県政報告
(主な質疑)
- (主な質疑)
《議案関係》
なし《一般質問》
【熊田裕通委員】
元事務長の着服について、事件の概要を改めて説明してほしい。
- 2:【総務課長】
この事件は、今年の7月に県税事務所職員による物品購入に係る詐欺事件を受け、全県立学校において過去5年間の県費、私費の物品購入に係る職場総点検を実施した際、尾北高校において2か年続けて全く同一の支払内容のものがある旨の報告があり、県教育委員会職員による実地調査を行ったところ不正行為が判明した。元事務長は今年3月に退職しているが、平成8年度から11年度まで一宮北高校、12年度から15年度まで尾北高校、16年度から18年度まで一宮商業高校で事務長として勤務していたことから、尾北高校以外の2校についても調査した結果、各学校においてPTA会計などから、一宮北高校では172万9,825円、尾北高校では311万7,730円、一宮商業高校では259万9,968円の合計744万7,523円を着服した事実が判明した。なお、一宮北高校以前の学校については、文書が廃棄済みであることから、確認することができなかった。着服方法としては、過去の支払済みの支払調書に添付されていた請求書等を使用して架空の支払調書を作成して払い出した金額を着服、領収書の金額を改ざんして水増しし、払い出した金額との差額を着服、支払調書の金額以上の払出しをして、本来支払う金額との差額を着服していたものであった。元事務長はこの着服金を自らの遊興費に充てていた。なお、今回の着服金については、去る11月30日に利息195万1,511円とともに全額弁済されている。
- 3:【熊田裕通委員】
いろいろな方法で不正を行っているが、なぜこのような不正ができたのか。また、平成8年から11年間、監査もあった中で、見つけられなかった原因は何か。
- 4:【総務課長】
元事務長の規範意識や服務規律が全く欠如しており、本人の資質によるものが大きいと考えられる。会計処理上の問題点としては、事務長は金銭の出納に係る責任者として、支払業務を適正に管理する立場にあるが、今回の場合は元事務長が併せて私費会計の担当者となり、発注から支払いまですべての業務を一人で担当していたため、チェック機能が働かなかったことが挙げられる。また、本来、私費会計に係る預金通帳は、出納責任者である事務長が保管管理し、払出しに係る印鑑は校長の私印で校長が保管管理すべきであるにもかかわらず、実際には印鑑についても元事務長が管理しており、元事務長は自由に預金を払い出すことができる状態になっていたことも問題点と考えている。
更に、11年間にわたって不正行為が発見できなかった点については、今回の場合、元事務長が併せて私費会計の担当者となり、発注から支払までを一人で担当する体制となっており、チェック機能が働かなかったこと、業者等に対する支払いは滞ることなく行われていたことから、業者等から支払遅延のクレームがなかったこと、帳簿については帳尻が合うように偽造・改ざんされていたという3点の理由により、長年にわたって不正行為が発見できなかった。
- 5:【熊田裕通委員】
元事務長は退職しているため処分は難しいと思うが、刑事告発や関係者の処分はどう考えているか。
- 6:【管理部長】
元事務長については退職していることから、人事上の処分をすることはできないが、在職中の不正経理については業務上横領に当たるとして、学校長が警察に刑事告発の手続をしているところである。また、元事務長に退職手当を支給しているが、今回の事例が在職中に発覚した場合は懲戒免職相当の処分となることを考慮し、自主的な返納を求めているところである。更に、平成8年度から18年度までの元事務長の勤務校の校長について、現在の在職者を対象に厳正な処分を考えている。
- 7:【熊田裕通委員】
チェック機能を強化すべきであるが、今後の再発防止に向けてどのように考えているか。
- 8:【管理部長】
各県立学校に対して規範意識や服務規律の徹底を図るとともに、私費会計の事務処理方法についても再度周知し、業者等への支払確認や物品の納品確認については必ず複数の職員により行うようにする。また、私費会計の預金通帳は事務長が保管し、印鑑は校長が保管すること等を徹底し、チェック機能を確立するほか、県教育委員会の検査体制も重点を私費会計にするなど再発防止に努めてまいりたい。
- 9:【教育長】
今回の事件は、事務長がその立場を利用した極めて悪質な行為であり、誠に遺憾である。関係の保護者にご迷惑をおかけしたことはもとより、学校や教職員、愛知県の教育行政に対する信頼をも失墜させるもので、大変申し訳なく思っている。教育委員会としては、様々な再発防止策の徹底をすることにより、厳格な姿勢で対処していきたい。
- 10:【熊田裕通委員】
二重三重のチェックをし、再発防止に努めてもらいたい。
- 11:【小林 功委員】
PTAの役員の中に会計監査を置いているか。
- 12:【総務課長】
通常、3名の監事を置いて監査を実施している。
- 13:【小林 功委員】
監事の構成はどうなっているか。
- 14:【総務課長】
通常は保護者にお願いをしている。
- 15:【小林 功委員】
PTAの中で事務長はどのような立場にあるのか。
- 16:【総務課長】
学校側はPTAという団体から委任を受けて経理事務を行っている。
- 17:【小林 功委員】
PTAも組織として会計監査を実施しており、学校と事務長の問題だけではないと思うがどうか。
- 18:【総務課長】
それぞれの役員の職務が機能するよう指導していきたいと考えている。
- 19:【小林 功委員】
事務長などの位置づけをはっきりさせ、保護者と一緒に帳簿が確認できるようにするべきである。PTA会費はもともと使い道が明確でない上、相当の額を扱っており、公の予算と同じくある程度使い道を決めておく必要がある。そうしたことも含め、子どものためのPTAであるよう、今後の検討課題としてほしい。
また、学力の問題であるが、今年実施された全国学力テストは、その結果の使い方により有効なものにも無意味なものにもなると思う。テストは教えたことを子どもが覚えたかどうかを試すものであり、先生のための指標の一つであると考えている。回答の中から出てくる子どもたちの傾向など、何か気付いたことはあるか。
- 20:【義務教育課長】
例えば国語の基礎である漢字の読み書きができていない子どもがやや多く、上位層も全国に比べ少ないことが一つの傾向である。算数・数学については、ほぼ全国レベルであるが、基礎である四則計算ができていない子どもも若干いるという傾向があった。プログラムによる詳細な分析をそれぞれの学校や市町村に依頼しており、県としても全体的に詳しい分析を行っていきたい。
- 21:【小林 功委員】
この結果については、先生側の検討の材料とすべきであり、入試のためのランキングなら疑問がある。社会に出てから一人前にやっていけるための教育が義務教育である。義務教育は県や市町村の義務ではなく、子どもを学校に行かせるという保護者の義務である。最近、学力や学習態度の低下などが言われているが、学校だけではなく社会全体の問題であり、目先にとらわれ、基礎ができていない。学習状況調査との関連などを含めて分析結果を出し、家庭でのしつけなどあらゆる面に生かしてほしいが、どのように考えているか。
- 22:【義務教育課長】
限られた教科での結果ではあるが、国の公表では、学習に対する関心や意欲が高い子どもは学力との相関がある。また、学習時間や読書時間、基本的生活習慣、自尊心、規範意識も学力との相関関係があるとされている。その他、本県では、学校の宿題をする、毎日朝食を食べる、友達との約束を守る、学校の準備を前日や当日の朝に確かめるといったことも学力との相関関係があるとされている。今回の結果については、学力のみではなく、生活面で保護者や地域に発信していく材料があるので、各学校で更に分析を進め活用していきたい。県としては、義務教育の9年間を見通した指導のパターンをサンプル例として紹介し、各学校で活用できるようなプランを検討し、今年度中には学校に示したい。
- 23:【小林 功委員】
機会の平等はあっても、結果の平等はあり得ないことだと思うが、主役は子どもであることを念頭に、今回のテストの結果を活用してほしい。
- 24:【西川厚志委員】
高校生の中退について、18年度の県立高校の全日制における中退者の数は1,822人であるが、この数字についての認識や主な原因の分析について伺う。
- 25:【高等学校教育課長】
この数年、比率的にはほぼ同じであり、全国的な調査の結果も同様である。中退はないに越したことはないが、やむを得ない数字ではないかと考えている。主な原因については、学校ごとで違うが、学習意欲が見られない、成績不振でついて行けない、家庭の事情で就職に進路を変更する、人間関係のつまずきなどが挙げられる。
- 26:【西川厚志委員】
18年度の学年別の内訳では、1年生が半分以上の1,025人である。先日の文教委員会において、高校進学率に関する質問をしたが、生徒のニーズに応じた数字だと聞いた。希望を持って入学したはずの生徒が1年足らずで辞める傾向が強い。1年生の割合が高い理由は何か。
- 27:【高等学校教育課長】
中学校と高校の学習指導や生活指導が円滑に接続できていない状況があると思う。高校では1日体験入学を実施し、選択の段階で誤らないよう情報を提供している。また、入学後にはクラスの中で融和を図るため、オリエンテーションにより予習・復習の方法など詳しく説明し、理解を図るようにしている。
- 28:【西川厚志委員】
全体から見れば中退者の割合はそれほど高いものではないが、ある県立学校の実態として、200人の1年生の内、留年が20人、中退が40人という数字を目の当たりにした。2年になり、200人中60人がいないことになる。中退者は特定の学校に偏っていると思うが、その理由は何か。
- 29:【高等学校教育課長】
学校によって事情が異なるが、学業について行けないと留年や中退の要因になると思う。学業成績が不振で留年する場合は、一律に定期考査の成績だけで判断するのではなく、幅広く評価する方法を指導している。その結果、改善の兆しはあると考えている。
- 30:【西川厚志委員】
最近はとにかく無気力であり、辞めていく生徒の多くが家庭環境に問題があると聞いた。中学側にも重要な役割があり、中退者が多い高校に進学することになった場合、親に対してアドバイスをしてはどうか。
- 31:【義務教育課長】
進路指導については、以前の出口指導から職場体験も含めた生き方指導に変わってきた。中学校は送り出したらそのままではなく、高校と連携してアフターケアも行っているが、卒業すると相談しにくい状況もある。更に生き方指導や卒業後のフォローについても充実していきたい。
- 32:【西川厚志委員】
子どもの能力に応じた道を示すことも中学校の責務であると思う。高校中退は大きい挫折感を味わうことになり、非行やニートにつながることも懸念されることから、人間形成の面で重要な仕事である。県教育委員会として前向きな取組を強く要望する。
- 33:【谷口知美委員】
食育は、子どもの生活全般にかかわることであり、さまざまな取組がなされている。11月27日に食育の発信校による発表が行われたが、どのような実践や成果があったのか。
- 34:【健康学習課長】
一例として、食べ物のひみつと題した小学校の3年生の総合的な学習の時間の実践では、学校全体の研究主題である豊かな心・意欲と思いやりに対し、食から迫ることができるように授業実践が行われ、搾乳体験を通して子どもたちは牛の命を感じとることができ、給食の時間の関連した指導により、感謝して食べるという心の育成にもつながったとの報告があった。
成果としては、県内小中学校から1,300人を超える教職員の参加があり、午前は食育発信校が10分科会に分かれて報告を行い、参加者からも活発な意見があった。また、午後の全体会では、文部科学省の担当や食育の指導的立場である大学関係者を講師やシンポジウムのパネラーに招き、今後の食育の進め方について示唆を受けた。参加者からは、内容が豊富で良かった、食育を進めるに当たり自分の迷っていたことが納得できた、教育としての食育の進め方が理解できたなどの感想が聞かれた。
- 35:【谷口知美委員】
子どもたちの好き嫌いをなくすには、食べ物や動物に愛着を持たせることが大切であるが、学校で作物を育てるには、人的、費用的な面で続けられないという話も聞いている。今後、食育の推進に当たり、いろいろな部局との連携が必要だと思うがどうか。
- 36:【健康学習課長】
本県では農林水産部食育推進課が中核となって食育を推進しているが、学校における食育については健康学習課が中心となって食育推進課と連携して進めている。特に学校給食への地域農産物活用については、子どもたちが地域を理解するよい手段となることから、農林水産部と連携をとりながら進めている。また、学校において野菜や米を栽培する体験活動についても、地元農協の支援や地域ボランティアの育成等、農林水産部の協力を得て進めている。また肥料に関して、循環型肥料の例としては、農家から提供されたたい肥を学校花壇に活用している事例があるが、これらたい肥を活用することは子どもたちが地域の産業を理解することにもつながる大切なことであると考えている。今年度、各県事務所に市町村農林水産関係者と教育委員会関係者による食育推進の連絡会議が設置されたため、この会議等を活用して、資源循環に関する情報を市町村教育委員会に提供し、学校で野菜等を育てる折に使用できるよう考えている。また、この取組だけでなく、食育の推進に当たり健康福祉部や農林水産部との連携を深めていきたい。
- 37:【谷口知美委員】
各学校は需用費等が減って厳しい状況と聞いているので、円滑に進むよう県として組織作りをしてほしい。
食育も子どもたちが食物に感動することが重要であるが、授業も同じであり、分かることが子どもたちの学ぼうとする意識につながる。競争社会の中でいろいろな課題が学校に課せられているが、基本は授業で子どもが分かることである。授業名人活用推進事業とあいち授業塾推進事業の実績や効果はどうか。
- 38:【義務教育課長】
授業が基本であり、教員の授業力を高める必要がある。従来は、校内や総合教育センターでの研修を行ってきたが、授業名人活用推進事業では、昨年度は小学校12校、中学校6校の18校と少ないが、教員OBや大学教授など堪能な方から分かる授業、引きつける授業のあり方について研修を行った。近隣の学校にも輪を広げ、同じ市町村あるいは同じ地区の先生にも来てもらい、授業や研究協議会への参加など、技術面だけではなく、精神的なことも含め授業力を高める取組をした。また、授業力向上フォーラムでの実践報告や県教育委員会のホームページでの推進校の資料の紹介も行っている。今年度は小学校11校、中学校7校で同様に行っている。成果としては、授業の構成など、子どもを理解する力が付きつつある、また、地域全体で授業をよくしようとする気運が高まってきているという報告がある。
あいち授業塾推進事業は若手教員の養成が主眼である。地区ごと、教科ごとに分かれ、各地区から5名ずつ、小学校8教科、中学校7教科の15教科において、1教科につき塾生5名、指導教員1名の6名でグループを作り、授業を細かく分析し、1年間通して定期的に研修を行った。塾生からは確かな指導方法や指導技術、教材解釈や教材開発、授業分析や評価方法等の実践的な授業力を身につけることができたとの声を聞いている。両事業とも従来の教育センターの研修ではなく、学校や身近な場所で充実した研修が受けられ、成果を上げることができるようになったと考えている。この事業の塾生や指導教員が地区の教科指導の中心として活躍できるシステムを構築していきたい。
- 39:【谷口知美委員】
教員の資質向上と言われるが、先生同士で教材研究をする時間がないとよく聞く。先生のやる気が出ると子どもにもやる気が出て、そうした子どもの顔を見ると更に先生のやる気が出るといった、よい循環への工夫改善をしてもらいたい。
次に、県立高校再編整備計画における東山工業と愛知工業の統合について、東山工業の来年度の受験希望の生徒には、11月まで何も知らされていなかったのが実態である。11月13日の東山工業高校の説明会では何の説明もなく、11月15日の文教委員会において、来年度が最後の募集であるとの発表があった。夏には希望の学校として東山工業へ体験入学に行き、自分の夢をかなえようと考えていた生徒もいたと思うが、その時に何も示されていない。1年以上前に資料提供をできなかったのかと思う。今後、できるだけ早く情報提供をしてほしいが、現状を変えられるか。
- 40:【高等学校教育課長】
県立高校の再編整備計画については、従来から統合の前々年度までに発表をしている。現在の中学校3年生は、この12月に最終的に進路決定をするが、最終決定に間に合うように発表をしている。最後の入学生になると理解して受験するという形が取れると思っている。
- 41:【谷口知美委員】
11月までの中学校の指導についてはどう考えるのか。本当に11月でいいと考えているのか。
- 42:【高等学校教育課長】
体験入学を実施した学校が、翌年度に受験できないことは問題があると思うが、発表に当たっては予算面などの理解も得る必要がある。受験する生徒の選択も含めて、様々なことを考慮した上で計画を作成しており、発表の時期については、最大限できる範囲で、そして理解を得られる方式であると考えている。
- 43:【谷口知美委員】
様々なことの中には、子どもたちの気持ちが含まれているかということについては疑問が残る。受験するために体験入学に来るのであり、せめて体験入学の際には最後の入学生であることを示せるようにしてほしい。
- 44:【石井芳樹委員】
一昔前はなかなか先生になれなかったが、現在は県も市町村も先生の取り合いである。来年小学校2年生に少人数学級が導入され、200人以上の正規教員が必要になると聞いている。新規採用が増えると、同数の初任者指導の非常勤講師も必要となる。十分な選考をせずに採用していて教育水準の維持ができるのか。また、先生を多く輩出する仕組みづくりができているのか。
- 45:【教職員課主幹(小中学校人事)】
新規採用が増えれば、それに伴い非常勤講師も増える。時期により変動はあるが、現在、県費の非常勤講師は約3,000人おり、おおむね充足できているが、一部の地区や教科では人材確保で苦慮している。今後、教員養成大学への働きかけや教員OBの活用、また、講師登録も活用し、講師の確保に努めていきたい。
- 46:【石井芳樹委員】
中学校の数学や理科、又は小学校の少人数指導などで不足があると思うが、それをどうしているのか。また、今後どうしていくのか。
- 47:【教職員課主幹(小中学校人事)】
現在、約2パーセントの80名ほどが、どうしても見つからない状況である。県内全域で情報交換し、遠くても来てもらえる人にはお願いしている。やむを得ない場合は、校内で対応している。
- 48:【石井芳樹委員】
県で足りなければ、市町村はもっと足りない。そうした中で、県の非常勤講師の報酬単価は2,930円であるが、町では1,750円の所もある。市町村の中で約7割の市町村が非常勤講師を雇っているが、県よりも報酬単価が高いのは3市、同じが12市町村、低いのが29市町、非常勤講師を設置していないのが19市町である。財政力が豊かではない市町は苦慮しているが、どのように考えているか。
- 49:【教職員課主幹(小中学校人事)】
少人数指導などにより県内の学校に、教育水準を維持するという観点で派遣している。その他に市町村がそれぞれの独自性を加味するために講師を採用している。報酬単価の違いなどで奪い合いが生じるのはよくないため、市町村教育委員会と連携をして進めていきたい。
- 50:【石井芳樹委員】
ある町では、単価が低く、9校のうち1校に非常勤講師がいないため、地域住民から要望が出ている。また、市町では、県からの派遣指導主事を活用し、県に対して依頼をしているが、派遣指導主事も市には2名、町村は1名であるため、既にパイプも違う。町村においては、地域の格差が教育水準の格差につながっているところがあるので、漏れがないようコミュニケーションをとって派遣をしてもらいたい。
- 51:【佐藤ゆうこ委員】
外国人講師について、県内の153校の高校に派遣しており、そのうち130校はJETと言われる外国からの講師で、20校はNESAと呼ばれる県内に在住の外国人講師と聞いている。NESAについては、1コマ当たり7,630円であるが、少し高いのではないか。指導力等を加味して採用しているとのことであるが、ECCなど他にも講師をしている方が多く、金額を抑えてもやってくれる人がいるのではないか。
- 52:【高等学校教育課長】
需要と供給の問題や指導力の保証ということもあり、安ければよいというものではない部分がある。NESAは100時間を限度としているため、76万円ほどの収入となる。またNESAが使えるのは、交通の便のよい都心部のみであり、そうした状況の中で人材を確保するためには妥当な金額であると考えている。
- 53:【佐藤ゆうこ委員】
7,630円が妥当というのは納得できない。他の非常勤講師は金額的にはそこまで至っていないがしっかりやっている。NESAの登録人数は多いので、少し削ってでもやってくれる人を採用してはどうか。
- 54:【高等学校教育課長】
経費を無駄にすることは適切ではないため、見直すべきところは見直すが、従来からの経緯やAETとの関係など、様々なことを比較しながら今後検討していきたい。
- 55:【佐藤ゆうこ委員】
他の教職員との釣合いも考えてほしい。
16年4月から県立学校では敷地内が全面禁煙となったが、よく耳にするのは、校長が校門の前で頻繁にたばこを吸っているという話である。19年4月にマナーに配慮するよう通知を出したということだが、現在クレームなどはないのか。
- 56:【健康学習課長】
確かに苦情はある。その場合、該当校に連絡し、マナーについて指導している。社会的にたばこの健康影響への理解が深まり、全国的にも受動喫煙防止に関する取組が進んでいるため、今後も敷地内全面禁煙は続けていきたい。
- 57:【佐藤ゆうこ委員】
通知を出してもクレームがあるなら、分煙も考えてはどうか。
- 58:【健康学習課長】
学校においては児童生徒への影響も大きいため、全国的な考え方として敷地内全面禁煙となっている。平成17年3月の調査では22都道県が実施しており、今後10県が予定している。
- 59:【佐藤ゆうこ委員】
校長が門前で喫煙している姿は、保護者から見てもいいイメージではないので、配慮をお願いしたい。
- 60:【健康学習課長】
今後とも粘り強く指導していきたい。
- 61:【内田康宏委員】
埋蔵文化財の取扱いについて伺う。岡崎でマンション建設予定地の掘りおこしを行った際、安土桃山時代の城壁が見つかった。大変珍しいものだそうだが、届出が出て、教育委員会が調査した時点では、既に3分の2が壊されていた。業者が第1発見者となることが多いと思うが、届出のタイミングはどうなっているのか。また、業者に対して周知されているか。
- 62:【文化財保護室長】
原則として工事等を行う際は、地元の市町村教育委員会に埋蔵文化財がある場所かどうかを事前に確認することとなっている。埋蔵文化財がなければ、そのまま着工するが、着工後に埋蔵文化財が発見されたときは、直ちに報告を受けることとなる。埋蔵文化財があると予想される場合は、予備調査として試掘をし、発見されれば民間の工事業者等と調整をする。そのまま残すことが無理な場合は、写真などでの記録として保存し、報告書としてまとめる。また、業者に対する周知については、市町村教育委員会の担当者などを対象に研修会などにおいて徹底していきたい。法律上は、工事をして埋蔵物などが出てきた場合、原則的には警察に届け出ることとなっているが、土器などの埋蔵文化財が発見された場合は、まず市町村教委へ届け出るということを周知している。
- 63:【内田康宏委員】
財政力がぜい弱な所で重要な文化財が発見された場合、県としてどのような対応をするのか。
- 64:【文化財保護室長】
国に様々な補助制度があるので、市町村からの相談に応じて協議をし、埋蔵文化財の適切な保存に向けて進めていきたい。
- 65:【内田康宏委員】
県の財源が厳しい状況であるが、この地域の持っている貴重な文化財の特殊性にも目配りしながら進めてもらいたい。