正予算に立体駐車場の整備等が盛り込まれた。
立体駐車場の整備台数は、現在の台数と同数を予定していると聞いているが、最近の実績として最大どれくらいの駐車台数があったのか。
- 2:【航空対策課主幹(管理・計画)】
これまでの実績として、平成24年度の年末年始の1,500台弱が最大だったが、コミューター路線の増、搭乗率の向上等を背景にして、平成25年度のお盆期間中、1,600台を超える利用があった。現在の駐車可能台数は最大で1,350台であるため、250台以上の超過となった。
- 3:【日比たけまさ委員】
ピーク時は駐車台数が超過したとのことだが、どのように対応したのか。
- 4:【航空対策課主幹(管理・計画)】
通常、構内事業者に利用してもらう定期駐車場を臨時的に一般旅客用とするなど、臨時駐車場を極力多く確保するとともに、指定管理者によるホームページでの駐車場の混雑状況の発信、ケーブルテレビ等での事前の広報等によって、公共交通への転換を図るなど総合的な対策に取り組んだ。
- 5:【日比たけまさ委員】
今後の駐車場整備について伺う。航空需要が拡大することが想定され、名古屋空港においても、コミューター旅客が更に増えていくと考えられる。今後の駐車場の需要をどのように見込んでいるのか。また、ピーク時にどうしても駐車可能台数を超える場合はどのように対応していくのか。更に駐車台数を増やすことが今後可能なのかも併せて伺う。
- 6:【航空対策課主幹(管理・計画)】
平成17年の県営名古屋空港の開港の際に、国管理空港時代の自家用車の利用実績を踏まえ、駐車場整備を行った。開港後、その後の旅客の伸び等を踏まえ、平成19年度に駐車場の拡大整備を図り、現在の1,350台になっている。
これまでの利用実績では、通常、1日平均700台から800台となっており、支障がない容量であると考えているが、お盆や年末年始、ゴールデンウィークの繁忙期においては、容量を超える場合が想定されるので、公共交通への転換、臨時駐車場の確保など総合的な対策にしっかりと取り組んでいきたい。
なお、今回の駐車場の整備においては、ピーク時に合わせて駐車台数を確保することは、限られた予算の中で過剰な措置となるため、現行の1,350台を基本としたい。県営名古屋空港は、コミューター航空という今までの役割に加えて、新たに民間航空機生産・整備拠点という県政の重要プロジェクトの展開の場になる。今後の施設整備については、限られた施設、用地という制約の中で優先順位を付けながら適切に対応していきたい。
- 7:【日比たけまさ委員】
駐車料金について伺う。現在は愛知県名古屋飛行場条例で定められ、期限付であるが、コミューター旅客については、5日間まで無料となっている。この期限が来年3月に切れるが、その後の対応について現時点での考えを伺う。
- 8:【航空対策課主幹(企画・利用促進)】
コミューター旅客の駐車料金の減免については、3年前に条例を改正し、5日間までの減免措置を3年間延長したところである。この措置については、来年3月末までとなっており、今後の対応については、現段階では未定であるが、コミューター航空の利用状況、空港アクセスバスの状況、空港施設の容量、新たに加わる民間航空機生産・整備拠点の展開を含め、総合的に検討していきたい。
- 9:【日比たけまさ委員】
2点要望をする。1点目は駐車場の不足対策である。民間航空機生産・整備拠点のプロジェクトの具体化はもちろん、コミューター旅客の拡大、また、多数立地する小型機の格納庫事業など様々な要素がある。関係者も多種多様で、限られたスペースを効率的に活用することが求められる。利用者あっての空港であり、利用者に不便をかけることはあってはならない。アクセスの公共交通への転換も含めた駐車場の不足対策はしっかりと対応してもらいたい。
もう1点は、駐車場料金の減免措置についてである。5日間の料金無料は、利用者にとって魅力のあるサービスである。利用者目線に立ったサービスを最優先に検討してもらうよう要望する。
- 10:【中野治美委員】
第105号議案、愛知県ふれあい広場条例の一部改正について伺う。今回は昭和ふれあい広場を廃止するもので、これまで13か所のうち9か所を廃止してきたが、廃止後はどのような活用をするのか。
- 11:【地域政策課主幹(地域振興)】
名古屋市においてコミュニティセンターという類似の施設を設置しており、そこに機能を移管するのが原則である。
- 12:【中野治美委員】
コミュニティセンターならば同趣旨だと思うが、廃止した9か所の中で違う用途に活用しているものはないか。
- 13:【地域政策課主幹(地域振興)】
廃止した9施設については、いずれも名古屋市がコミュニティセンター等を同学区に作ったとのことである。
- 14:【中野治美委員】
あと3か所も同じ考えで廃止していくのか。
- 15:【地域政策課主幹(地域振興)】
今回廃止する昭和ふれあい広場を除く残りの3施設についても、地元や名古屋市と調整をして、現在の利用にそごを来さない活用を考えていきたい。
- 16:《一般質問》
【小林 功委員】
豊川水系について伺う。今年の8月は特に新城市周辺に雨が降らず、水がめが空になりそうになったため、節水を行ったが、その影響を把握しているか。
- 17:【土地水資源課主幹(水資源計画)】
今年は5月以降の小雨により、9月4日には最大となる農業用水40パーセント、上水28パーセント、工業用水40パーセントという非常に厳しい節水が行われた。そのため、地元の農業団体は、間断かんがいを行うとともに、従来使われていなかった井戸を利用して、不足する水量を補うなどの応急対策を行った。
また、それぞれの市の水道局では、一般の家庭にチラシを配ったり、大口の需要者を個別に訪問して節水に協力いただけるよう啓発に努めるとともに、公園の噴水の停止、市営プールの中止、水道の給水圧の低下などの対策を実施した。
- 18:【小林 功委員】
農業用水において大きな節水をした結果、収穫された果物は糖度は高いが実は小さくなったと聞いている。原因を特定することはできないが、農作物に影響が出ている。
水道については、減圧したことによる影響などはないか。
- 19:【土地水資源課主幹(水資源計画)】
水道については、20パーセントを超える節水を実施したため、一部の市で公共の老人保健施設の昼間の入浴サービスが中止されたり、水道の給水圧力を低下させたことにより、高台の一部で水の出が悪くなった。また、一部では水の濁りが発生し、市民から苦情が寄せられるなどの影響が出た。
- 20:【小林 功委員】
設楽ダムについて、知事はいろいろな人の意見を聞いて判断したいと言っているが、いつまで聞くのか。40年も議論している話であり、一月もあればデータは集まってくる。いろいろな人の意見を聞いているから、まだ判断できないというのは言い逃れのような気がする。期限を切って判断すると言えばいいが、いつまでに判断するという話がない。
いずれにしても、ダムの建設はすぐ着手しても完成まで10年間はかかる。今の対策だけでは、同じような水不足が発生する可能性があり、現在の気象状況なども考慮するともっとひどい状況になるかもしれない。
そこで、今年は佐久間ダムから導水したと思うが、どのくらいの水をもらったのか。また、どのくらいの費用がかかったのか。
- 21:【土地水資源課主幹(水資源計画)】
佐久間導水からは合計で3,300万トンほどの水を導水することができた。しかしながら、天竜川水系で節水が開始されると、導水が停止されてしまう。
なお、佐久間ダムには導水施設があり、自然圧で流れるため費用は発生していない。
- 22:【小林 功委員】
佐久間ダムは電源開発の管理するダムであるが、電源開発に費用を払うことはないのか。
- 23:【土地水資源課主幹(水資源計画)】
水利使用規則で定められており、その範囲内であれば、無料で水を取ることができる。
- 24:【小林 功委員】
同じ天竜川水系の大入導水路、振草導水路は、天竜川水系が渇水状態になったときには取水が制限されるのか。
- 25:【土地水資源課主幹(水資源計画)】
大入導水路、振草導水路に関しては、豊川用水事業で昭和30年代にできた施設であるので、天竜川水系の節水ルールに関係なく、大入川、振草川にある程度の量の雨が降った場合には自動的に流れてくる。
- 26:【小林 功委員】
豊川水系の寒狭川導水は、最大で毎秒何トン取れるのか。
- 27:【土地水資源課主幹(水資源計画)】
寒狭川導水については、下流に一定量放流する義務があるが、それを超えた場合、最大15トン導水することが可能である。
- 28:【小林 功委員】
東三河では水を自由に使って余っているのではなく、ローテーション給水をしてやり繰りしている。例えば、田んぼでは、アオミドロのようなものが浮いてしまうと、稲の根元に太陽の光が差さなくなり、稲の生育が悪くなるため、常に水を入れて流したいが、今は水を入れていない。そういう状況から見ると、豊川用水の需要は伸びてくるはずである。土地水資源課は、水の状況を一番見ているわけだから、状況を把握し、現場の声をしっかり聞いてほしい。
設楽ダムには既に1,000億円近くが投資され、設楽町のコミュニティも壊れてしまっており、後戻りできない状況である。今回のような渇水の状況ならば、大雨は恵みの雨となるが、豊川は一つ間違えれば洪水の被害も心配される厄介な川である。状況をしっかり把握し、対策を講じるよう要望する。
東南アジアや中国を中心に、進出企業のバックアップやアンテナショップに知事が出かけて行ってモノを売るなど、経済中心の国際交流をやっている。文化交流や教育の交流なども当然やらなくてはいけない。
20年前に文化会館を造った際に、県立芸大出身でウイーン少年合唱団の指導員をアドバイザーに招いた関係で、私の地元ではウイーンと交流ができ、愛知万博の際にはフレンドシップを結んだという経緯がある。このように文化から交流が始まって、経済につながることもたくさんあると思う。また、今は東南アジアに向きすぎていないかと思う。もう少しアメリカやヨーロッパにも目を向けるべきではないか。
国際課を見ていると優秀な人材はたくさんいるが、使いこなせていない気がする。もっといろいろな地域と緊密な交流を図る取組ができていいような気がするが、予算がないからできないのか。
- 29:【国際課主幹(国際交流)】
グローバル化が進む中で、地域間競争が大変厳しくなっている。そうした中で、まずは、成長著しいアジアの活力を取り込んで、この地域を元気にしていこうと、本年3月に国際戦略プランを作成した。しかしながら、委員指摘のとおり、欧米は成熟した経済、最先端の文化を持ち合わせており、産業でも例えば、次世代自動車、航空宇宙産業など最先端の技術を持っている。欧米との交流についても、分野ごとに所管する部局になってしまうかもしれないが、交流や情報のやり取りは必要だと考えている。
県内の31の市町村が海外の55の自治体と友好提携を結んでいるが、そのうち24の市町村が33の欧米の自治体と友好提携を結んでおり、全体の6割となっている。国際課としても当面はやや経済中心となるかもしれないが、国際関連施策を進めつつ、欧米もしっかりフォローしていきたいと思っている。
- 30:【小林 功委員】
県議会の海外調査団の訪問先は、過去を見てもアメリカ、ヨーロッパが多い。私も県議会議員になって5回出かけた。初めはカナダとアメリカであった。万博の開催地が日本に決まる前で、カルガリーか愛知かといわれていたが、愛知がどの程度認識されているかアメリカ日本大使館などいろいろなところを回りながら聞いてきた。
2回目はドイツである。ハノーバー万博のジャパンデーの日に行ったが、4,000万人集めるところが1,500万人しか集まらず、閑古鳥が鳴いているところで何が悪いのかを見てきた。
3回目は万博の前年であったが、ヨーロッパへ行き、私の選挙区の二つの町がオーストリアと親しくしているので、視察の休憩時間に万博協会に行っていろいろな話をしてきた。
4回目がカナダとアメリカであった。その時にシカゴへ行って、商品取引所で穀物相場の状況などを調査し、世界経済はやはりシカゴ、ニューヨークで動かしており、ユダヤ系アメリカ人がイニシアティブをとっていることが分かった。
5回目は、エネルギーの問題でボルダー、サンフラシスコへ行き、アメリカの再生可能エネルギーの状況を調べ、訪問先で、今後、協力、情報交換を図る話をしてきた。そういう話までは付けてくるが、帰ってきてそのままになってしまう。つまり県の方に受皿がない。相手方とコンタクトを取って、パイプを作ってくるので、それを県がしっかり県民のために使うことが重要だと思うがいかがか。そうでないと県議会が訪問してきた成果が出ないから、物見遊山などと言われる。報告はきちんとするので、それに対してフォローができるような国際課であってほしいがいかがか。
- 31:【国際課主幹(国際交流)】
海外調査団の結果については、報告書という形で、実際にどのような所でどのような方と会ったのか、どのようなやり取りがあったのか見ることができる。それらの情報やカウンターパートである相手方とのパイプをどう生かしていくのかは、国際課で全体の窓口になれればよいが、やはり現状ではそれぞれ担当する部局があるので、それぞれで報告書を読んで対応することとなる。
- 32:【小林 功委員】
例えば、文化の面でも、4回目の渡航でメトロポリタン美術館やニューヨーク市の文化局を訪問し、トリエンナーレの始まる前だったので、そのような話もしたところ、先方はできることは何でも協力するからどんどん言ってくださいとのことであった。それを報告したが、そのまま切れてしまった。例えば、フランスのルーブル美術館やオルセー美術館など日本にもたくさんファンがいるような美術館とも交流ができるように、経済交流だけでなく、人と人との交流、文化交流ができるような国際交流をしてほしい。
先日、ブラジルへ訪問した際には、留学生の話が出てきた。日本へ来る留学生は、本国である程度の地位に就く方ばかりである。そういう方をたくさん受け入れて、日本を正しく理解し、愛知を正しく理解してもらえば、互いにとって利益となる。極論を言うと、国際課ではもう少し予算を取ってほしい。せめて1億円くらい取って、もっと人的交流をやってほしい。こちらから留学する人たちにも、何らかのフォローをしながら、県と相手の地域との太いつながりを作っていくことが、「世界と闘える愛知」につながる。経済競争だけをやってどちらが上かというのは、「世界と闘える愛知」ではないと思う。そこまでやって初めて、世界と協調して良くなっていく愛知になる。その意味で国際課は頑張ってほしい。能力を生かし切れず、人が出かけていく準備だけをやっていては気の毒である。知事も世界、世界と言っているわけだから、人員を増やす必要があれば増やすべきだが、その割に国際課は余りてこ入れされていないし、予算も増えないが、部長はどのように考えているか。
- 33:【地域振興部長】
委員指摘のとおり、国際課は儀典的業務が中心であったのは否めない。ただし、本年3月の国際戦略プランの策定を契機として、政策実現部署として、あらゆる面で、国際戦略を展開するためのキーセクションとしての意識付けはできたと考えている。予算は取り切れていないが、例えば、ものづくり留学生の制度化など、まずは人材戦略ということで、予算も財政当局にお願いしていくこととしている。これからは、儀典的業務だけでなく政策を実現していく機能を担っていきたい。
- 34:【小林 功委員】
財政課に対するプレゼンテーションも自信を持って頑張ってもらいたい。国際課が頑張れば愛知県が良くなるというくらいでやらないと予算は増えない。愛知がこぢんまりまとまるのではなく、大きく羽ばたいていくために、アジアだけでなく、アメリカ、ヨーロッパまで広げていろいろな取組を展開してもらいたい。
- 35:【中野治美委員】
関連して、水資源のことを1点伺う。木曽川水系も6月中旬に節水を行ったが、運良く岩屋ダムの上空でかなり雨が降り、木曽川水系はこの夏を乗り越えた。しかし、水と空気は余っていて当たり前で、少しでも足りないと大変なことになる。
木曽川水系連絡導水路の計画に名古屋市長が待ったをかけたが、それ以降どうなっているのか。
- 36:【土地水資源課主幹(水資源計画)】
現在、国のダム検証作業中であって、第1回以降、開催されていない状態である。平成25年度に関しては、環境調査という必要最小限の予算により調査段階として動いている。
- 37:【中野治美委員】
計画では工事に取り掛かっている時期である。それが市長の一声で止まった。何のためにダムを造ったのか。
- 38:【土地水資源課主幹(水資源計画)】
徳山ダムで開発した水は、愛知県の上水道と名古屋市の上水道、工業用水、それから木曽川と長良川の流況が悪いときに、河川環境の改善のために水を流す目的で造られている。もちろん、揖斐川の洪水対策ということで、三重県、岐阜県の洪水対策に資する目的もある。
- 39:【中野治美委員】
愛知県からもばくだいなお金を出して、何十年もかけて造った。完成して何年たつのか。長良川河口堰もそうだが、一人が言ったことで全部止まってしまう。徳山ダムの導水路がその後どうなったかという説明も一切ない。本県にとっては、徳山ダムを造っても、その水を有効に使わないと何にもならない。県として何年このままにしておくのか。
- 40:【水資源監】
現在、国において検証作業中であるので、私どもとしては粛々と取り組んでいきたい。
- 41:【中野治美委員】
県として国に要望・要請したのか。この間、どのように動いているのか。
- 42:【水資源監】
平成23年に第1回の検討の場を設けて以来、いろいろな検討をしていると聞いているが、詳細は分からない。それ以後、検討の場は開かれていない状況である。
- 43:【中野治美委員】
水系の地域に住んでいる者として、ばくだいなお金を投資して造ったダムを有効に使うよう、国に県から要望・要請を出し、1日も早く当初の目的どおり計画を執行することを要望する。
- 44:【かしわぐま光代委員】
愛知留学生受入事業については、平成2年から平成24年までに、東南アジア、欧州、北米からの留学生を合計66名受け入れたと聞いている。この事業は、昨年度で募集が終了したとのことだが、きちんとフォローアップして情報交換しながら、文化交流、経済交流も含めて、愛知の将来のためにつなげていくことが大切だと思う。
66名のうち連絡がつかない方が35名いると聞いた。愛知県として、県費留学生のOB・OGに対して、今までどのようなフォローアップをしてきたのか。
- 45:【国際課主幹(国際交流)】
平成17年度から年1回、県の広報誌を送付している。なかなか連絡のつかない方もおり、平成22年度からは近況報告書の提出をお願いし、できるだけ近況把握ができるように努めている。
- 46:【かしわぐま光代委員】
努力しているとは思うが、連絡がつく人たちの状況を把握しているか。なかなか難しいかもしれないが、愛知県にとってどういう成果を上げているのか。
- 47:【国際課主幹(国際交流)】
近況報告については、どういったところに就職しているか、愛知県とどのような関わりを持っているか、あるいは持とうとしているのかといった質問をしている。ただし、必ずしも全ての人から十分な報告をもらえているわけではない。また、全ての人が積極的に愛知県のPRなどを行っているわけでもない。
- 48:【かしわぐま光代委員】
そのようなこともあり、昨年度限りでこの事業の募集は終了して、新しく愛知のものづくりを支える留学生受入事業を始めることになったかと思う。新しい事業では、アジアの22か国を対象とした留学生から、拘束はできないが、卒業後に愛知県の企業で働いてもらう約束のもとに10人を選考したと聞いている。今回の事業についてどのような期待を持って臨んでいるのか。
- 49:【国際課主幹(国際交流)】
従来の愛知留学生受入事業は、帰国して愛知県と本国との懸け橋になってほしいという目的で留学生を受け入れてきた。しかし、愛知のものづくりを支える留学生受入事業については、県内の企業がアジアに進出する、あるいは進出せざるを得ない状況の中で、海外展開に必要な人材が不足している、現地の言葉と日本語、更に現地の文化・習慣と日本の文化・習慣の両方をよく知っている人材を採用したいという企業の声に応えるため、帰国して懸け橋になるのではなく、日本に残って愛知県の企業にできる限り就職してもらうことを目的とした事業である。
- 50:【かしわぐま光代委員】
滞在費として月額15万円、更に渡日旅費、研究生・大学院の授業料、入学料、検定料を支給するとのことであり、結構な金額になると思う。選考する際に、その重みも含めて、きちんと意識付けをしてもらわないといけないと思うが、そのために何か工夫をしているのか。
- 51:【国際課主幹(国際交流)】
募集時においては、まず、県内企業に就職する意思があることを大きな条件としている。それから、2年6か月の受入期間中にインターンシップ等で企業を経験してもらうことも条件とし、この地域への定着を図っていくことに努めている。
- 52:【かしわぐま光代委員】
例えば、学校関係者が保護者的な役割をするとか、県と関わっているOB・OGの方たちから推薦があった方を選考するのか。
- 53:【国際課主幹(国際交流)】
受け入れてもらう大学にも事業の趣旨を十分理解してもらった上で、その大学に在籍する留学生の中から、条件に見合った方を推薦してもらうこととしている。
- 54:【かしわぐま光代委員】
新しい事業においては、愛知県で就職してもらうことの意味をきちんと理解してもらい、県としての成果を把握できるようにしなくてはいけない。受入期間が終わったら帰国してしまったとか、成果がよく分からないということがないようにしてもらいたいが、大丈夫か。
- 55:【国際課主幹(国際交流)】
この事業は地域定着を図ることが大きな目的であり、単に県と留学生個人だけでなく、留学生を受け入れている大学とも連携を密にしながら、ぜひ2年6か月後には、この地域の企業に就職してもらえるよう努力したい。
- 56:【かしわぐま光代委員】
産業労働部とも今まで以上に連携を密にして、この事業が定着し、成果を上げることを希望する。そのことが愛知のためだけでなく、相手の国のためにもなると思う。
ベトナムでは、バロネットという留学生のOB・OGネットワークが発足し、本県とベトナム双方の発展につながる取組が進められていると聞いた。まだ始まったばかりで、これから試行錯誤が必要だとは思うが、良い取組であり成功させてほしい。先に小林委員が発言したように、経済のみでなく文化面も含めて、総合的に外国との関係を構築していくために、本県が果たす役割は大きいと思うので、必要な予算はきちんと要求し、努力することを要望する。
- 57:【小久保三夫委員】
岡山県真庭市が10億円をかけて設置した木質系バイオマス発電所は、1時間に2,000キロワットの出力がある。東三河振興ビジョンにおいても、再生可能エネルギーの導入を推進するため、平成26年度から28年度の推進プランを策定することとなっている。
奥三河地域の豊富な森林資源を使ったバイオマス発電について、民間事業者が動き始めているが、県はどのように把握しているか。
- 58:【山村振興室長】
奥三河地域で木質バイオマス発電を考えている事業者からは、発電出力5,000キロワット程度の規模、用地面積4ヘクタール、木質燃料年間10万立方メートルの未利用間伐材の長期安定供給、系統接続ができる66キロボルト特別高圧線が1キロメートル以内にあること、冷却水1日1,000トンを前提条件とした提案が奥三河市町村に対しなされている。
- 59:【小久保三夫委員】
5,000キロワットの大きさだと、送電線との接続の関係もあり、受け入れる土地の選定が難しい。しかし、地域で森林の地産地消に取り組むべきだと思っており、いよいよその時代がやってきた。民間事業者の考えている木質バイオマス発電に対し、県では具体的にどのような検討がなされ、また課題を把握しているか。
- 60:【山村振興室長】
6月下旬に奥三河4市町村、東三河県庁の東三河総局及び新城設楽振興事務所と新城設楽農林水産事務所、本庁の林務課で構成する「奥三河木質バイオマス発電勉強会」を立ち上げ、事業化の可能性や立地条件などの調査・研究を進めている。
事業化に当たっては燃料となる未利用木材の確保が大きな課題である。現在、間伐等により奥三河地域森林内に残置されている未利用木材は、年間約10万立方メートルあるが、それらの搬出には多大なコストが掛かり、買取価格との兼ね合いもあることから、間伐材の搬出量を試算することは難しい状況にある。
また、現在、間伐等による柱材の生産に合わせて搬出される木材の先端や根曲がり部分などを燃料用木材として生産した場合に、供給が可能な木材の量は1万2,000立方メートルほどであり、提案された事業規模の発電に必要な燃料用木材の量には相当不足すると聞いている。
発電所立地の候補地についても、選定作業を進めているが、なかなか立地条件を満たす適地が見つからないとのことであり、勉強会を通じて引き続き調査等を行っていきたい。
- 61:【小久保三夫委員】
山間地域の経済・雇用対策につながる事業であり積極的に進めていく必要がある。続けて検討してもらいたい。
これほど大きな規模になると、奥三河地域で産出される木材だけでは不足するため、三遠南信までエリアを広げることを考える必要がある。近隣県との間で、木材の搬出に係る連携をとることは検討しているか。
- 62:【山村振興室長】
今回の木質バイオマス発電に必要な燃料用木材の搬出、供給については、県内で検討しているが、引き続き、発電事業者、市町村、関係部局間で十分に協議・調整を行い、東三河地域での対応策をしっかり検討し、近隣県の木材の搬出事情なども確認した上で、必要に応じ連携、協力の働き掛けをしていきたい。
- 63:【石井芳樹委員】
国際交流協会について、順次質問する。国際交流協会の過去4年の決算報告書を見た。まずは名称について質問する。国の法律の変更に伴って、国際交流協会も平成23年度を境に財団法人から公益財団法人へと名称が変わり、今は公益財団法人国際交流協会となっている。これにより事業計画や会計等を含め、実際に何がどう変わったのか伺う。
- 64:【国際課主幹(国際交流)】
平成23年4月に新たな公益財団法人制度の下で、国際交流協会は公益財団法人となった。新制度の下、従来、一般会計と特別会計となっていた会計区分が、新たに公益目的事業会計と法人会計に変更され、また、法人の監督等においても第三者機関の監督を受けることとなった。ただし、事業実施においては、今回の制度改正により従来の事業が制限を受けることはなかった。
- 65:【石井芳樹委員】
損益計算書を見ると、例えば、平成21年度の経常収益は約2億3,000万円に対して、県からの補助金は約2億円、平成22年度は約1億4,000万円に対して約1億3,000万円、平成23年度は約1億7,000万円に対して約1億2,000万円、そして平成24年度は約1億8,000万円に対して約1億3,000万円となっている。その主たる財源は、過去4年を見ると、7割から9割が県の補助金で運営されている。他府県の協会においても補助の比率はこの程度なのか。
- 66:【国際課主幹(国際交流)】
委員指摘のとおり、平成24年度の愛知県からの補助金の比率は、約70パーセントとなっている。他県の状況を全て承知しているわけではないが、平成24年度で県による補助率を比べてみると、例えば、神奈川県のかながわ国際交流財団は44パーセント、福岡県の福岡県国際交流センターは45パーセント、岐阜県の岐阜県国際交流センターは94パーセントとなっている。県の協会への関与の度合いや実施している事業等により、単純な比較は難しいが、愛知県より補助金比率が低い協会がいくつか見られる。
- 67:【石井芳樹委員】
半分以下で運営しているところもある中で、愛知県の補助金の割合は7割から9割と自主性は極めて乏しく、県の言いなりになってしまうところもあると思う。また平成23年度、24年度は7割であるが、もう少し細かくみると、寄附金の額が、従来約300万円だったものが、約4,000万円に伸びたため7割に補助率は抑えられているが、それを除けば9割くらいで推移をしていると思う。この寄附金額は平成23年度を境に約10倍に伸びているが、どう理解すればよいか。
- 68:【国際課主幹(国際交流)】
寄附金については、平成23年度の公益法人化に伴う会計制度の変更により、書面上は受取寄附金額が増加しているように見えるが、実際のところは、寄附金額はほとんど変化していない。
- 69:【石井芳樹委員】
従来から計上されている約300万円を除き、残りの約3,700万円は何なのか。
- 70:【国際課主幹(国際交流)】
平成23年度以前は、一般会計ではなく事業会計に寄附を計上しており、その額と一般会計の額を足したものが新しい会計に出ているため、膨らんだように見える。
- 71:【石井芳樹委員】
約3,700万円は寄附があったと理解してよいか。
- 72:【国際課主幹(国際交流)】
寄附については、日本語学習支援の事業を実施しており、その関係で多額の寄附をいただいており、増えたことになっている。
- 73:【石井芳樹委員】
その他補助金も受け入れているが、これはどこから来ているものなのか。
- 74:【国際課主幹(国際交流)】
平成24年度のその他補助金は、約117万円であった。これは、小学校等でフレンドシップ教材を利用したワークショップ等を開催しており、この事業に対する自治体国際化協会からの事業費補助金である。それより前の年度については、同じように自治体国際化協会からの補助金、あるいは、一市町村一国フレンドシップ継承事業における市町村からの負担金の合計である。
- 75:【石井芳樹委員】
平成22年度から県の補助金額が約8,000万円縮減されている。これは、県本体の財政難のためなのか、それとも名称が変わったためなのか。
- 76:【国際課主幹(国際交流)】
県の財政難はもちろんあるが、大きな要因は、県から派遣している職員の人件費が、平成21年度までは補助金として団体に支出され、団体から給与が支給される形であったが、平成21年12月に神戸市の外郭団体への補助金支出に関する最高裁判決が出て、団体への派遣職員に係る人件費を補助金として団体に支出することが違法であると判断されたため、平成22年度から派遣職員については、派遣法に基づき県から支出する形をとった。これにより補助金が大きく減っている。
- 77:【石井芳樹委員】
今後の協会の自立を高めていくためには、事業収益を上げる努力を行っていかなければならないと思うがいかがか。
- 78:【国際課主幹(国際交流)】
協会としても事業収益を上げるための施策として、機関紙やホームページによる広告料収入、基本財産の運用益の確保等に努めていくこととなっている。
- 79:【石井芳樹委員】
賛助会員からの会費も毎年約300万円で推移している。この会員とは個人なのか市町村なのか、どのような構成になっているのか。
- 80:【国際課主幹(国際交流)】
協会の賛助会員は、平成25年10月1日現在、個人が182、企業等団体が98、市町村が54となっている。
- 81:【石井芳樹委員】
賛助会員も寄附金控除が使えるので、その点も踏まえて認知度を高めていくことが国際交流にもつながると思うがいかがか。
- 82:【国際課主幹(国際交流)】
賛助会員数を増やしていく、あるいは、税制上の控除を受けられる寄附を呼びかけていくことについては、協会ホームページ、機関紙等で賛助会員の募集や寄附の募集を行うとともに、協会で行っているワールド・コラボ・フェスタなどのイベント開催時や、日本語ボランティアシンポジウム、国際理解教育セミナーなどの研修及び施設見学の際に、賛助会員募集のパンフレットを配りながら入会を呼びかけている。税制上の優遇措置は、協会のウェブページにて周知を図っている。
- 83:【石井芳樹委員】
常任理事、プロパー職員及び県派遣職員の平均給与を教えてほしい。また、平成23年度を境に県の職員定数が13人から5人に減少している。それにより管理人件費も約5,400万円から約2,500万円と半額以下に縮減されている。これはどう理解したらよいか。
- 84:【国際課主幹(国際交流)】
まず、人件費について、平成24年度の実績では、常任理事が月額約45万円、プロパー職員が34万円、県派遣職員が41万円となっている。平成22年度を境に職員定数が減っていることについては、委員指摘のとおり、制度を変え、県から直接人件費を支出することにしたのが大きな要因である。ただ、それにあわせて県職員数を13名から5名とした。県から支払うことができるのが、給料、期末手当などに限られ、いわゆる実績給の管理職手当や時間外勤務手当、通勤手当等は派遣された先の負担となることから、国際交流協会の自主財源が乏しいこともあり、全て賄いきれず、事務事業の見直しをする中で派遣職員の数も減らしている。
- 85:【石井芳樹委員】
以前は管理職を含めた職員が派遣されていたものが、現在は管理職外の職員が派遣されていることかと思うが、プロパー職員を増やした方が、専門性を高めていろいろな事業を行うという意味では非常に良いと思う。職員構成を見ると、臨時任用職員が増えたり、嘱託員が増えたりしているが、これは数年単位の契約であるため、事業の引継ぎや専門性を深めることはできないと思う。しっかりとした知識の集約や様々な要望を受けて、新たな国際交流施策を進めていかなければならないと思うがいかがか。
- 86:【国際課主幹(国際交流)】
まず、県派遣職員については、管理職手当のない者となっている。
プロパー職員を増やしていく必要性については、専門性を高め、国際交流協会の機能を高める上で重要な視点である。一方で、年々予算が減少している中、人件費が固定するプロパー職員の増員は困難である。協会でもそういった問題意識は持っており、事務の引継ぎ、記録の保持などでノウハウの蓄積に努めていると聞いている。
- 87:【石井芳樹委員】
県職員の平均給与が41万円でプロパー職員が34万円なので、プロパー職員に切り替えた方が良い気がするが、情報を集約して、しっかり動けるような国際交流協会にしてもらいたい。
各市町村にある国際交流協会との連携はどのように行っているのか。また、各市町村の人材育成のために講座も行っているが、その効果はどうか。
- 88:【国際課主幹(国際交流)】
各市町村にある国際交流協会との連携については、年2回、国際交流推進会議を実施することで、市町村の国際交流協会との情報交換に努めるとともに、市町村で行っている各地区ブロック会議にも協会職員が出席し、情報の交換・共有、課題の把握に努めている。
また、市町村や市町村の国際交流協会の職員を対象とした人材育成については、国際交流や多文化共生の活動を進めていくために必要となる知識やノウハウを学び、スキルアップすることができる講座を開催しており、一定の成果を上げていると認識している。
- 89:【石井芳樹委員】
草の根で国際交流を進めていくためには、市町村においてもスキルアップをしっかり行うことで意識も変わると思うので、しっかりやってもらいたい。
次に、県の友好提携姉妹都市との交流事業はどのように行っているのか。
- 90:【国際課主幹(国際交流)】
協会独自で、愛知県の友好提携地域であるビクトリア州及び江蘇省と交流する形は取っていない。県が交流事業を行う中で、来県の際の視察や歓迎会などにおいて協力してもらっている。
- 91:【石井芳樹委員】
例えば、横浜では、南海トラフの大震災に備えて、災害時に「情報センター」を設置し、要援護者である外国人に必要な情報を翻訳したり、地域防災拠点へ通訳ボランティアを派遣したり、相談、問合せに対応できる仕組みを作っている。
愛知県国際交流協会としては、大規模災害に備えて、どのような取組を行っているのか。
- 92:【多文化共生推進室長】
現時点においても、県と愛知県国際交流協会とが連携し、次の三つのことを実施することとしている。
一つ目は、外国人支援のための相談対応であり、災害発生時に、県からの要請に基づき、「外国人緊急相談窓口」を開設し、外国人県民からの相談に対応して、災害に対する不安を少しでも解消できるよう、努めることとしている。
二つ目は、多言語による情報発信であり、協会が運営している愛知県国際交流情報システム、通称i-netにより、災害情報を提供するとともに、県内ラジオ局を始めとした各種メディアとの連携を図ることとしている。
三つ目は、市町村等への語学ボランティアの派遣である。協会では、災害発生時に外国人支援ボランティア本部を立ち上げ、県、市町村、市町村国際交流協会などからの要請に基づき、語学ボランティアの派遣や翻訳を行うこととしている。
本年度はこれらの施策を更に実効性のあるものとするため、災害時に多言語などで情報提供をするだけではなく、積極的に被災者のニーズ把握を行った上で支援を行う、災害多言語支援センターを協会に設置するための検討を、担当者レベルではあるが、県と協会、県防災局職員の参加も得て進めている。
また、多文化共生推進室では、健康福祉部が所管する愛知県災害時要援護者広域支援体制検討プロジェクトチームにも参画し、高齢者や障害者と並んで要援護者となる外国人を広域的に支援する仕組みづくりに向けた検討を行っており、協会との仕組みづくりに反映させていきたいと考えている。
- 93:【石井芳樹委員】
本県には20万人の外国人がいるが、外国人は宗教観、文化、言語が違う。災害時には避難、生活の仕方も違うと思われる。災害多言語支援センターの充実を要望する。
名古屋市も名古屋国際センターで国際交流活動を行っている。愛知県国際交流協会と名古屋国際センターを統合することによって、県の負担軽減と効率化はできないのか。
- 94:【国際課主幹(国際交流)】
名古屋国際センターは、名古屋市民を対象とした国際理解・多文化共生を推進する事業を行っているのに対し、愛知県国際交流協会は、愛知県下全域を対象としたイベントや人材育成講座の実施、市町村や市町村の国際交流協会への協力や支援を行っており、それぞれ存在意義があると考えている。その一方で、ワールド・コラボ・フェスタや国際理解教育セミナーなど名古屋市内でのイベントの開催やラジオによる外国人向け情報提供では、両者連携の下、効果的に事業を実施している。県の負担軽減に向け、主に名古屋市で行う事業について連携を図ることにより、効率的・効果的な実施に努めていきたい。
- 95:【石井芳樹委員】
県内の外国人は、名古屋市と県の行政区分は余り気にしていないと思う。少しでも事業を統合できるところはして、効率アップと固定費の削減に努めるように検討してほしい。
国際交流協会が行う日本語学習支援事業について伺う。これは、外国人の子どもの日本語学習支援に地域を挙げて取り組んでいる事業であり、個人、企業を含め約2億4,500万円の寄附金を募り運営を行っている。本来は平成24年度で終了する事業であったが、3年間の延長が決まったと聞いている。その理由はなぜか。
- 96:【多文化共生推進室長】
基金を立ち上げる際に、経済団体との調整において、基金の運用には期限を設けることとし、平成24年度までの事業としたが、リーマンショックに端を発した景気後退により、愛知県の在住外国人が減少し、子どもの人数も減少したことから、基金創設時の見込みよりも、外国人学校数は減少し、日本語教室は予想ほどには増加しない状況となった。その結果、基金に残額が発生することが、平成23年度中に確実となった。そこで、平成23年度中に、協会において、助成対象者側のニーズを把握したとのことである。その方法としては、名古屋市を含む尾張地域、西三河地域、東三河地域のそれぞれで、日本語教室を対象とした意見交換会を実施し、また、外国人学校については、平成23年度当時、県内に存在した助成対象校9校全てを個別に訪問して、ヒアリングを実施したところ、支援を望む意見がほとんどであった。それを踏まえ、基金残額を考慮し、現状の助成額で1年延長する、あるいは、助成額を縮小して3年間延長するといった複数案を検討した結果、平成27年度まで延長することとし、最終的には、経済団体、学校、市町村、県国際交流協会の代表で構成される日本語学習支援基金運営委員会で承認をいただき、決定したものである。
- 97:【石井芳樹委員】
基金残と要望が多かったため3年間延長したとのことであるが、終了後の平成27年度以降は、どのような形で支援を行っていくのか。
- 98:【多文化共生推進室長】
助成対象である県内の日本語教室や外国人学校には、当初よりこの基金は期限付であることを承知してもらっている。
延長の3年間については、各教室や学校の運営が継続できるように、助成対象を変更したり、民間など他からの助成金を獲得するための情報を提供している。具体的には、外国人学校については、助成の対象を講師の派遣から直接雇用に一本化して、基金終了後も事業の継続につながるようにし、また、情報提供としては、既に日本語教室のメーリングリストを立ち上げて、県、国際交流協会、日本語教室同士が、有益な情報を交換できるようにしている。
一方、国の施策においても、徐々に、外国人児童生徒の学習環境が整備されつつある。具体的には、平成22年に策定された「日系定住外国人施策に関する指針」に基づき、平成23年に行動計画が策定され、子どもを大切に育てていくための施策が位置付けられた。これを受けた文部科学省の施策の最近の例としては、学校教育法施行規則の改正により、来年度から、日本語指導が必要な児童生徒を対象とした特別の教育課程が正規の授業に位置付けられる予定があることなどがある。
こうした国の施策は、愛知県としての要望や、本県を含む在住外国人が多い7県1市で構成する多文化共生推進協議会などの国に対する要望活動の成果でもあり、こうした活動を継続することにより、基金終了後も、愛知県在住外国人の子どもの日本語学習の機会が確保、充実されるように取り組んでいく。
- 99:【石井芳樹委員】
例えば、県営住宅に住む外国人が増えてきているが、言葉が通じず、共益費の集金に困っていると聞く。親、子どもを含めて日本語をしっかり学んでもらうことが県の施策としても大事である。国の体制整備ももちろんであるが、県もしっかりと日本語教育に取り組んでもらいたい。
公益財団法人を作ると、県の主軸から枝葉に移るので、議会から目の届きにくい部分となる。よく見るとまだ無駄がある。県もしっかりとチェックしてもらいたい。例えば、名古屋国際センターと事業調整を図り更なる効率化を目差してもらいたい。
三の丸庁舎は複合庁舎であり、尾張県民事務所、尾張建設事務所、国際交流協会等が入っている。管理区分も別々であるが、例えば、清掃に関しては一括発注で行った方が安いと思うが、協会は独自でやっているとのことである。来年度予算では改善をしてほしい。