県政報告
平成21年一般会計・特別会計決算特別委員会
2009年11月12日
(主な質疑)
- 1:(主な質疑)
《建設部関係》
【長江正成委員】
決算に関する報告書251ページの砂防管理費の中にある砂防計画調査費と、253ページの土砂災害防止対策推進調査費は、どのような違いがあるのか。
- 2:【砂防課長】
砂防計画調査費は、地すべり防止区域や急傾斜地崩壊危険区域を指定するために現地で測量等を行うための調査費である。土砂災害防止対策推進調査費は、土砂災害防止法に基づき警戒区域を指定するために現地で測量調査を行うための調査費である。
- 3:【長江正成委員】
現地における調査費というのは分かったが、土砂災害防止対策推進調査費の方が、調査範囲が広いのか。
- 4:【砂防課長】
土砂災害防止対策推進調査費の土砂災害防止法に関する調査は、面積としては砂防計画調査費とほとんど差はない。
しかし、砂防計画調査費は横断図のピッチなどの精度が高いため件数は少なくなる。それに対して、土砂災害防止対策推進調査費の精度はそれほど要求されていないので箇所数は多くなっている。
- 5:【長江正成委員】
尾張建設事務所管内の橋りょうの状況を調べたが、意外と橋りょうの修繕がされていないように感じた。橋りょう修繕の間隔年数を教えてほしい。
また、車道と歩道の部分が分離されている橋りょうで、特に人が渡る人道橋については、主部材より高欄の方が大事だと思うが、橋りょうの修繕では主部材と手すりや高欄部分のどちらに重点が置かれているのか。
- 6:【道路維持課長】
順次点検を行っているが、現在点検の途中であり、修繕計画を現在策定中である。現在の修繕方法は、各事務所が現場を見て修繕が必要な箇所を把握するというもので、年間300橋くらい要望がある。約10億円でその約3分の1の80橋から100橋くらいの工事を行っている。各事務所からあがってくるものの中で、緊急性の高いものから順次修繕している。
人道橋の高欄についても、事務所から状態が悪いと要望があがってきたものを補修する形で行っている。
- 7:【長江正成委員】
尾張建設事務所管内で来年度以降要望にあげるものについて、自分の印象では主部材と高欄部材を同一視しているように思えた。特に人道橋のような高欄については、橋りょうの主材部とは違って小さな子どもが触るので、人の手が触れるという感覚を持ってもらいたい。今後の高欄の整備計画については主部材と併せて行うことを要望する。
- 8:【米田展之委員】
道路や橋りょうの、新規建設と維持補修の比率はどれくらいか。また、だんだんメンテナンス費用が増えていると思うがどうか。
- 9:【建設部長】
まず、管理に関する費用は、決算に関する報告書の241ページに掲げている道路橋りょう管理費、ここに予算現額440億円余を掲げてある。一方で新設に関する費用は、決算に関する報告書の244ページと245ページで道路新設改良費で629億円余、橋りょう新設改良費が104億円余を掲げている。二つ合わせて約730億円であり、これが主に建設に投じられている予算である。およそ2対1くらいの割合で約1,100億円のうちの約700億円が新規建設、約400億円が管理というのが現状の投資額である。
- 10:【米田展之委員】
高度成長期時代に造ったものの補修がだんだん出てくると思うが、以前本会議で質問した時に、決まった方式はなく、道路では早め早めの目視、橋の場合では国から通達をチェックのきっかけにしているということであった。
増えてくる補修費用を、効率的にしていくやり方について、自宅の壁のペンキなどでも早めに塗った方が安く済むが、建設部として道路・橋りょうの補修のコンセプトはあるのか。
- 11:【道路維持課長】
現在、舗装と橋りょうについては、順次点検をしながら、アセットマネジメントという手法を取り入れて行っている。
ある程度損傷が現れた時に、事前にやれば安く済む。例えば橋りょうなどで、ある程度手をかければより長持ちするので、壊れるまで放っておくのではなくてある程度のところで直していくという計画を持とうということである。
予算についても、点検後にどのくらいの補修費が必要で何年後にはどうなるか予測を立て、それを平準化することを考えている。
- 12:【米田展之委員】
アセットマネジメントという言葉が出たが、分かりやすく説明してほしい。
- 13:【道路維持課長】
普通は対症療法的なことでやっていくが、対症療法的にやっていくとどんどん悪くなって、ある時期になると手が付けられない量になってしまう。それをある程度予測して、例えば舗装については点検を何回か行い、壊れる速度などを調べて、何年後にはどういう状態になるかを予測する。その頃には補修費はこれくらいかかるが、それを前もって補修して平準化していくと予算が年々で大きくならずに行えるという手法である。
- 14:【米田展之委員】
分かった。この手法は、デジタル化したデータを持っていないとできないと思うが、ソフトウェアはあるのか。
- 15:【道路維持課長】
今の道路の路面でいうと、3年に1回ずつ専用の車で走ってデータを集めている。3年に1回なので、9年前、6年前、3年前、現在のデータをもとに、式を作ってどのように壊れるのか予測していく形にしている。
橋りょうも、できた年から何年目であるとか、現場を点検して、損傷度を測って、予測をしていく形になる。そのようなデータを蓄積している。
- 16:【米田展之委員】
県道や橋りょうの電子データは全部整っているのか。
- 17:【道路維持課長】
道路は何年に造ったというデータはあるが、例えば修繕作業を行えば、直した時からどのくらいかということになる。橋りょうは造った年は分かっているので、データベースとして持っている。
- 18:【米田展之委員】
先日、首都高速道路株式会社の技術担当と話をしたが、首都高速道路株式会社は全部のデータを持っていて、データをもとに劣化の状況を算出し、目視と兼ね併せて行っているとのことであった。これに比べ、愛知県は少し遅れていると感じた。
データを蓄積し、情報をデジタル化していく作業を進めたらと思うがどうか。
- 19:【道路維持課長】
現在、路面の性状調査で、ひびわれ・縦断方向のわだちぼれ等を測る機械を積んだ車を走らせて調べている。そのデータを蓄積して、全県の分は3回を測り終える時期に入っている。橋りょうは国からの点検の指導もあり、5年に1回の点検をしていこうとしている。15メートル以上の橋については、今年で点検を終わる予定である。15メートル未満についても、平成23年度までには終わろうということで、データの蓄積に努めている。
- 20:【米田展之委員】
地震で橋りょうが壊れた時に設計図面がなくても、データベースによりいつごろ工事をしたのか瞬時に分かるのか。補修で直す時に工事がいつ頃行われたとか、どこに図面があるのかも分かっているのか。
- 21:【道路維持課長】
災害などの場合は、橋りょうはデータとしてあるので、いつ造ったかは分かるが、災害でどこが壊れたかということは調査しないと分からない。そのことについては、緊急点検の業者との協定を結んでおり、すぐ業者にどこが壊れているかを見てもらい、復興の計画を立てるようにしている。
- 22:【米田展之委員】
決算に関する報告書の257ページの漁港施設長寿命化計画策定費の内容は何か。
- 23:【港湾課主幹(漁港・埋立)】
漁港施設は、建設から30年から40年たっており、老朽化した施設の延命化を図るため、施設ごとに的確な点検補修計画を策定するものである。
- 24:【米田展之委員】
延命化対策のイメージはどういうものか、道路や橋りょうのアセットマネジメントと同様のものか。
- 25:【港湾課主幹(漁港・埋立)】
漁港施設の延命化のイメージは、例えば鋼製の防波堤で海水の塩分により腐食が進んで穴が開いてしまったような箇所をコンクリート等により補修しており、その点検補修計画を個々の施設ごとに策定している。
- 26:【米田展之委員】
道路や橋りょうのアセットマネジメントと比較すると原始的だが、しっかりやってほしい。
流域下水道の汚泥を炭化し、石炭の代替燃料として利用する事業の進ちょく状況と稼働状況はどうか。
- 27:【下水道課長】
現在、衣浦東部流域下水道における汚泥燃料化施設の発注手続きを進めており、次の県議会においてその契約について審議することとしている。平成23年度末までに建設し、平成24年度から稼働したいと考えている。
- 28:【米田展之委員】
下水にはリンが含まれているが、処理しきれずに河川等に放流されている。農業上貴重な資源であるが、世界的に不足している。リン回収について取り組む予定はあるのか。
- 29:【下水道課長】
岐阜市でリン回収を進めているが、処理費用がかかる。そのため、処理単価等が経済的に見合うようになるのを待って、検討していきたい。
- 30:【石井芳樹委員】
決算に関する報告書の265ページの愛・地球博記念公園交流推進費について、様々なイベントで入場者数も次第に増えている。昨年が119万人であるが、青少年公園時代の一番多い時の230万人くらいの入場者を予定していると聞く。森の学舎を整備し、今、地球市民交流センターを整備しているが、キャンプ場やサイクリングロードの整備も含めて、今後230万人という数字に及んでいくのか。それともソフト的に今後、何か新しい事を考えているのか教えてほしい。
- 31:【公園緑地課主幹(大規模公園)】
愛・地球博記念公園の入場者であるが、119万人というのは平成19年度の数字であり、平成20年度は121万人で若干増加している。
愛・地球博記念公園では順次、整備を進めており、現在のところ全体計画面積の194.2ヘクタールのうち114.8ヘクタールとほぼ6割程度の供用をしている。現在、愛・地球博記念公園のリニモ駅前で建物を造っており、地球市民交流センターという公園の中心的な施設になるが、その整備を特に進めており、それが完成したときには多くの方々にまた集まってもらえると思っている。イベントやソフトの関係でもかなり努力をしており、私どもが主催するイベントの他にも民間、あるいは県の他の組織が実施している持込イベントも実施しており、今年については昨年度よりもかなり多くのイベントが実施されている。
公園全体の計画入場者数であるが、青少年公園時代に年間280万人という数字が残っており、310万人という公園の予定人員を考えている。ただ現在のところ121万人でこれから施設整備を進めていくが、まだ至っておらず、より一層の努力が必要と思っている。
- 32:【石井芳樹委員】
6割の供用実施状況で昨年度121万人ということで、残り4割の供用開始後の魅力で121万人から310万人と約200万人増やしていくのは、よほどの施設を作らない限りは難しいのではないかと思うが、その点を聞かせてほしい。
また、答弁の中に市民参加やいろいろな催し物をしているという話であった。確かに公園マネジメント会議も立ち上げていろいろなボランティアの方々が参加し会議をし、運営について議論をし、そしてイベントをしている。公園緑地課の皆さんが一生懸命にやっているのは理解しているが、実際に公園を管理している人たちと住民の人たちがぶつかりあっていると聞いているが、そのことを承知しているかどうか。
- 33:【公園緑地課主幹(大規模公園)】
現在の入場者数が121万人で計画と格差があるのは認識している。これからの整備においては、主要な施設ができていくのでかなり増加していくと思っている。サイクリングロードやデイキャンプ場などかなり魅力的な施設の整備が進んでいくので、かなりの部分で増えていくと思う。また、イベント等の実施においてその格差を穴埋めする努力を更に進めていく必要があると思う。
2点目の公園の管理は、現在は都市整備協会が管理・運営をしている。都市整備協会においては地元の団体等と協働してイベントを実施したり、リニモの関係の協議会等とも協働したイベントを行うなどの努力をしていると思っている。
一部、地元の人からの意見があることは聞いているので、確認をして改めていきたい。
- 34:【石井芳樹委員】
なかなか今から200万人増やすのは難しい。やはりマンパワー、住民の皆さんの力が必要だと思う。万博を県民総ぐるみで成功させた熱が未だ冷め止まない人たちが一生懸命盛り上げようとしているし、観光に対して寄与しようとしている人たちも実際に多くいるが、様々な問題が出ている。都市整備協会とぶつかり、最終的には面倒だとやめてしまう人もいる。県庁の方でも少しでもマンパワーを有効に活用できる組織作り、システム作りをしてもらうことを要望する。
- 35:《警察本部関係》
【長江正成委員】
決算に関する報告書の285ページの自動車保管場所適正化推進費の内訳を教えてほしい。
- 36:【交通部長】
自動車保管場所適正化推進費の約7億9,000万円のうち約5億9,000万円は、その車庫の調査委託費である。また、車庫のデータ入力を行う職員の賃金が約8,000万円で、その他、保管場所システムの維持費や機械のリース料などである。
- 37:【長江正成委員】
自動車保管場所63万件に対する調査委託費が約5億9,000万円なのか。
- 38:【交通部長】
そのとおりである。
- 39:【深谷勝彦委員】
決算に関する報告書の281ページの交通安全施設整備費の信号機新設について、大府市内で予算の不足により信号機が設置されなかったため、市道が開通できなかったということがあったようだが、どういう理由でそのようになったのか。
- 40:【交通部長】
道路の新設に伴い信号機を必要とする場合、基本的には道路管理者等からの申請に基づき、具体的な場所について信号機の必要性を道路管理者と協議し、必要と判断される場合はその道路の開通に合わせて設置できるよう予算要求しているが、その件については、道路管理者からの申請の遅れなどから予算申請の期限が過ぎていたため、間に合わなかったものである。
- 41:【深谷勝彦委員】
このようなことは県内で他にもあるのか。
- 42:【交通部長】
基本的に道路管理者とは常に緊密な連携を取り必要な場所については、必要な時期に間に合うように予算要求をしているので、このような例はなかった。今後ともこのようなことのないように連携に努めていきたい。
- 43:【深谷勝彦委員】
厳しい予算の中で、信号機については他の県会議員も多数要望を抱えているので、警察としても地元の市や町、管理者としっかり連携していただいてこのようなことがないように取り組んでほしい。
- 44:【直江弘文委員】
決算に関する報告書の277ページのパトロールカー動態管理システム運営費について、通報から何分くらいで警察官は現場に駆けつけられるのか。
- 45:【地域部長】
カーロケータシステムは、警察本部通信指令室で県内のパトカーの動態を掌握するシステムである。事件・事故発生の際、迅速かつ効率的に現場にパトカーを到着させることを目的に運用している。到着までの時間の具体的な数値をリスポンスタイムと言うが、平成15年は8分余りかかっていたが、その後、システムの効率化や機能の高度化により、平成20年は7分45秒となり、20秒余り短縮している。
- 46:【直江弘文委員】
110番通報後、すぐに警察官が駆けつけるように努力してもらいたい。また、警察官の姿が常に街の中で見られるようにしてもらいたい。
留置場が不足していると聞いていたが、現在も留置場が不足しているのか。また、刑務所の状況も分かれば教えてほしい。
- 47:【総務部長】
留置施設については、現在は936名の収容が可能である。現状は800名弱であり、今の状況で行けば当面は大丈夫である。刑務所の状況については、把握していない。
- 48:【直江弘文委員】
先日、警察委員会で港署、水上署を視察したが、港署と水上署は非常に近い所にある。港署は港区の東にあり、港区の人口増加は西の方である。署を港区の真ん中に移転してほしいが、警察署は何年くらいで建て替えるのか。
- 49:【総務部長】
現在のところ、30年以上経過している署は28署ある。水上署は41年ほどたっているが、改築する場合は場所も必要なので、今後検討していきたい。
現在、警察全体で警察施設の将来構想を作り、それに基づいて、どのような状態で継続的に警察署を建設してもらうかということを計画しており、また、県当局にも投げかけている。
経費もかかり簡単にはできないが、警察署は46署あり、一年に一署ずつ建て替えたとしても、46年かかるわけで、少しでも遅れるとすぐに60年経過してしまう。
60年ほど経過した古い警察署で、東海地震や東南海地震がきた時に本当に十分なのかという問題があるので、これから県当局に要請をし、また設置場所についても、地元の意見等も反映させるなど、いろいろなことを加味しながら検討していきたい。
- 50:【住田宗男委員】
決算に関する報告書の280ページの交通指導取締費について、先ほどの説明の中で、交通指導取締のための資機材整備に使ったとあるが、交通指導取締費の約11億円のうちでどれくらい使ったのか。
- 51:【総務部長】
交通指導取締費で購入した物件は、速度違反自動取締装置2式、いわゆるオービスであるが3,559万5,000円、呼気中アルコール測定器が787万5,000円、風船を膨らませて検知する飲酒検知管が451万5,000円、車両重量違反を取り締まるための車両重量計171万7,527円等を購入している。
- 52:【住田宗男委員】
道路交通法違反の検挙や放置違反金による歳入はどれくらいの金額で、どこの歳入になるのか。
- 53:【交通部長】
平成20年度中における道路交通法違反の処理件数については約55万件であるが、交通違反は大きく分けると、飲酒運転や無免許運転、あるいは著しい速度違反など交通切符で処理する悪質な違反、駐車違反や信号無視、一時不停止などの交通反則通告制度を適用して交通反則切符を交付し、反則金を納付する一般的な違反、更には、シートベルトの非着用、ヘルメットの着用義務違反など、反則金等の納付はなく行政処分の基礎点数のみが付加される違反がある。大きく分けるとこのような三つの違反があり、これらの総検挙件数が55万1,000件余りである。
このうち反則金の納付対象である違反については約39万件であり、うち反則金が納付されたのが約38万件で、反則金の総額としては約38億円になる。
この反則金については、一旦国庫に納入された後、交通安全対策の一環として、道路交通安全施設の設置及び管理に要する費用に充てるため、各都道府県及び市町村に対し、交通安全対策特別交付金として交付されることになる。
交付金については、交通事故の発生件数や人口の集中度、その他道路の整備状況等を勘案して算定され交付されるが、県に交付された交付金については、道路管理者及び公安委員会が行う道路安全施設整備事業に充てられることになっている。
ちなみに、平成20年度に愛知県に交通安全対策特別交付金として約24億円が交付され、そのうち公安委員会には約6億円が配分されている。
その他にも、県内の各市町村に約20億円が交付されており、愛知県全体の交付金の総額は約44億円になる。
次に放置車両確認標章の関係であるが、平成20年度中の放置車両確認標章取付件数は約19万件で、そのうち反則切符を交付し、反則金が納付されたものは約4万8,000件ある。これは交通違反処理件数の55万件に含まれているが、反則金の納付額は約7億5,000万円で、これは先ほど申し上げましたとおり国庫に納付されている。
これに対し、警察署等に出頭せず、放置違反金の納付命令を受けたものは約11万件で、金額にすると、約16億7,000万円が県の一般財源に入っている。
- 54:【住田宗男委員】
民間委託に支払った費用と納入された金額はどのくらいか。
- 55:【駐車対策課長】
民間委託に要した経費は9億282万円である。
- 56:【住田宗男委員】
19万件はすべて民間が行ったものか。
- 57:【駐車対策課長】
警察官と駐車監視員と両方の件数である。
- 58:【住田宗男委員】
駐車違反としてどのくらいの額があるのか。
- 59:【会計課長】
放置違反金としての県への収入額は平成20年度で18億7,443万円であり、歳出予算を大幅に収入額が上回っている状況である。
- 60:【住田宗男委員】
今後駐車監視員を増やす方向にあるのか。
- 61:【交通部長】
現在、駐車監視員を委託しているのは23警察署であるが、これらの警察署における駐車違反の取締り件数は、県内全体の取締り件数の約98パーセントを占めているので、現時点では、拡大は考えていない。
- 62:【石井芳樹委員】
歳入歳出決算書の20ページの警察費の予算現額に対して不用額が多いように思うが、具体的に何が不用額となったのか。
- 63:【総務部長】
警察費不用額は49億3,893万円余であり、予算現額に対して2.9パーセントである。不用額のうち、最も多いものが職員給与費で37億6,969万円余であり、全体の76.3パーセントを占めている。年度途中での退職者や休職者などの欠員が生じて給料等に不用額が生じたこと、採用必要数を確保できなかったこと、勧奨退職者等の予定者数が見込みより少なかったことなどが原因であると考えている。
- 64:【石井芳樹委員】
県の定数は現在、何名なのか。
- 65:【警務部長】
現在、警察職員を含めた県の定数は1万4,265人で、そのうち警察官は1万3,300人であるが、多くの欠員を抱えている状況である。
- 66:【石井芳樹委員】
今後、欠員を解消する施策等を考えていれば示してほしい。
- 67:【警務部長】
まずは、欠員の要因、採用が追いついていない要因であるが、平成15年当時と比較すると受験申込者数が、随分と減少しているという実態がある。県警としてもそういった実態に即して、警察官として一番大切な使命感や正義感あるいは法を適正に執行する知識や体力などの資質を有していると認められる適格性のある受験者が必要であったが、その数が必要数に達しなかったという状況である。
そこで、就職活動を行っている学生等に対して、警察の業務を理解してもらうために、「企業展」への積極的な参加やブース形式による就職説明会において現役警察官と直接対話し関心を高めたり、あるいは皆さんの関心が一番高く同時に不安にも感じている警察学校について「警察学校見学会」を開催して実際に体験をしてもらったり、その他にも若い学生の多くが利用している就職情報サイト「リクナビ」「マイナビ」を積極的に活用するなどいろいろな工夫をして、取り組んでいる。
更に、現場に一番近い県内46警察署にも、採用担当者を指定して、しっかりと採用に励んでいる。
- 68:【立松誠信委員】
決算に関する報告書の278ページから279ページの運転免許費について、予算現額が当初予算額と違っているのはなぜか。
- 69:【交通部長】
当初予算は約24億9,000万円であったが、IC免許証の導入に伴う免許作成機器に関して、入札予定価格よりも落札価格が大幅に下回ったことなどから、予算現額が当初予算よりも減少した。この減少した額、執行残については、本年2月議会で約5,000万円の減額補正を認めてもらった。したがって、当初予算から減額補正分を差し引いた額が決算報告書の278ページの運転免許費の予算現額となっている。
- 70:【立松誠信委員】
平成20年度の受験料・受講料の収入はどれくらいか。
- 71:【交通部長】
平成20年度における受験料・受講料の収入は48億600万7,500円である。
- 72:【立松誠信委員】
それは決算報告のどこに記載されているか。
- 73:【交通部長】
決算に関する付属書の39ページの自動車運転免許等手数料が受験料・受講料に当たる。
- 74:【立松誠信委員】
予算書の歳入で言うと、受験料・受講料は使用料及び手数料に見込まれていると解釈してよいか。
- 75:【交通部長】
そのとおりである。
- 76:【米田展之委員】
決算に関する報告書の279ページの警察活動費について窃盗犯全体及び自動車盗に関して、過去3年間及び本年の発生と検挙の状況を伺う。
- 77:【刑事部長】
まず、県内における過去3年間及び本年10月末現在の窃盗犯の状況について、窃盗犯の認知件数は、平成15年をピークに年々減少しており、平成18年が11万8,247件、平成19年が10万8,063件と、平成15年当時に比べ約6割にまで減少したが、平成20年は11万65件と増加に転じている。いずれも10万件を超える発生状況であり、刑法犯全体の認知件数の約75パーセント以上を占めている。本年10月末現在では9万4,424件発生しており、前年同期と比較をして2,000件以上増加している厳しい状況にある。
一方、検挙状況については、平成18年中が検挙件数2万1,079件、検挙人員9,929人、平成19年中が検挙件数1万8,401件、検挙人員9,565人、平成20年中が検挙件数2万4,005件、検挙人員8,762人であり、検挙件数は昨年増加をしたが、検挙人員が減少傾向にある。本年については、こうした犯罪の増加を受け、緊急検挙活動強化対策の実施、あるいは捜査第三課、国際捜査課の体制を増強して捜査活動を強化した結果、本年10月末現在で、検挙件数2万3,961件、前年同期比で3,663件、18.0パーセントの増、検挙人員8,027人、前年同期比で681人、9.3パーセントの増と、いずれも前年同期と比べ増加させている。
次に、自動車盗の状況について、認知件数は、平成18年中が3,724件、平成19年中が3,053件、平成20年中が4,001件となっており、昨年はハイエース等の特定車種を狙った組織的な窃盗団の犯行が急増し、増加に転じた。本年に入ってからも増加傾向にあり、10月末現在で3,837件、前年同期比で541件、16.4パーセントの増と昨年同期比を上回る増加の状況であるが、外国人組織窃盗団を検挙するなど的を絞った検挙対策により、10月の認知件数は、月単位でみると本年の最小値となっている。
また、検挙状況については、平成18年中が検挙件数919件、検挙人員264人、平成19年中が検挙件数660件、検挙人員130人、平成20年中が検挙件数396件、検挙人員110人であり、検挙状況は落ち込んでいたが、本年については10月末現在で、検挙件数1,049件、前年同期比で679件、183.5パーセントの増、検挙人員99人、前年同期比で6人、6.5パーセントの増と、特に検挙件数を大幅に増加させている。
- 78:【米田展之委員】
その状況に対する現在と今後の取組について伺う。
- 79:【刑事部長】
窃盗犯及び自動車盗における現在の取組については、刑法犯認知件数の増加傾向に歯止めをかけるため、5月から9月までの間実施した緊急検挙活動強化対策、更に11月を窃盗犯捜査活動の強化月間に指定をして、捜査第三課、国際捜査課などの事件主管課を始めとして、県警の総力を挙げた窃盗犯捜査を強力に推進しているところである。また、捜査体制についても、自動車盗、車上ねらい等の自動車関連窃盗に対する捜査力を強化するため、本年の秋には、捜査第三課に自動車関連窃盗捜査第二係を増設させるなどの対策をとっている。更に、9月からは犯罪の多発警察署に警察本部員を緊急派遣して、検挙を目的とした街頭活動を強化しており、11月末までに延べ約2,300人を派遣する予定である。
また、防犯対策としては、自治体に対して安全なまちづくり条例の制定を働きかけて、安全なまちづくりのための仕組み作りに努めており、60の自治体のうち、既に46の自治体で制定され、また12の自治体で制定が予定されているほか、各種広報媒体を利用した犯罪情報の発信、防犯講話などにおいて、県民の人々に「鍵かけの励行」など、防犯意識の高揚を図るための広報啓発活動を推進している。多発犯罪の対策としては、特に駐車場、駐輪場に対する防犯カメラの設置や一般住宅に対するCP建物部品の普及など、ハード面の対策を促進しているほか、特に自動車盗の対策として、愛知県自動車盗難等防止協議会等の関連事業者の方々と連携をして防盗性能の高い車両の普及を働きかけているところである。
窃盗犯を検挙するため、懸命に捜査を行っており、本年4月には中国人らによる11都府県にわたる広域空き巣窃盗団、5月にはスズキワゴンR対象のブラジル人による組織自動車盗グループ、8月、10月にはトヨタハイエース対象のナイジェリア人、ウガンダ人らによる組織自動車盗グループを検挙した。
今後の取組としては、検挙対策においては窃盗犯の特徴及び傾向を的確に分析するほか、限られた捜査体制の中で連続犯などの多発犯罪に的を絞った捜査活動を強化するとともに、検挙の力による安全・安心を確保していかなければならないと考えている。
自動車盗の具体的な検挙対策としては、税関・運輸支局等の関係機関、民間修理業者等の関連業者との連携を図るとともに、職務質問あるいは自動車検問等による盗難車両発見活動の強化、関係警察署間の合同捜査、他府県警察との情報交換の推進、警察内関係各部との連携による窃取した車両を解体、隠匿する工場の把握、出入りする外国人による不法行為の突き上げ捜査の徹底、名古屋税関と協力して、海外輸出される車両、重機に対する水際対策の徹底、こうした対策を防犯対策と併せて継続して取り組んでいく